みうらじゅんの映画チラシ放談

公開中止になった『M3GAN/ミーガン 2.0』チラシがないのに語る!

月2回連載

第155回

みうらさんが勝手に作った『M3GAN/ミーガン 2.0』チラシ

勝手に作った『M3GAN/ミーガン 2.0』チラシの力で上映を実現⁉

── みうらさんがみうらじゅん賞に選ぶくらい推していた『ミーガン』の続編、当初は10月10日公開予定と言われていたのですが、劇場公開がなくなってしまいましたね。

みうら アメリカで大コケしたからって日本で上映中止って、そんな映画は過去いっぱいあったと思うんですがねぇ。理由は本当に興行成績のことだけなんですか? 

ぴあ編集部 もし本当の理由があっても語られることはないんでしょうけど、言われているのはやっぱりアメリカでの成績の影響みたいですね。

みうら 日本では当たるかもしれないのにね。チラシが早く来ないかなと待ってたので、本当、残念でなりません。当然、パンフもグッズも楽しみにしてたんです。ついに等身大のミーガン人形も日本で売るんじゃないかと。お金用意して待ってたのにぃ(笑)。日本で全然売ってなかったので、今度こそはって思ってましたから。

もういっそのことチラシ放談で、勝手にチラシを作って語りたいと思います(みうら制作の勝手にチラシ公開)。

これさえあれば、日本でも公開するように見えますからね(笑)。

── チラシの力で上映を実現。いいですね(笑)。

みうら 勝手にチラシ協会(K・T・K)です (笑)。

── ただ、今回はアメリカの製作会社の社長がめちゃくちゃ反省の弁を述べてましたね。『ミーガン』がヒットして、何をしてもいいって勘違いしてホラーじゃなくなってしまいました、みたいな話をしていました。

みうら ホラーじゃない(笑)? そんなこともよくあることです。『悪魔のいけにえ2』がそうだったようにねぇ。

── 確かに『悪魔のいけにえ2』は最高のコメディでしたね。

みうら ファンはミーガンさえ出てくればそれでいいんですから。そういや昔、『ウェインズ・ワールド』という映画にハマって、勝手に私設広告員としていろんな雑誌やテレビで勝手に宣伝してたもんですよ。だけど、『ウェインズ・ワールド2』は結局ビデオスルーでガッカリしました。

『ミーガン2.0』はNetflixとかですぐ観られるようになるんですか?

ぴあ編集部 いずれ配信やパッケージ発売はされるんじゃないかとは思うんですけど、まだ日付とかは出ていないようですね。

みうら それまでにエデンの江戸木(純)さんが買ってくれないですかねぇ(笑)? 

── でもこれってアメリカの本社案件じゃないんですかね。映画館では予告編も流してましたし、日本国内だけの話だったら公開した方がいい気がするんですが。

みうら そりゃそれがいいに決まってますよね。

ねぇ? ご相談なんですけど。『ぴあ』が主催で一夜限りの上映会をやってもらえませんか? 日本にもミーガン踊りをしている人たちがいますから、その当日、舞台で踊ってもらいましょうよ。

── 楽しいイベントになりそうですね。

みうら 上映後に大槻(ケンヂ)君とかゲストに呼んで“どこがコケた理由なのか?”というトークショーもしたいと思ってます(笑)。

── 反省会ですね(笑)。

みうら ま、ある意味、反省会ですけど、たぶん僕らには面白いに決まってますから(笑)。そのとき、村山さんにも『ミーガン2.0』の勝手に作ったチラシ裏に解説をお願いしたいんですが。原稿料がどこから出るのかは分からないんですけどね(笑)。

── 「ミーガンを俺たちのもとに返せ!」という原稿書きますね(笑)。

みうら ありがとうございます。これでミーガンも浮かばれることでしょう。死んじゃいませんけどね(笑)。

となると、勝手な邦題もいりますよねぇ。

── とりあえず『ミーガン2.0』という正式タイトルにおいての副題ですよね?

みうら じゃあ元々が「2.0」だったんですね。どんな話かは分からないけど、邦題は『ミーガン日本でもやる』みたいな分かり易いのがいいと思うんですが(笑)。それにチラシのキャッチコピーは、「全米がコケた!」にしたいと。泣いてる場合じゃないですからね。

取材・文:村山章

プロフィール

みうらじゅん

1958年生まれ。1980年に漫画家としてデビュー。イラストレーター、小説家、エッセイスト、ミュージシャン、仏像愛好家など様々な顔を持ち、“マイブーム”“ゆるキャラ”の名づけ親としても知られる。『マイ修行映画』(文藝春秋)、『みうらじゅんのゆるゆる映画劇場』『「ない仕事」の作り方』『アウト老のすすめ』(ともに文春文庫)など著作も多数。

『アウト老のすすめ』
⽂藝春秋
1540円(税込)