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深川麻衣の、マイペース語り

#『おもいで写眞』高良健吾さん

隔週連載

第3回

初めて会ったときの握手を今でもよく覚えています

深川 今日はエッセイの3回目ということで、事務所の先輩である高良さんに来てもらいました!

高良 よろしくお願いします!

深川 私、高良さんと初めてお会いしたときのことは今でもよく覚えているんです。私が初めて事務所に行ったときに、ちょうど高良さんもいらっしゃっていると聞いて、ご挨拶させていただいたんですけど。内心すごく緊張していて。そしたら、高良さんがちゃんと目を見て「これからよろしくね」ってがっしり握手をしてくださったんです。それがすごくうれしくて。

高良 僕もそのときのことはよく覚えているし、うれしかったです。同じ事務所で、役者という同じ道を進む者同士。やっぱり仲間というか、特別な想いはあって。

深川 なんだか受け入れてもらえたというか。これから同じ事務所で頑張っていくんだって感じたのを覚えています。

高良 うちの事務所の先輩たちって結構兄貴してくれたり、お姉さんしてくれたりっていう人が多くて。そうやって温かく接してもらってきたからこそ、深川さんにとって自分もそうありたいという気持ちはありました。

深川 そしたら今回、『おもいで写眞』でご一緒させていただくことになって。主演という立場ですごく緊張していた私にとって、高良さんの存在はすごく頼もしかったです。撮影中、悩んでいる私にふっと言葉をかけてくださったことがあって、それがすごくヒントになったり。この作品だけじゃなく、これから仕事を続けていくにあたって役立つ言葉をいただけたことが、本当にありがたかったです。

高良 深川さんが事務所に入ったときに、元乃木坂46の子だって聞いて。僕は元アイドルということに偏見はまったくないし、むしろアイドルの世界で生き抜いてきた人だから、絶対に仕事に対する気合いが違うだろうし、意思の強い子なんだろうなと思っていたんです。それが今回初めて現場を一緒にやらせてもらい、強さに加えて、素直な人なんだなと思うようになりました。

深川 え! どういうところで思ってくださったんですか?

高良 監督に何か言われたときに、ちゃんと顔に出るところかな。監督のオーダーに対して応えられない自分への苛立ちとか悔しさが全部顔に出ている。僕はそれっていいじゃんと思っていて。わかりやすいし、本気でやっている証拠だと思うから。

深川 確かに悔しいと思うことは何度もありました。朝は今日も1日頑張るぞと気合いを入れて現場に行くんですけど、感情を表に出すシーンが続いて、それが自分の中でうまく消化できないと心が折れてしまって。次は頑張るぞって気持ちを切り替えて、また折れてっていう。その繰り返しでしたね。

高良 特に大変だったシーンとかある?

深川 柏葉さん(古谷一行)を置いて、車を出すシーンですね。私が演じた結子は、母親から捨てられた過去があって。それが、奥さんを残して家を出た柏葉さんに重なって、つい詰め寄ってしまう。足の悪い柏葉さんを置き去りにするほどの怒りって、よっぽどのことだと思うから。今回、結子を演じるにあたって、いろんな怒りの表現が求められましたけど、特に悩んだシーンでした。

家の前で撮った家族写真が、私の“おもいで写眞”です

高良 今回の映画では写真が大きなモチーフになっているけど、深川さんは写真は好きですか?

深川 大好きです。もともとフィルムカメラをよく持ち歩いていて。景色もそうですし、友達といるときにふっと今の表情いいなと思ったときとか、そういうこの瞬間を残しておきたいというときによく撮ります。高良さんはどうですか?

高良 僕は自分ではほぼ撮らない。ケータイのカメラもほとんど使わないし。カメラロールもほぼ空っぽ(笑)。

深川 そうなんですか。私はカメラロールがいっぱいで、過去のデータはこまめにパソコンに移してます(笑)。帰省したときとか、愛犬が可愛くて写真を撮りすぎちゃったりするんですよね(笑)。

高良 写真自体はいいなと思うんだけどね。深川さんの言う通りその瞬間を残せるというか、やっぱり見返すことで思い出せるものもあるし。だけど、自分が撮るとか撮られるということに関してはなんか遠いところにある気がする。たぶん恥ずかしいんだと思う、撮られることが。深川さんは“おもいで写眞”と言われて、浮かぶ写真って何かありますか?

深川 そうですね。実は今年(2020年)のお正月に実家に帰省したときみんなで家族写真を撮ったんですよ。

高良 へえ、いいなあ。

深川 ふっと家族写真撮りたいなと思い立って。家の前に並んでもらって、セルフタイマーで撮りました。みんな撮られ慣れていないから緊張して、犬を抱えて固まってたりするんですけど(笑)。なんかそういうのも含めていいなあって。まさに残しておきたいその瞬間が写っている、お気に入りの一枚。現像して実家にも送って、私の部屋にも飾っています。高良さんはどうですか?

高良 なんだろう。自分がガキの頃とか、「これいつ撮ったの?」というような写真ってあるじゃないですか。“おもいで写眞”って言われて浮かぶのは、そういう自分の記憶にはない写真かな。記憶にはないけど、なんだか楽しそうで。撮った母親からは、こんなふうに自分が見えていたのかなって感じられるような、そういう写真を見ると心が温かくなりますね。

ロケ中はおいしいものをいっぱい食べました(笑)

深川 私、今回ご一緒させていただいて、改めて高良さんのことが素敵だなと感じたところがあって。

高良 本当に?

深川 私はさっき話した通り、今回の現場では自分のことでいっぱいいっぱいになってしまって、周りを見渡す余裕なんて全然なかったんですけど、高良さんは周りのことがちゃんと見えていて。撮影中、あるスタッフさんが誕生日だったんですけど、そういうこともちゃんと覚えていて、「〇〇さん、今日誕生日なんだよ」って私にも教えてくれたりとか。

高良 それはたまたま現場にいてそういう話になって、誕生日だって知ったから、深川さんにも伝えただけで。全然僕がすごいわけじゃないです。

深川 そうだったんですね。でも、別の現場で一緒になったスタッフさんの名前もちゃんと覚えてるし。誠実な方だなって改めて思いました。

高良 確かにスタッフさんの名前は覚えるようにしています。でもそれも僕がどうこうというより、周りの先輩たちがそういうことをちゃんとしていから、自然と僕も覚えるようになったという感じで。そういう意味では、先輩に恵まれたなと思います。

深川 あとすごく印象的だったのが、撮影が早く終わった日に、みんなで回転寿司に行ったじゃないですか。ロケ地の富山は海の幸が有名。せっかくだし、みんなでお寿司でも食べようってお店に行ったら、お店に高良さんのファンの方がいらっしゃって。私たちが食べ終えてお会計をしているタイミングだったかな、高良さんがそれに気づいて、ファンの方のところまで行って握手をされていたんです。そのときのファンの方の笑顔がすごくうれしそうで。役者として視野が広いだけじゃなく、それ以前に人として思いやりのある方なんだなと思いました。

高良 なつかしいね。あのときの回転寿司は美味しかった。

深川 本当に美味しかったです。富山の回転寿司は私たちがイメージする回転寿司のクオリティを超えていて、お寿司も大好きなので滞在中はいっぱい食べちゃいました。

高良 僕も富山にいる間に合計100皿以上は食べた気がする(笑)。富山のいいところは、地物が多いところ。魚も、お酒も、野菜も、とにかく地物がすごくおいしかった。しかも事務所が「好きなだけ食べていいよ」と言ってくれたから、ロケ中は食費が全然かからなかった(笑)。

深川 美味しいものを食べまくるっていう(笑)。

高良 本当にね。美味しいご飯をありがとうございました(笑)。

【ご招待】深川麻衣さん、高良健吾さんほか登壇! 『おもいで写眞』完成披露試写会20組40名様にご招待します!
応募締切は1月4日(月) 23:59まで

プロフィール

深川麻衣(ふかがわ・まい)

1991年3月29日生まれ。静岡県出身。O型。
2011年に乃木坂46の第1期生として活動をスタート。その後2016年、女優業に専念するためグループを卒業。NHK連続テレビ小説『まんぷく』『日本ボロ宿紀行』『まだ結婚できない男』をはじめとしたドラマ、『愛がなんだ』、『空母いぶき』『水曜日が消えた』など映画作品にも多数出演。初出演にして初主演を果たした映画『パンとバスと2度目のハツコイ』ではその演技が評価され、第10回TAMA映画賞の最優秀新進女優賞を受賞。次回作の2021年1月29日公開予定『おもいで写眞』では、夢に破れ東京を離れた後、地元で“遺影写真撮影”という新たな仕事を通して成長するヒロイン、結子を熱演する。

深川麻衣 official web site
https://fukagawamai.com/

高良健吾(こうら・けんご)

1987年11月12日生まれ。熊本県出身。O型。
2006年、『ハリヨの夏』にて映画デビュー。2011年『軽蔑』で第35回日本アカデミー賞新人俳優賞、『苦役列車』(12)で第36回日本アカデミー賞優秀助演男優賞、『横道世之介』では第56回ブルーリボン賞主演男優賞を受賞。近年の主な出演作に、『 人間失格 太宰治と3人の女たち』(19/) 、 『カツベン!』(19/)、『星の子』(20) などがある。21年には、NHK 大河ドラマ「青天を衝け」への出演と、2月には映画『あのこは貴族』(20/監督:岨手由貴子)、GWには『くれなずめ』(20/監督:松居大吾)の公開が控えている。

撮影/高橋那月、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/(深川麻衣)小澤 麻衣(モッズ・ヘア)(高良健吾)高桑里圭、スタイリング/樽山リナ(高良健吾)渡辺慎也(Koa Hole inc)、 衣装協力/(深川麻衣)ニット¥16,000/JOHNBULL(ジョンブル)、パンツ¥25,000/ nicholson&nicholson(ナカガワ)、イヤリング¥1,500/GOLDY(ゴールディ)、その他/スタイリスト私物(高良健吾)ジャケット¥57,800シャツ¥29,800パンツ¥31,800シューズ¥35,800ブランド名:nonnative問い合わせ:vendor(03-6452-3072)