こんにちは、深川麻衣です。
気づけば1年ももうすぐ1/3が過ぎようとしていますが、皆さんは今年新しく始めたことってありますか? 私は今年から、ずっとやりたかった陶芸を始めてみました。頭の中で自分が作りたいもの、ほしいものをたくさん形にしていけたらいいなとワクワクしています! なかなか売っている物のようにどこから見ても綺麗な形に仕上げるのは難しいけど、手作りならではの少しのいびつさも愛おしく感じます。最近は花瓶や少し深めのボウルや、実家から頼まれた醤油皿などをこまごま作りました。今後何かの機会に皆さんにもお見せできたらいいな。
さてさて、この連載もいよいよ最終回となりますが、今回は、映画『今はちょっと、ついてないだけ』が4月8日(金)ついにロードショー!ということで、最終回はこの映画についてのお話や、演じた役柄についてお話をしていきたいと思います。
#やさしい空気が流れる温かな作品なんです
最初に原作の小説を読んだ時、今までの人生をそっと肯定してもらえるような優しい物語だと感じました。年齢を重ねるにつれて湧いてくる色んな思いとか葛藤、選択しなかった人生への後悔とか、きっと少なからず誰もがもっていると思うんですが、そういう感情をふっと軽くしてくれて、本当にこれでいいのかな?って悩んでいるところに、「それでいいんだよ」とそっと背中を押してくれるようなお話です。
玉山鉄二さん演じるカメラマンの立花さんが主人公なのですが、私の役柄も含め様々な登場人物達のストーリーも重なり合って、お互いに影響を与えあいながら完結していく流れが素敵でした。監督の柴山さんの撮る作品は温かく優しい世界観のものが多いので、その雰囲気が原作の持つ魅力と合わさり、あたたかい映画になっていると思います。
#本音や大切なことに限って言葉にできない……に共感
私が今回演じた瀬戸寛子は、美容サロンで働きながらもコミュニケーション下手で、仕事をリストラされてしまう境遇の女性なのですが。寛子が抱えている、本音とか思っていることを大切なことをうまく伝えられないもどかしさには、私も口下手なところがあるので台本を読んでいてとても共感できて、読みながら寛子を応援したくなりました。特に「もしあのとき、あの人にこうやって伝えられていたなら……」というシーンの心の声が印象的でした。
皆さんも「あの時こう言えたらよかったのに……」って後悔したことはありますか?
意外と、家族や友達という親しい間柄でも、言葉にしないと伝わらないことの方が多いんですよね。付き合いが長いし言わなくてもわかるはず、と思っていても、意外と相手には伝わっていなかったり。
だから、特に感謝の気持ちは積極的に言葉にして伝えていきたいなぁと、この作品を通して改めて実感しました。年齢を重ねるほど、ありがとうとごめんなさいが素直に言える方はとても素敵だなと思います。
あの時ああすれば……と言葉足らずや行動足らずで後悔する前に、大切なことはちゃんと自分の言葉と行動で伝えていけるよう、私も意識して過ごしていけるよう頑張ります!
#ヘアメイクさんってやっぱりすごい
昨年公開した映画『おもいで写眞』に引き続き、偶然にも今回もメイクアップアーティストを目指す女性の役でした。おもいで写眞の際にもメイクの動作や筆の持ち方などしっかり指導していただきましたが、それからかなり時間が経っていたこともあり、寄りで撮るカットも多くかったのですごく緊張しました(笑)。家ではおもいで写眞のときに購入したフェイスマネキンで練習して、現場ではヘアメイクさんに丁寧に動作を教えていただきました。やっぱり自分で自分の顔にメイクをするのとは感覚が全然違うので、手の置き方や筆圧などが難しいんです。一番難しかったのはリップかな、面積も狭いし、塗り方も左右で筆の持ち方が変わるので、スムーズな手つきになるようにイメージしながら撮影にのぞみました。
ヘアメイクという人を美しくして喜んでもらえる職業って素敵ですよね。撮影なんですけど、メイクをした方が嬉しそうな笑顔になったり、お礼を伝えてもらえると本当に嬉しい気持ちになりました。私はいつもメイクさんにしてもらう側なので日々ありがたみを感じているのですが、メイクの仕方ひとつで表情がガラッと変わって見えたり、全然違う自分になれるような気がするからメイクの力って本当に偉大です。それをお仕事にしているヘアメイクさんの凄さに改めて拍手を送りたくなりました。ぜひ映画内のメイクシーンで、監督もこだわって撮影していた、1人の女性が変身していく姿も注目して見ていただけたらうれしいです。
#『今はちょっと、ついてないだけ』なとき
今、みなさんはどんな気分で過ごしていますか? 最近ついてる!という方も、あんまりいいことないなぁ、という方も。生きていたら日々色々な出来事があって、みんな毎日色んな思いを抱えて過ごしていると思います。私も楽しくて仕方ない日もあれば、「心が折れそう…」と落ち込む日もあります。悩みの中にいる時期って、これで行き止まりのような気持ちになったり、つい後ろ向きに考えてしまったりして。しかも、そんな自分の弱い部分って、人に見られたくないから、隠して見て見ぬふりしながら無理してしまう方も多いと思います。
でも、今回の映画のタイトルにも通じているのですが、ちょっと考え方を変えてみたら、視点が全く違って見えたりするんですよね。悩んでいたことも、「今はちょっとついてないだけだよ」って人に笑ってもらえたら、1人で悩んでいた時よりふっと心がほどけて軽くなったり。自分の中の弱さや後悔にフタをして過ごすのではなくて、そんな自分も認めて受け入れることで前に進めるんだなと、この作品を通じて気づくことができました。だから、もし今「なんかついてない。うまくいかないなぁ。」と悩んでる方がいたとしたら、この映画がそんな皆さんの心を軽くするきっかけになったら嬉しいな、と思っています。
#連載最終回です!
この連載も今回が最後になりました。普段のインタビューなどでは、お仕事のことや役柄について話すことが多いけれど、ここではシンプルに自分の好きなことや、小さいころの話や学生時代のことなど、パーソナルなことをお話する機会が多くて、少し恥ずかしくもなったりしたけど、とても新鮮でした。こういう機会をいただいて「私ってやっぱりこういうことが好きなんだ」、とか「これは意外と昔から変わっていないかも」といろいろ再確認できたり、改めて自分と向き合うきっかけになりました。
あと、連載を続けていて一番うれしかったのは、やっぱり皆さまからのコメントです! いろんな反応をいただけるのがうれしくて、毎回質問を投げかけていたのですが、みなさんがそれについて丁寧に応えてくださるので読むのをとても楽しみにしていました。普段はなかなか言葉でやりとりできる場がないので、そんな場所を持てたことがすごくありたがたかったです。
去年私は30歳に突入し、でも目標としては変わらずに、地に足をつけて、今目の前にあることにしっかりと向き合いながら、いろいろな作品や役柄に飛び込んでいきたいなと思っています。このお仕事を通してみなさんに楽しんでいただけるように、今年も頑張ります。あと2022年は、自分の好きなことや興味があることはとりあえず何でもやってみる!という年にしたくて、仕事以外でも自分にとっての好き、楽しいをたくさん発信していきたいと思っています。今後、形は変わってもみなさんと繋がれるような企画も考えていく予定ですので、これからも変わらず、よろしくお願いします😊
そしてお世話になったぴあさん、約2年半の間、本当にありがとうございました!
ではでは、またお会いしましょう〜👋
深川麻衣でした。
約2年半もの間、応援ありがとうございました! またどこかでお会いしましょう!
プロフィール
深川麻衣(ふかがわ・まい)
1991年生まれ、静岡県出身。
2016年に乃木坂46を卒業後、2017年に舞台『スキップ』で初主演。
2018年には主演映画『パンとバスと2度目のハツコイ』でTAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞。
その後、NHK連続テレビ小説『まんぷく』、連続ドラマ初主演のテレビ東京『日本ボロ宿紀行』、関西テレビ/フジテレビ『まだ結婚できない男』などに出演し、映画では、『愛がなんだ』、『空母いぶき』、『水曜日が消えた』に出演。
今年1月29日には主演映画『おもいで写眞』が公開、現在NHKで放送中の大河ドラマ『青天を衝け』に第十四代将軍・徳川家茂の正室・和宮役で出演、そして#ゾクキュンで話題のMBSドラマ『RISKY』にも出演中。
深川麻衣 official web site
https://fukagawamai.com/
撮影/古川義高、取材・文/滝紀子、企画・構成/藤坂美樹、ヘア/AYA(HITOME)、メイク/KOTOMi(HITOME)、スタイリング/原未來、
衣装協力/カジュアル(ラベンダーにプリントパンツ)
チュニックシャツ¥16,500、パンツ¥19,800/ともにMANON(エムケースクエア)、フラットシューズ¥14,800/moumoune(ムゥムゥヌゥ)、その他スタイリスト私物
※すべて税抜価格
問い合わせ先:
エムケースクエア 06-6534-1177 https://manon-japan.com/
ムゥムゥヌゥ 078-652-4301 https://moumoune.net/