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田中泰の「クラシック新発見」

没後25年を迎えた武満徹のポップな一面に触れる

隔週連載

第18回

武満徹

「映画音楽作曲家として有名であることに不満はないが、私は演奏会用の音楽も書いている。だが誰もそのことを知らないのは実に残念だ」。これは、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ(1928-2020)の現代音楽作品のみを集めたアルバム『エンニオ・モリコーネ管弦楽作品集』のライナーノートに掲載されたモリコーネの言葉だ。他の誰よりも有名な作曲家となり、世界中の人々に愛されるメロディを生み続けたモリコーネにしても、王道の作曲家でありたいという意識は譲れないポイントだったのだろう。その対極に近い存在が、日本を代表する作曲家武満徹(1930-1996)のように思える。