田中泰の「クラシック新発見」
“大河”から“室内楽の庭”へと続く音楽の旅
隔週連載
第137回
クリーヴランド管弦楽団金管五重 ©Roger Mastroianni
「LES FLEUVES(レ・フルーヴ:大河)」をテーマに開催されたゴールデン・ウィークの風物詩「ラ・フォル・ジュルネTOKO2026」が大盛況のうちに終了した。
天候にも恵まれた“世界最大級のクラシック音楽の祭典”は、東京での初開催(2005年)から21年目となる今回もたくさんの人達に幸福な時間を提供してくれたことは嬉しい限り。早速発表された今年の開催結果を紹介しておきたい。
| 1.来場者数(延べ人数) | 約190,000人 |
| (内訳)東京国際フォーラム | 約155,000人 |
| 周辺エリア | 約 35,000人 |
| 2.チケット販売数 | 83,280枚 |
| (内訳)東京国際フォーラム | 90公演 |
| (有料チケット総数) | 105,116枚 (販売率 79,2%) |
| 3.出演者総数 | 2,141人 |
| 東京国際フォーラム | |
| ・海外アーティスト(有料公演) | 50人 |
| ・国内アーティスト(有料公演) | 863人 |
| ・無料イベントアーティスト (地上広場&ホールEキオスク) |
651人 |
| ・周辺エリア(LFJエリアコンサート) | 577人 |
| 4.総公演等回数 | 257公演(回) |
| (内訳)東京国際フォーラム | |
| ・有料公演 | 90公演(回) |
| ・無料公演(講演会含む) | 41公演(回) |
| ・周辺エリア | 126公演(回) |
そこで気になるのが、来年2027年の開催テーマだ。音楽祭発祥の地フランス・ナントでは、来年没後200年を迎える“メモリアル作曲家”ベートーヴェン(1770-1827) をテーマに開催することがすでに発表されている。さて日本での展開やいかに。
そして、我々クラシック・ファンの次なる楽しみはと言えば、初夏の風物詩としてすっかり定着した国内最大規模の室内楽の祭典「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン(CMG)2026」だ。
“クラシック音楽の原点ともいわれる室内楽をもっと気軽に楽しんでほしい”という願いのもと、2011年にスタートしたCMGは、その素晴らしい企画力によって、敷居が高いと思われがちな室内楽のイメージを一新。今やサントリーホールを代表する人気イベントに成長したのだから素晴らしい。サントリーホール開館40周年を記念した今年のプログラムからも、その充実ぶりが伝わってくる。
中でも注目は、CMGの名物企画「ベートーヴェン・サイクル(ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全曲演奏会)」だ。今年は人気実力ともに世界最高峰の弦楽四重奏団「エベーヌ弦楽四重奏団」が登場することで話題沸騰。エベーヌ出演公演が早々に完売したというのだから物凄い。岡本侑也(チェロ)を新メンバーに加えた成果やいかに。さらには、クリーヴランド管弦楽団の花形首席奏者が集結した金管五重奏や、ドイツの名門「クロンベルク・アカデミー」の日本ツアーに、結成15周年を迎えるニューヨークの腕利きピアノ三重奏団「ホルショフスキ・トリオ」の初登場などなど、開館40周年ならではの魅力的なプログラムが満載だ。もちろん、堤 剛(チェロ)を筆頭にずらりと並ぶ日本のトップ奏者たちの活躍からも目が離せない。全24公演が咲き誇る“室内楽の庭”は、今まさに花盛りだ。奏者たちの吐息までが感じられるサントリーホール・ブルーローズ(小ホール)ならではの臨場感溢れる時間を楽しみたい。
さて、筆者がナビゲーターを務める「J-WAVEモーニングクラシック」では、6月1日(月)から6月4日(木)までの4日間にわたって国内最大規模の室内楽の祭典「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン(CMG)2026」を特集。魅力的なプログラムの一旦をピックアップしてお届けします。乞うご期待!
サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン(CMG)2026
6月5日(金)〜6月20日(土)
サントリーホール ブルーローズ
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/feature/chamber2026/
「J-waveモーニングクラシック」
https://www.j-wave.co.jp/original/tmr/classic/
プロフィール
田中泰
1957年生まれ。1988年ぴあ入社以来、一貫してクラシックジャンルを担当し、2008年スプートニクを設立して独立。J-WAVE『モーニングクラシック』『JAL機内クラシックチャンネル』などの構成を通じてクラシックの普及に努める毎日を送っている。スプートニク代表取締役プロデューサー。