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佐藤寛太の偏愛主義でいこう!

『不死身ラヴァーズ』松居大悟監督にインタビューしました!<前編>

不定期連載

第41回

寛太さんが出演する映画『不死身ラヴァーズ』がいよいよ公開に! 今回は、同作の松居大悟監督にゲストとしてご登場いただきました! 漫画家・高木ユーナによる同名コミックに強く惹かれた松居監督にとっては10年越しの念願の企画である本作、見上愛さん演じる主人公“長谷部りの”の運命の相手である“甲野じゅん”を寛太さんが演じます。松居監督作品に出演したくてSNSのDMで直談判したという寛太さん、その有り余る熱意をこのインタビューでもぶつけてくれました!

りのの衣装がめちゃめちゃカワイイ!

佐藤 松居さんはスタッフィングを決めるとき、何を一番大事にしていますか。時間も予算もそんなにない中で、撮影中に怒号が飛び交うみたいなことはもちろん全然なかったじゃないですか。すごく居心地が良かったら、聞いてみたいなと思って。

松居 ……ちゃんとメモを見ながらインタビューするんだね。

佐藤 今日は聞きたいことをまとめてきました(笑)。最初にメモをしていたのは今の質問です。

松居 大体10年ぐらいはやっているから、メインのスタッフはもう人となりを知っているし、この台本が向いているのは誰だろう?って感じでスタッフィングしてるかな。でも単純に怖い人は外しているかもしれない。

佐藤 現場に亀裂が走るようなことって、長い目で見るとよくないですもんね。

松居 長い目で見なくても現場がしんどいし、結果的に役者も萎縮しちゃうとよくないからね。技術はもちろん人で選ばせてもらっているところはある。

佐藤 スタイリストの望月(恵)さんとは、今までも一緒に仕事をしているんですよね?

松居 そう。『くれなずめ』でやってくれて。

佐藤 今回の、りの(見上愛)の衣装、めちゃくちゃかわいかったです。バリエーションが多いのにりのの雰囲気を崩していなくて、しかもちょっとファンタジーなところもあるじゃないですか。個性のある衣装で、映画のストーリーに負けてないなって思いました。僕が演じたじゅんの衣装は2パターンなんですけど(笑)。

松居 それは最初から決まってた(笑)。

佐藤 そうなんですね(笑)。本当にりのの衣装、天才でした。

松居 この映画の中でお花がキーワードだったりもするから、りのがお花みたいに見えたらいいなと思っていて。リアリティだけで考えると、あの街にあんな店はないんじゃない?ってなるけど、それは一度置いておいて、りのの生命力とかキラキラした感じを衣装で表現したかったんだよね。リアルからギリギリちょっとこぼれたところで作ってもらった衣装というか。

「観てほしい最近の出演作はこれとこれで……」

佐藤 この原作を映画化したいっていう企画はずっとあったんですよね?

松居 最初に動き出したかのは2013年ぐらい。そこからパソコンのデスクトップに、ずっとこの映画の企画のファイルがあって。

佐藤 じゃあ『男子高校生の日常』の頃ってことですか?

松居 そうそう。『アフロ田中』でデビューして、初めて自分が映画にしてみたい原作ってなんだろう?って思ったときに浮かんだのが『不死身ラヴァーズ』だったんだよね。だからすごい大事な作品。

佐藤 うわ〜。それを聞くと、この作品に出られたことがさらにうれしいです。

松居 まぁ、じゅんは違う人がよかったけどね。

佐藤 やめてくださいよ! インスタでDMを送って監督から連絡がきたとき、めちゃくちゃうれしかったんですから!

松居 あはははは。

佐藤 渋谷のヒューマントラストシネマで監督の『手』を観て、出ている金子大地に速攻で連絡したんですよ。「めちゃくちゃ良いじゃん!!」って。で、2日後くらいに大地とサウナに行って、「松居さんは若手との仕事も多いから、寛太もいつか縁があったらいいね」とかいろいろと話しているうちに、DMしてみようかな、って勢いのまま文章を書いて。でもそれは送れずに、次の日か次の次の日に送ったんです。

松居 へぇ〜! サウナの気持ちいい感じで書いたそのままじゃなくて、寝かせて推敲したんだ。

佐藤 寝かせただけで、推敲はしてないんですけど(笑)。

松居 確かにすごく思いが伝わってくるDMだったんだよね。長い文章だけど激ヤバ役者がいろんな演出家に送っているタイプのコピペしたDMではないな、って。こぼれ出た本音っぽい感じもしたし、文章としても面白かった。“てにをは”はちょっと弱かったけど(笑)。漢字も間違ってたんじゃない?

佐藤 間違ってないですよ! ……あ、間違ったのは最近のインスタの投稿だ。松居さんの名前の漢字を間違えちゃって。

松居 この映画の情報が初解禁ってときに間違える、っていうね。

佐藤 すみませんでした(笑)。最初にDMを送ったとき、僕のことは知らなかったですよね?

松居 そのときはそんなに知らなかったかな。俺がやっているミニシアターと小劇場の界隈にはいなかったよね。パッと見はさ、すごいキラキラしたところにいる人に見えるし。

佐藤 インタビューでも話してましたよね。「ちょっとかっこよすぎる」って。

松居 キラキラした人が自分の作品を面白いと思って、関わりたいと思ってくれているんだ……ってことに対してまず半信半疑で。

佐藤 松居さんの作品は、誰でも出たいですよ! 取材を受けていてもカメラマンさんが「松居さんの作品がすごく好きで、『不死身ラヴァーズ』も本当に良かったです!」って話してくれたりするんです。

松居 でも自分にはそういう声はなかなか届いてこないからね。だからインスタのDMはうれしかったよ。しかも1回返してみたら、ちゃんと自分の言葉で返ってきたから。でも「観てほしい最近の出演作はこれとこれで……」って3、4本送ってきたから、「多いな!」ってなった(笑)。

佐藤 「Amazonプライムならこれが観られます」みたいな(笑)。

松居 サブスクの見方まで指示してきて、嫌だなと思って。

佐藤 あははははは。

松居 すでにラリーが始まってるから「ちょっと全部は観られないかもしれないな」とか言ったら、「あ、じゃあ『軍艦少年』イチオシです!」って。

佐藤 2、3日後に「観たよ」って連絡してくれましたよね。

松居 本当に面白かったから。

※後編につづく

取材・文:細谷美香
撮影:稲澤朝博
メイク(佐藤寛太):KOHEY(HAKU)
スタイリング(佐藤寛太):平松正啓(Y’s C)

プロフィール

佐藤寛太(劇団EXILE)

1996年、福岡県生まれ。2015年に劇団EXILEのメンバーとなり俳優活動を開始。主な出演作に『恋と嘘』『わたしに××しなさい!』『DTC-湯けむり純情篇-from HiGH&LOW』『家族のはなし』『走れ! T校バスケット部』『jam』『今日も嫌がらせ弁当』『いのちスケッチ』『花束みたいな恋をした』『軍艦少年』『Blind Mind』『正欲』(以上映画)、『探偵が早すぎる』『駐在刑事』『僕の初恋をキミに捧ぐ』『おやすみ王子』『ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ』『ハゲしわしわときどき恋』『美食探偵 明智五郎』『ヒミツのアイちゃん』『シェフは名探偵』『TOKYO MER 走る緊急救命室』『JAM -the drama-』『あせとせっけん』『テッパチ!』『結婚するって、本当ですか』(以上TV)、「音楽劇『銀河鉄道の夜2020』」『怖い絵』『サンソン ―ルイ16世の首を刎ねた男―』(舞台)など。Web版『PEAKS』にて「旅する寛太」連載中。2024年4月には舞台『鴨川ホルモー、ワンスモア』に出演。5月10日(金)から公開中の映画『不死身ラヴァーズ』にも出演。

『不死身ラヴァーズ』
公開中

ニッポン放送開局70周年記念公演『鴨川ホルモー、ワンスモア』
2024年9月 Blu-ray&DVD発売予定
https://event.1242.com/events/kh_oncemore/

本連載の前身、佐藤大樹さん&佐藤寛太さんの連載はコチラ!