峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら
健全な「射精店」こそ今年流行るべき風俗だ!
毎週連載
第275回
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前回、「今年流行る風俗予想に悩んでいる」って話とその理由を喋ったけどさ、だんだん「これかな」っていうものがおぼろげながら見えてきた。
まずね、これまで曖昧になっていた「男性は定期的に射精をしなければ、健全な生活をおくれないのだ」っていうことを改めてみんなが理解することからしなくちゃいけない。これだけさ、森羅万象、様々なことが可視化されるようになった世の中なんだから、「男性の射精」についても「穢らわしいもの」とせずに、「射精は健全なものである」としてみんなが認めてあげるわけ。もちろん女性もね。
その上でさ、「射精アンバサダー」みたいな感じで、好感度の高い女性タレントを起用するわけ。その女性タレントは「射精って恥ずかしいことじゃないですよ! 毎日やることで健康になります! 助け合いましょう!」ってAC ジャパンとかで広く社会に訴えかけると。
それを見た女の人の中には「なるほどなー。私も男性を手伝ってあげる『射精サポーター』になる!」ってなるかもしれないしさ、当の男性も、女の人からの理解を得られたことで射精に後ろめたさを感じなくなり、ひいては少子化問題のクリアにも繋がっていく……という寸法なんだよ、これ。
こういったことを大前提にした上で、これまで「穢らわしいことをするところ」として成り立っていた風俗店もさ、「射精店」とか堂々と名を変えると良いと思う。すでに「射精サポーター」=「聖職」みたいになっていることが前提だけど、その上であれば「◯◯ちゃん、射精店に就職するの? えらいねー。やっぱり良い子だねー」みたいに評価されるかもしれないし、正月に実家に帰省するたびに「◯◯ちゃん、どう射精のお仕事のほうは?」みたいにチヤホヤしてもらえるかもしれない。
そして、肝心の射精店の行為なんだけど、これはもうエロさがなくて良い。これまで女性が強いられてきた「嫌な客からしつこく体を触られる」とか「感じている演技」とかはもう時代に合っていないし、もはや行為では裸にならなくても良いんだ、「射精サポーター」の女性は。
その上で、男性は穴の空いたベッドの上にうつぶせにされ、下から牛の搾乳のようにチ◯ポコをしごかれ、射精に導かれる……これこそが「今年流行る風俗」なんじゃないか、と僕は思うようになったんだ。
あるいはさらにアレンジ版で、病院の健康診断で射精科の女医さんにチ◯ポコの様子を見てもらい「最近はこんな感じなんですね。ちょっと触りますよ。あ、しっかり固さがありますね。でも少しストレスが溜まっているみたいな張りもあります。念のために診察室のほうで処置しますね」みたいな感じで、処置として射精に導かれるみたいなものも良いと思う。
しつこいようだけど、ここで女性のほうは間違っても恥ずかしがったり、あるいは逆に変なエロさを出してはダメ。そんな前時代的なエロ演出は不要で、あくまでも粛々と事務的に、「健康を維持してもらうため」に射精に導く。それこそが「今年流行る風俗」としての射精店だと思う。
だいたいさ、これまでの風俗業界って女性の容姿とかエロ度に任せっきりで怠慢だったと思うんですよ。これだけ時代の目まぐるしい変化を前にしても、斬新な取り組みを実践する店がさほどなかったからね。そういった意味でも今の風俗業界は岐路に立っていると考え、社会の「射精」へのイメージを変えるとともに、新しい業態「射精店」に積極的に取り組んでいってほしいと思います。
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構成・文:松田義人(deco)
プロフィール
峯田 和伸
1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。