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峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら

僕の友達の、自らルーインドオーガズムを開発した人

毎週連載

第284回

最近知ったセックスのプレイで衝撃を受けたものがあるんだ。それはルーインドオーガズムっていうもの。

男性が射精するときって、もう一番の快感が高まる瞬間だから、ゴシゴシ手でしごいたり、女性に口で徹底的に刺激を加えてもらったりするでしょう。これは普通の行為なんだけど、その快感が高まる射精の瞬間にあえて刺激をくわえるのをストップし、自然と精液が漏れ出てくるようにするっていうもの。一見、快楽が台無しになったかのように思えることから「ルーインド(台無しになった)」という名前が付けられているらしいんだけど、でもこれにはすごいメリットが隠されているらしい。

通常、ゴシゴシと刺激を与えての射精の場合、男の人はすぐに賢者タイムに入ってしまい、性欲を復活させるまでにはある程度時間がかかるもの。でもさ、このルーインドオーガズムは、快楽を意図的に軽減させることから、連続しての射精が可能となり、結果的に短時間の間に何度も何度も快楽を得られるようになるんだそうです。

このルーインドオーガズムは、海外で支持を集めるようになり、日本に伝来したプレイと言われているんだけど、実はさ、このプレイの上陸よりも10年以上早い段階で、これに似たプレイに気づいていた人がいます。

早い段階でルーインドオーガズムに近い技を開発していたのは、かつてGというバンドでドラムを叩いていたMさんという人です。

Mさんに聞いたところでは、オナニーをしてラストフィニッシュを迎えようとした際に、しごき続けるのをストップし、チン◯コの先を親指でギュッと抑えるのだそうです。すると、脳のほうでは相応のオーガズムを感じる一方、精液は出ていないから、何度も何度もオナニーを繰り返すことができるのだとのことでした。

「この人は何を言っているんだろう」と当時は思ったし、「出すべき精液を無理に押さえつけるなんて、体に悪いんじゃないか」と思ったものです。

しかし、今になって思えば、最近流行りのルーインドオーガズムがまさにMさんが開発したプレイとほぼ同じ。Mさんはルーインドオーガズムのブームに先駆け、誰から教わるでもなく自ら編み出したというわけです。Mさんはやっぱりすごい、としか言いようがないですね。

でもさ、これを僕は実践する自信がない。やっぱり「今迎えられるであろう」快楽のほうを優先しちゃって、最後の最後で刺激を与えないとか、チン◯コの先を親指でギュッと抑えるとか、そんな冷静にはできないと思う。これを読んでいる男の人で、実際にルーインドオーガズムを体験したことがある人っているのかな? あるいは女の人でも、彼氏とか旦那さんにそういうプレイをしたことがある人とかいるのかな?

少なくとも僕の周りではさっきのMさんのみで、ほぼ全員が「それはかなり難しい」と言います。もしルーインドオーガズムについて詳しい人がいたら教えてほしいね。今のところ、僕にはまったくわからないオナニー術なので。

Mさんはやっぱりすごい人だと思います

構成・文:松田義人(deco)

プロフィール

峯田 和伸

1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。