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峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら

【なんかなんか人生相談(5)】モチベーション維持の秘訣を知りたい(38歳・男性)

毎週連載

第312回

今週も「なんかなんか人生相談」です。先週まで女性の相談が続いたので、今週は男性のお悩みを見ていきたいと思います。

【お悩み】
私は自分に「今を生きろ」と言い聞かせていますが、家が自営業で長男として両親と一緒に働いています。私の実力不足から、私が家業を継ぐ流れにはなっていませんが、長男としての責任感から「両親を助けること」をモチベーションとし、仕事をし生きています。

たまに漠然と「このモチベーションが消えたら、無になるどころか、這い上がれないぐらいに落ちてしまうのでは」と、ときどき不安に襲われます。

峯田さんはメンバーの脱退を経験されていますが、そのときは、それまでに張り詰めていたモチベーションが、クタッと落ちるような無力感などを経験されたかもしれません。その状態からもう一度、数年間かけ音楽活動をバンド体制で整える(人生をリスタートする)モチベーションはどうやってつくられたのでしょうか。そして、日々のモチベーションの維持の秘訣があれば教えて欲しいです。エロいアドバイスでもいいです(笑)。よろしくお願いいたします。(ミネタデンキ・38歳・男性)

(※お悩みの文面は一部意訳しています)

【カウンセラー峯田のお答え】
まず、僕の話からしますね。僕はもともと我慢ということがまったくできないの。だいたいのことは飽きたり、我慢がきかなくなってヤメたり、投げ出してしまうことばかりなんです。

でもね、そんな僕でもひとつだけメチャクチャ好きなものがあって、それが音楽なんですよ。聴くのも好きだし、歌うのも好きだし、作るのも好きなの。もしかしたら音楽があれば、他には何もなくて良いくらい。仮にさ、「生活への思い」「社会への思い」「異性への思い」「お金への思い」みたいな僕の思考を計るグラフを作ったら「音楽への思い」だけが突き抜けていて、それ以外はかなり低いか0だったりするかもしれない。

それくらい音楽が好きなので、たとえばメンバーがヤメたときに「じゃあ音楽ヤメよう」とか「バンドヤメよう」みたいにはまったくなりませんでした。確かにメンバーがヤメたときは残念だったし、辛かったし、悲しかったよ。でもさ、僕が音楽に対する思いとそれとは別次元なんです。だから、僕が考える音楽への思いはモチベーションがあるからどうの・ないからどうの、という話ではありません。

肝心のミネタデンキさんの質問なんだけど、おそらくミネタデンキさんはそもそもやりたいことがないんじゃないかと思うんだ。いや別にやりたいことなんてなくたって良いんですよ。

でもさ、もうそろそろ「惑っちゃダメ」と言われる40代に突入しようとするミネタデンキさんなので、まずは「自分にはやりたいことがあるのか」「自分にはやりたいことはないのではないか」みたいなことに向き合うことから始めたほうが良いような気がする。

なんかさお悩みの内容を読んでいると、何に悩んでいるのか、何をしたいのか、自分で自分自身をどう認識しているのか、そして「今を生きる」ということがどんなことを指しているかが、ちょっとよくわかりませんでした。「親の仕事を手伝うことにモチベーションを持っている」「長男だから」と言っているけれど、一方で「このモチベーションが消えたら這い上がれなくなるんじゃないか」とも言っていて、悩んでいることの内容が霞んで見えるというか、なんか伝わってこないんです。

普通に考えると、親のほうが子供より先に死にます。仮にミネタデンキさんの深層心理として「親が死んだときの恐怖」「親の家業がなくなった時の恐怖」みたいなものがあるのだとしたら、それは親に依存しているってことだとも思います。

そしてもし、そんな日がいつか訪れることが恐怖なのだとしたら、今、親の仕事を手伝いながら1日のうち空いた時間を使って、そのときのための準備も並行してやってみたらどうですかね。

やりたいことがあるのなら、誰にも負けないくらいそれに没頭するのも良いし、やりたいことがないのなら、単純に「仕事」につながるような訓練をすれば良いと思う。どんな職業があるのか僕にはよくわからないけどさ、なんか資格を取ってみるとかね。

それとさ、いつか向き合わなければいけない諸行無常の場面に対してあまり不安がってもしょうがないとも思う。不安を持つことで何かが解決すれば良いけど、何もならないですからね。

銀杏BOYZのオリジナルメンバーとピリピリしていたとき、確かに「もしかしたらチンくん、アビちゃんが抜けることもあるかもな」とは思っていた。まさか村井くんまで抜けるとは思わなかったけど(笑)、でも、こんな場面でも不安がっている余裕なんかなかったからね。

ちょっと厳しい言い方になっちゃったかもしれないけど、ただし、ミネタデンキさんの考えや気持ちを否定しているわけではないことだけはわかってください。でも、本当に「今を生きるようにしたい」「モチベーションを維持したい」と思うのなら、まずは自分自身と向き合うことが先決で、その先で人生をどう時間を過ごすかを徹底して考えてみると良いんじゃないかなと思います。

僕だってモチベーションが高い人間ではないけど、ただ音楽に対する情熱みたいなものだけはずっと枯渇することがありません。

構成・文:松田義人(deco)

峯田和伸(銀杏BOYZ)の
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峯田和伸(銀杏BOYZ)の「どうたらこうたら」では皆さまからのお悩み、抱えている問題、誰にも言えない性癖などを大募集します。その名も「なんかなんか人生相談」。皆さまからのお悩みに対し、峯田先生が不定期で悩みを解決してくれます。ぜひ送ってくださいね!

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プロフィール

峯田 和伸

1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。