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峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら

【なんかなんか人生相談(14)】友達を作るにはどうすれば良いですか?(19歳・男性)

毎週連載

第333回

今週も「なんかなんか人生相談」です。しばらく女性からのお悩みが続きましたが、今週は19歳の男性からのもの。どうも友達ができずに悩んでいる様子です。

【お悩み】

僕の悩みは友達がほとんどいなくて孤独なことです。

自分は今大学生ですが、大学では友達ができず、中学時代の友達ふたりだけ。でも、年に2回ほど会うだけで気軽に電話することもできず、正直寂しいです。うれしいことや辛いことがあったとき誰かに聞いてほしいし、逆に友達からもそんな話を聞きたいです。

周りの人みたいに普通に友達がいて、家に遊びに行ったり、旅行したり、ご飯を食べたり、してみたいです。そして、他人と比べて、心がグッと締め付けられるような気分もこれ以上味わいたくありません。

「これから先もずっと、気軽に話せるような友達に出会うことはないのかな」と不安に思っているのですが、「『思っている』だけじゃダメだ。何か行動に起こさないと」と思い、今回はその第一歩として相談をお送りさせていただきました。
(さいとー・19歳・男性)

(※お悩みの文面は一部意訳しています)

【カウンセラー峯田のお答え】

まずハッキリ言うとさ「友達がたくさんいても、煩わしいだけで面倒臭いよ」ってこと。さいとーさんの孤独な感じ、寂しい感じはわからなくもないけどさ、でもその気持ちは「友達がたくさんいる」ってことで満たされるとは僕には思えないんだよね。むしろ余計に「心をグッと締め付けられるような気分」を感じるかもしれない。

現状のさいとーさんは、「中学時代の友達がふたりいる」ってことだけど、それで十分じゃないですか。また、その中学時代の友達と会えるのが「年に2回ほど」っていうのも十分じゃないかなと思うんです。

仮にさ、友達が100人できたとするよね。3日に一度、その友達全員、一人ひとりと1対1で会った場合、年間のほとんどの時間を使い果たしてしまう。

結果的に「100人の友達のうちのひとり、Aくんと会うのは、年に1回くらい」ということにもなるわけで、それなら中学時代の友達ふたりと年に2回ほど会うほうが内容的には濃いように僕は思うんです。

僕にも友達が何人かはいるけど、同じ歳で「素でいられる友達」って言えば、山形の同級生の森くんか、元マネージャーの斎藤正樹。それと江口くん(マネージャー)、村井くん(元メンバー)くらいかな。でもさ、森くんや斎藤正樹と会うのなんて2年に1回くらい。江口くんとは仕事で頻繁に会うし、村井くんともときどき会うけど、そんなにベタベタいつもツルんで、お互いの家を行き来するような関係じゃないですよ。

それでいて、何かあればお互いに自分のことのように思えるし、逆にムカつくことがあればお互いにブン殴ったりもするかもしれない。仮に殴り合うような喧嘩が起きても、たぶんこれは大丈夫なんだ。根っこのところで信頼し合えている「友達」だから、すぐまた仲直したり、より関係が深くなると思う。

でもさ、こんなふうに同じ歳の友達を、自分のことのように本当に大切に思えるようになったのって僕が40過ぎてからですよ。みんな同じ歳だから、ここに至るまで20年前後かかっているわけで、そんなにすぐ、本当の意味での「友達」と呼べる人はできないんじゃないかと僕は思うんです。

もちろん「友達風」の関係の人は、それこそSNSがあればすぐに作ることができる。でも、即席で友達風の関係の人を作ったところで、薄っぺらい関係でしかないから何かあればすぐ離れていくだろうし、あるいは騙されるようなこともあるかもしれない。そんなんだったら、わざわざ友達を増やさなくて良いし、「中学時代の友達ふたり」とたまに遊ぶほうがよっぽど有意義だと僕は思いますよ。

現にさ、僕らの間では一番の人気者の江口くんなんて「友達」がそう何人もいない。いつもひとりで過ごしているけど、それでも江口くんが寂しそうにしていることもなく、むしろいつもニコニコしていて、孤独感なんか微塵も感じないんだよね。この「江口くんスタイル」は「SNSで友達がたくさんいる」「フォロワー数が何人もいる」っていうこととは真逆のもの。すごく良いなと思う。

でも、こんな話だけではさいとーさんがさらに悩んでしまうかもしれないので、もうひとつ助言をしますね。

さいとーさんは「友達を作るための行動」ではなくてさ、まずは何か、自分がすごく没頭できる趣味みたいなものを作ってみてはどうでしょうか。

音楽でも良いし、ゲームでも良いし、怪談でも良いし、パズルでも良いし。でも、中途半端じゃダメだよ。徹底的に没頭し続けることが大事でさ、その道を極める努力もする。そうするといつか、その趣味の世界に没頭する別の人と接触する機会があるはずなんだ。そこで出会った人はさ、同じ趣味に没頭しているから話も合うし、そこに至るまでの苦労や楽しさを分ちあえると思う。結果的に、そんなやり取りの中で初めて「友達」を作ることができるんじゃないかなと思うんだよね。

言うまでもなく、「友達を作ろう」としてSNSをやったり、何か不自然な行動をしても、そこでできるのは薄っぺらい「友達風」の関係の人だけ。

それなら遠回りに思うかもしれないけど、まずは自分が没頭できるものを、ひたすら突き詰めていく方が楽しいし、結果的に本当の「友達」に出会えると僕は思います。

僕にとっての一番の友達は「音楽」かもしれません

構成・文:松田義人(deco)

峯田和伸(銀杏BOYZ)の
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峯田和伸(銀杏BOYZ)の「どうたらこうたら」では皆さまからのお悩み、抱えている問題、誰にも言えない性癖などを大募集します。その名も「なんかなんか人生相談」。皆さまからのお悩みに対し、峯田先生が不定期で悩みを解決してくれます。ぜひ送ってくださいね!

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プロフィール

峯田 和伸

1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。