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峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら

【なんかなんか人生相談(15)】白血病と診断されました。(16歳・女性)

毎週連載

第334回

今週も「なんかなんか人生相談」です。今回は16歳の女の子からのお悩みですが、病気にかかわるお悩みです。

【お悩み】

私はつい一昨日「白血病」と診断された高校2年生です。正直、まだ受け入れきれていなくて、とても辛いです。3日前まで高校で楽しく過ごし、普通に生活していたのに、いきなり「入院」「治療していく」となったことで、不安な気持ちでいっぱいです。

でも、早く治して、また峯田くんのライブにも行けるように前向きにがんばっていきたいと思っています。峯田くんの音楽もたくさん聴くようにします。

そこで、相談なのですが、峯田くんは「気分が浮かばないとき」「落ち込んでしまいそうなとき」は何をしていますか? 参考にしたいです!
(すくらんぷ・16歳・女性)

(※お悩みの文面は一部意訳しています)

【カウンセラー峯田のお答え】

まず僕がすくらんぷさんに言いたいのは「この連載に相談を寄せてくれてありがとうね」ってこと。とても勇気が要ることだったと思うし、そんなすくらんぶさんの状況に僕がパッと言えることが思い浮かばないけどさ、まずはせめて僕の経験から話しますね。

数年前にドラマの撮影をやっていたとき、イノマーさんから僕のスマホに着信があったんです。撮影中だからすぐには出られなかったんだけど、休憩時間に改めてイノマーさんにかけ直したの。

「どもどもイノマーさん! 久しぶりっすね。何かありましたかー?」なんて呑気に声をかけたんだけど、イノマーさんは「いや峯田くんさ。俺ガンになっちゃったんだよ」って言うわけ。そのときに僕の口から咄嗟に出た言葉が「イノマーさん……面白くなってきましたね(笑)」だった。それを聞いたイノマーさんもゲラゲラ笑ってくれて、もうふたりでゲラゲラ笑って言葉にならなかった。

普通の人と人との関係なら「なんて不謹慎なことを言うんだ」って怒ると思う。むしろ寄り添うように、「乗り越えてください」みたいな言葉をかけるのが普通だと思うけどさ、でも、その絶望的な場面で僕はそんなこと言いたくなかったんだ。だってイノマーさんの立場に、自分の身を置き換えることはできないし、同情するみたいな言葉も薄っぺらくてイヤだし、何よりイノマーさんがそんなことを求めるために僕に連絡してきたとは思えなかったから。

超おこがましいことを承知で言うと、むしろ、その絶望的な場面でイノマーさんに「他の人にはなかなかできない、自分にしか体験できないこと」と置き換えてもらいたいっていう思いがあった。そしてイノマーさんが「絶対に負けねぇぞ、この野郎」みたいな気持ちになってくれたり、それ自体を前向きに捉えてくれることがあったら良いなと思って「面白くなってきましたね(笑)」だったっていうわけ。

僕には、すくらんぷさんやイノマーさんのような大病の経験がないから、あくまでも想像にしか過ぎないけど、そんな場面で一番の頼りになるのって「気力」だと思うの。弱気だったり、後ろ向きになっていると、肉体も弱気になっていくと思うからね。だから月並みにはなるけど、すくらんぷさんは、気力だけを頼りに、前向きに病気に向き合ってくれたら良いなと思う。

そしてすくらんぷさんはさ、この連載に病気のことを伝えられるくらい強い人なんだから、「私は今こう思っているんだ」「こういうことがしたいんだ」ってことを身近にいる家族や友達とかさ、近しい人に全部ぶつけて良いし甘えて良いと思う。そして、身近にいる人たちもまた、そんなすくらんぷさんにとって絶対的な味方になってくれるはずだと思うから、それを信じて病気と向き合って欲しいと思う。

肝心の、僕自身の気分が滅入ったり、落ち込んだりしたときの解消法は「できるだけ楽しいことをする」ってこと。映画を観たり、漫画を読んだり、小説を読んだり、お笑いを観たり……でも、究極で自分にとって一番楽しいことで、好きなのは音楽かな。

すくらんぷさんが今一番好きなことが何かはわからないけど、もし弱気になりそうなときは、一番好きなことをやって、そこから気力や勇気をもらってください。それはきっと、すくらんぷさんにとって大きな力になってくれると僕は思います。

落ち込んだときは「今一番好きなこと」に没頭して、気力や勇気をもらってください!

構成・文:松田義人(deco)

峯田和伸(銀杏BOYZ)の
「なんかなんか人生相談」お悩み大募集!

峯田和伸(銀杏BOYZ)の「どうたらこうたら」では皆さまからのお悩み、抱えている問題、誰にも言えない性癖などを大募集します。その名も「なんかなんか人生相談」。皆さまからのお悩みに対し、峯田先生が不定期で悩みを解決してくれます。ぜひ送ってくださいね!

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プロフィール

峯田 和伸

1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。