【なんかなんか人生相談（23）】自己開示が苦手で、言葉にする際「失礼かな？」「変に思われないかな？」と思ったりして楽でありません（56歳・女性）

先週に続き、今週も女性からの人生相談です。 僕より年上の56歳の方からの相談なので、僕なんかがちゃんと答えられるかわからないけど、まずはそのお悩みを読んでみましょう。

【お悩み】

峯田くんは自分の経験したことや考えを、素直に人に伝えられる人だといつも感じます。
私は自己開示が苦手で人との距離をなかなか縮めることができません。
「こんなことを言ったら失礼かな？」「変に思われないかな？」と考えがちです。もう少し気楽に生きたいのです。どうしたら自己開示が上手くなりますか？　アドバイスをよろしくお願いします。
（moro・56歳・女）

（※お悩みの文面は一部意訳しています）

【カウンセラー峯田のお答え】

僕は謙遜でもなんでもなくて、いつも出し過ぎなんですよ、自分のこととか自分の周りで起きたこととか（苦笑）。高倉健さんみたいにさ、自分の思いを心の中にグッと溜めておければカッコ良いんだけど、どうもそれができない。だから、moroさんのことを逆に僕が見習わないといけないと思います。

なんかさ、僕は他人を前にしたときに「沈黙」という時間が耐えられないんですよ。沈黙の時間って相手が何を考えているかわからないし、もしかして僕に対して怒っているのかもしれないし、見透かされているかもしれないじゃん。それが不安で不安で仕方がないわけです。

だから、他人と同じ空間で一定時間を過ごす場合は、無理から話をするようになっちゃうところがあるんだけど、そのときに話す内容とかはどうでも良くて、できるだけ誰かが傷つかないような、僕自身が笑われる感じがちょうど良いんです。そんな感じが結果的に、moroさんの言う「自己開示」ってことになっているのかもしれないですね。

またさ、たとえば僕が女の人と付き合うことになって、長時間同じ空間にいてもまだ「無理から話をしている」状況が続いていると、「あ、俺はまだこの人に気を使っている」「信用しきれてない」って自覚して打ち解けないまま別れちゃうことも過去にはあった。逆に「沈黙」の時間が怖くなくて、むしろ安心感があるような状態だと、「あ、俺はやっぱりこの人のことが本当に好きなんだな」「安心して過ごせるな」と自覚することもありました。

僕のコミュニケーション術なんて所詮こんな感じなんですけど、ここでmoroさんにまず言いたいことはさ、男からすると必ずしも「自己開示する女の人」ばかりが良いとは思えないってこと。

たとえば合コンに行くとするじゃないですか。女性6人が来ているうち、5人はキャッキャキャッキャと話したり、遠回しに自己アピールとかをしているわけだけど、そんな中でひとりだけずっと黙っていて、楽しんでいるのかどうなのかわからない子がいたとします。

実は男のほうは、他の5人よりも一番にその「黙っている女の子」のことが気になって、なんなら一番かわいらしく見えたりするもんなんだよね。

moroさんがご結婚されているかどうかは書いていないからわからないけど、いずれにしてもさ、「自己開示が苦手だ」「自分のことを話すのが苦手だ」と思っているんだとしたら、もしかしたらそれはmoroさんのチャームポイントであり魅力だったりするかもしれないんだよね。

自分にとってはコンプレックスと思うことも、他人から見たら「どうして？　そこが良いんだけど」と思うことっていっぱいあります。

「私は乳首が真っ黒だ」「私は乳首が長くて好きな人に見せられない」といった悩みを持つ人もいると思うけど、でも、「真っ黒の乳首じゃなくちゃ勃たない」「乳首は長ければ長いほど萌える」っていう人がいるのも世の常なので、moroさんが考える「自己開示が苦手だ」という思いも、実は男性から見たら「たまんない！」と感じるところかもしれません。なので、無理をして考えず、そのままの自分自身で良いんじゃないかなーと僕は思います。

構成・文：松田義人（deco）

プロフィール

峯田 和伸

1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル／ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。