峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら

僕には「女性のタイプ」というものが存在しない

毎週連載

第349回

ちょっと前に友達から「好きな子ができちゃったんだけど、どう接していいかわからない。峯田くんならどうする?」っていう相談を受けたの。友達と言ってもその人はアラフィフだから、もういい歳したオッサンなんだけどさ、僕はそれを「バカじゃないですか」と笑うことができなかった。というのも、僕自身、同じような悩みにぶつかることはこの先まだまだあると思うからね。

でもさ、その相談を受けても僕は的確な答えを出せなかった。というのも、自分の恋愛を振り返ってみると、付き合ってきた女の人のタイプが全部バラバラなんだ。すごい天真爛漫な明るい子もいたし、めちゃくちゃ暗い子もいたし。どの子も本当に好きだから付き合っていたわけだけど、そのときの僕自身の気持ちによって、惹かれる女の人って、全然違うわけ。よく「私のタイプはこんな人!」「僕のタイプはこういう子!」とかさ、外見的にも「背が高くないとイヤ!」「巨乳じゃなくちゃイヤ」とかみんなアレコレ好みがあるわけだけど、それ自体も僕はいぶかしく思うところがある。だってさ、そんなことをアレコレ言ってても、必ずそういう人と結ばれるとは思えないから。

仕事でも学校でもいいけどさ、仮に全然タイプじゃない人と、長時間ふたりきりで過ごし、気持ちがすごく合っていたら、だいたい付き合うことになるじゃん。当初「巨乳じゃなくちゃ」と言っていた人でもさ、貧乳でも気持ち的にすごく癒されるとかだったら、やっぱり理想とかタイプを飛び越えて強く惹かれ合うってことはあると思う。

たださ、僕が唯一惹かれやすい女の人のパターンがあって。それは「この人、何考えているのかサッパリわからない」というミステリアスな感じを持っている人。それでいて特殊能力があったりすると、ますますわからなくなって惹かれるところがあるかもしれない。これは性格の明るさとかは関係なくて、とにかく何かひとつ、社会一般の通例とか常識とかとは違う面、哲学のようなものをひとつ持っている女の人って、すごく良いなと思うんです。

僕のタイプというか、惹かれるパターンを強いて言えばこれくらいなんだけど、あまりに「自分のタイプ」「自分の理想」とかを追い求める人って、食べ物とかでも好き嫌いとかが多そうな感じもするね。

「私はピーマンが嫌いだ」「私は◯◯牛とか食べない」とか言う人がいるじゃん。それは、本人の自由だから別に批判的に思うところはないんだけど、なんかこだわりすぎちゃって自分で自分の範囲を狭めているような気はする。それと同じで「こういう人イヤ」「こうじゃなくちゃ」ってこだわり続けると、結果的に恋愛の機会を狭めることになるかもしれないとも思う。

その点で言うとさ、僕は食べ物でも好き嫌いがまったくないからね。海の幸・山の幸、どんなものも大好き。そんなこともまた僕の「好きなタイプが存在しない」ってことに通ずるひとつの理由かもしれないけどね。

僕には食べ物の好き嫌いがまったくありません

構成・文:松田義人(deco)

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プロフィール

峯田 和伸

1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。