峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら
性風俗産業は「技術の時代」です②
毎週連載
第372回
前回の続きです。
風俗産業は「技術」に立ち返って「養成所を作るべき」って話をしたけど、実は風俗の中でも、ソープランドには今も研修システムがあるらしい。
吉原の高級店とかでは、今も先輩の女性ソープ嬢による「後輩ソープ嬢に技術を継承する時間」があり、それによって女の子ごとの差が出ないよう、できる限りのサービスの均一化を目指しているらしい。あるいは女の子が高級店に入りたい場合、厳しい実技試験があってクリアした人だけが働ける、とかもあるらしい。これはすごく良いことだと思う。
僕が考える風俗嬢養成所ではさ、こんな「後輩ソープ嬢に技術を継承する時間」をさらに拡大し、座学から実技までを徹底して教え込むべきだと思っている。ときに北海道に研修合宿に行き、牧場で乳搾りを学んだり、スライダーの上手いピッチャーのところに行って、スナップやひねりを学んだり。そういう様々な分野の技術を学び、手コキに応用することで、かなり風俗のレベルアップが図れると思います。
あとは発声もね。これは僕が先生をやることになると思うけどさ、1から10まで全部徹底的に教え込みますよ。
例えばM男性に対して「あ〜らアナタこんなに大きくしちゃって」「恥ずかしいわね、このチ○ポは」みたいな定番のセリフとかがあるけど、そんなステレオタイプで客が興奮すると思ったら大間違いなんだよね。そんな世にあまたある言葉を言うくらいだったらさ、むしろ粛々と、何も言わずに淡々と事務作業をしているかのように手コキされるほうがいかに興奮するかっていう。そういう言葉が持つ力、言葉が持つ魔力までを発声練習と合わせて教え込みたいですね。
だいたいさ、男にとって「どうしても忘れられない女の人」って容姿じゃなくて「技術」ですよ。「あんときのフェラチオは最高だった」ってことが一番で、「綺麗だ・綺麗じゃない」「かわいい・かわいくない」じゃない。もっと言えばさ、仮に自分の外見にコンプレックスを抱いていたり、自信を持てないっていう女の子であっても「とんでも技術」を習得するだけで、どんだけ綺麗な人よりも男を魅了することができると僕は断言しますね。
……とかエラソーなことを毎度喋っている僕たちだけども、求めるばっかりじゃフェアじゃないからさ、男側にももちろん試験の制度を設けるべきだとも思う。
「クンニ道3段」「手マン道2級」みたいな感じの検定試験を行ってさ「やべぇ。自信満々だったのに検定試験落ちちゃった」とか「やっと2級受かったよ」って家族とかに自慢してお赤飯炊いてもらったり。飲み会とかでもさ「俺、実はクンニ道2段なんだよ」って、Suicaを見せるみたいに検定証を友達に見せるとか。
料理教室もあるし、語学教室もある……だったら手マン教室があっても全然おかしいことじゃないよね。仮に手マン教室があったら絶対行きたいもんな。「峯田さん、先週の手マンよりもすごく良くなっています。一週間勉強した努力の跡を感じますよ」みたいに先生から褒められて、ちょっとうれしい気持ちになったりとか。
実際、東欧のどこかの国では高校の授業で「正しい保健体育」としてフェラチオの授業があるらしい。先生が生徒たちにまず手本となるフェラチオを見せてさ、生徒たちが「わかりました!」って一斉にフェラチオし始める。でも、生徒たちは未熟だから歯を当てちゃったり、咥えるだけで動かさなかったりする。そんな場面でも先生が淡々と生徒たちにフェラチオの指導をするらしい。マジの話、人間が子孫を残す上で、合理的な性教育だと僕は思いますよ。
その点、日本は遅れているんだよね。なんかセックスとか女性の体に対して構えすぎっていうかさ。
ヨーロッパの女性テニス選手みたいにさ、ノーブラで乳首ピンピンで試合に出る、くらいの度量が欲しいよね。ヨーロッパの乳首ピンピンのテニス選手はさ「いや、だって勝つためには乳首がどうとか言ってらんない」「乳首ピンピンでも動きやすいのが一番だ」ってことだと思うけど、もっと注目されるべきことだと思います。「グローバルな社会を」とか言うんなら、こういった乳首ピンピンも真似したほうが良いと思います。
まぁでも、風俗とかセックスに対しての「技術向上」を改めて図ろうっていう思いは本当ですよ。そういう大事なことをおざなりにしてきたから、少子高齢化に至っているわけで、今年はそういったことに国をあげて取り組んでいってほしいと願っています。
構成・文:松田義人(deco)
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プロフィール
峯田 和伸
1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。