峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら

綺麗になりすぎると「かわいいもの」がなくなる

毎週連載

第379回

今年は6月にアメリカ、メキシコ、カナダでワールドカップがあるから行きたいなぁと思っています。あとは台湾、韓国、タイとかも行ってみたい。

アメリカは言うまでもないけど、台湾、韓国、タイとかには自国の音楽で面白いものがあるし、イギリス・アメリカのバンドのアルバムのカセットテープ盤も結構売ってるんだ。最近、台湾盤のカセットテープを買うのにハマっていて、オアシスとかスミスとかの台湾盤がある。スミスのファーストのカセットテープなんかすごいよ。帯の文句に「平凡人的心情」とか漢字で書いてある(笑)。めちゃくちゃカッコ良い。

でもさ、最近はどの国も「綺麗なもの」「合理的なもの」ばかりを追求して、チェーン店ばかりが増えちゃって、結果的にどの国も景色が同じみたいなことになってる。これはすごくつまんないことだと思う。

日本国内でもそうだよ。今は全国各地、どの街に行っても駅前はだいたい同じだし、ちょっと通りに出ればチェーン店の薬局屋さんとかファミレスとかばっかりじゃん。昔ながらの「その地にしかない店」っていうのは随分減っちゃったよね。

その点、ヨーロッパなんかは建物も石造りだったり、道路は石畳だったりして何百年も景色が変わらないのが普通でしょう。確かに、現代の技術では、アメリカやアジアのように新しく合理的にすることはできるんだろうけど、そんなことはしない。

それ以前に「伝統を守る」という考えが基本にあるから、現代で考えられる「綺麗なもの」「合理的なもの」ということを、そう簡単には受け入れないわけさ。たとえ現代的な使い勝手には見合わなくても、できるだけ変えない。これが面白いし、良いなぁと思う。

なんかさ世界中が「綺麗なもの」「合理的なもの」を突き詰めていくと、「かわいさ」みたいなものってなくなっていくと思う。

「かわいさ」ってさ、完璧に綺麗なことではないものだと思うの。だって「綺麗」とは違うニュアンスだもんね。でも、個性的で、なんかイビツだけど、妙に惹かれるものってあるでしょう。それが「かわいさ」だと思うんだけど、全部綺麗にして、全部同じにすると、「かわいさ」は排除されちゃう。これが面白くないんだわ。

またさ、外国に行くんだとしたら、それまで僕が「普通だ」と思っていたことが「普通じゃなかった」ことを感じたいし、初めて目にするものとか文化に触れて感動したいんだけど、そういうのが、どんどん減っていっている気がする。

それまでの自分と違うものとか、それまでの自分では考えられなかったことって、これもまたかわいくて、何故か惹かれるものだけど、そういうことをなくすのが平均化ってことだと思うんだ。これが正しければさ、合理的で洗練されたようでいて、実際は「全部同じ」にしてるようにも思えるんだ。

洋服やモノだってそうだよ。洋服なんてさ、今は日本だけじゃなくて海外にもユニクロが進出していて、みんな安くて無難な服を着ているわけでしょう。あと、極端にぶっ飛んだ物とか、賛否を呼ぶようなダサい物ももうないでしょう。だいたいそこそこ綺麗で、そこそこ無難にカッコ良いわけ。

でもさ、そんなの面白くもなんともないんだよな。なんでもかんでも平均化して、同調圧力で周囲の目を気にして、全員同じになる……これ、僕は気持ち悪く感じるんだけど、皆さんはどうですか?

※3月27日(金)から公開になる峯田和伸主演の映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』の特集ページが公開されました。こちらからご覧ください!



【ご招待受付中】

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』
ライブイベント付き試写会 250組500名様ご招待!

日程 / 会場:3月16日(月) 東京・豊洲PIT
登壇者(敬称略・予定):峯田和伸、若葉竜也
※当日は、映画上映後にライブイベントを予定しております。

★応募期間:3月6日(金) 9:59まで 詳細はこちら

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』の撮影中の写真。ムライくん(元メンバー)が現場に来てくれたときのもの

構成・文:松田義人(deco)

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プロフィール

峯田 和伸

1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。