峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら
『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』裏話①
毎週連載
第382回
いよいよ3月27日(金)から僕が主演として出演した映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』が公開になります。
この映画のプロモーションで、僕もいくつか取材を受けたけど、『ぴあ』では特集ページを作ってくれました(こちら)。こちらも良かったら見てくださいね。
映画の内容とか、僕が映画に参加することになった経緯とかは、『ぴあ』を含めて様々な媒体で喋っているからそちらを読んで欲しいんだけど、ここでは僕があくまでも「映画のお客さん」として観た際の感想を喋りますね。
僕がこの映画のゼロ号試写を観たのは、去年の11月でした。
ちょうどその1年前くらいに映画の撮影が終わっていたんだけど、「全体的にどんな編集になっているのか」「どんな風に自分が映っているのか」がまったく想像できないままだったんだ。だから、ゼロ号試写を観るときにワクワクする気持ちと、ちょっと身構える気持ちの両方があった。あと、その試写会には僕が役を務めさせていただいた原作者の地引雄一さんが観に来ていたから、すごい緊張もした。「地引さんが『こんなの僕の映画じゃない!』みたいに途中で席を立ったらどうしよう」みたいな不安な気持ちがあったのも確かだった。
でもさ、実際に映画が始まると、演じている僕には想像もできないほど、良い映画に出来上がっていて。この点はやっぱり監督の田口トモロヲさん、脚本の宮藤官九郎さんのまとめ方がすごかったことを実感しました。もちろん、他の演者の人たちも、みんな臨場感あふれる演技ばかりで、僕はあるシーンで涙が止まらなくなりました。
この映画は観る人によってどうも「泣ける場面」が違うみたいなんだけど、僕の泣きどころは、「バンドのライブシーンで、たったひとりの女の子のお客さんがいても立ってもいられず、席から立ち上がって踊りだすシーン」だった。そのシーンはさ、言わば「日本で初めてパンクが鳴り、パンクによって誰かが突き動かされた」瞬間なんだ。この瞬間がなければ、もしかしたら僕も今こうやってバンドをしていることはないかもしれない。そう思うと、グッときちゃって涙が溢れ出ちゃった。
試写が終わった後、地引さんは「本当に良い映画だ」と言ってくれて本当にうれしかったけど、さらにうれしかったのが、若葉竜也くんが演じたモモヨさん(リザード)が僕ら関係者全員にメッセージを寄せてくれたこと。「今日、行くつもりだったけど、体調が万全じゃないので行けません。残念ですけど、観られることを楽しみにしています」といった内容だった。
僕さ、このゼロ号試写会があまりに良すぎて、次の回も居座って2回観たの。
2回目の試写ではより冷静に観ることができたけど、同時にこの映画のすごさをさらに痛感もした。
言葉では「青春映画」って言うしかないんだけど、でも、いわゆる「青春映画」とも違うんだ。もっと深い、「自分にしかできないことは何か」「自分に出せる音は何か」「自分の踊り方は何か」と、必死に表現を貫いた人たちの物語で、それは「パンクの原点」であると同時に「表現の原点」だと感じたんだ。
(次週に続く)
※映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』の特集ページが公開中です。こちらからご覧ください!
構成・文:松田義人(deco)
峯田和伸(銀杏BOYZ)の
「なんかなんか人生相談」お悩み大募集!
峯田和伸(銀杏BOYZ)の「どうたらこうたら」では皆さまからのお悩み、抱えている問題、誰にも言えない性癖などを大募集します。その名も「なんかなんか人生相談」。皆さまからのお悩みに対し、峯田先生が不定期で悩みを解決してくれます。ぜひ送ってくださいね!
相談はこちらから
プロフィール
峯田 和伸
1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。