峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら
ツアー中にずっと観ていた『FIFAサッカーW杯2026』
毎週連載
第403回
先月末、ツアーが終わりました。延期になったF.A.D YOKOHAMAの振替公演が残っていますけど、各地で色んなお客さんと会え、自由に音楽を楽しんでくれて、僕はすごくうれしかったです。ライブハウスツアーはやっぱりいいんだよね。来てくれたお客さん、ありがとうございます。来れなかったお客さん、これからもやると思うので、また会いましょう。
さて、そのツアーの最中、『FIFAサッカーW杯2026(以下、W杯)』がずっと続いていて、サッカーが好きな僕や江口くん(マネージャー)は毎日、世界各国の試合の様子を観ていました。
日本はベスト32で終わっちゃったけど、それでもすごい健闘だったと僕は思う。なんか日本のチームって、世界的に見るとかなり独特で、プレイがすごく真面目。選手個々が自分のエゴを出さずに、それよりもチーム全体の協調性を持って試合に挑んでる。そして、試合後半になると、どの国のチームもだいたいクタクタになってボール回しも荒くなってくるんだけど、日本のチームはそれがない。ちゃんと体力の計算もしていて、「最後まで自分たちのプレイをする」ってことをやり通す。
この日本独特のプレイスタイルは、世界的に見れば「変だ」「だからブラジルに負けるんだ」みたいに思われるかもしれない。世界各国のチームのプレイは、「まず俺が点を取りたい」「俺が目立ちたい」みたいな感じで、チームメイト同士の対立みたいなものもあるしね。そのせめぎ合いが結果的に功を奏することが多いわけだけど、日本は日本流のやり方でW杯に挑んだのが良いなと本当に思いました。
でもさ、ここで言っておくと、僕がこんな風に思うのは、世間的な盛り上がりでW杯を観ているわけではなくてさ、W杯以外の世界中のサッカーも常に観続けているから。だからわかるんです。よく毎朝新聞の囲碁のコーナーとかを欠かさず見ているおじいちゃんとかいるでしょう。あの感じで、僕は世界中のサッカーを観てきているから、今回のW杯での世界各国のチームのフォーメーションとかもよくわかって面白かったですよ。
最近の僕の肩書きは、「バンドマン」「役者」「DJ」「怪談師」とかどんどん増えてきちゃってるんだけど、ただサッカーに関しては本当に趣味だね。自分でサッカーをやろうとは思わないし、サッカー評論みたいなことを仕事にしようともまったく考えていない。音楽をあくまでも「聴く側として楽しんでいる」感覚と同じなんです。
バンドマンになる人に共通することは、「最初はまず音楽を聴くことが好きだった」ってことだよね。でもさ、やがて自分で音楽をやるようになり、そこそこ売れたりすると、不思議なことに、どういうわけか「音楽を聴く」楽しみをしなくなる人がめっちゃ多いんだ。
「もう音楽とかいいよ。休みの時間まで仕事をしている気持ちになってくるし」みたいな理由で音楽を聴かなくなるのかもしれないけどさ、でも僕にはこういう感じがまったくない。今も音楽がない生活なんて考えられないし、新しい音楽もどんどん聴きたい。これは素直にそう思っている。
言わば、僕にとっての音楽は「発信する」「趣味的に聴く」の両方があるってことだけどさ、肝心のサッカー選手はどうだろうね。サッカー選手もまた人それぞれで「試合する」ことだけに専念して、「自分と関係ない試合とかは、疲れるし観ない」っていう選手もいるだろうし、「試合する」「趣味的に観戦する」の両方がある人も当然いる気がする。
それは選手それぞれ違っていて全然良いんだけどさ、ただ僕がもしそういう選手と話をする機会があったら、間違いなく「試合する」「趣味的に観戦する」の両方がある人。だって、そういう人のほうがなんか面白そうだから。
話が飛躍しちゃったけど、今年のW杯は面白かったですよ。日本のチームが「勝った」「負けた」だけじゃなくて、世界各国の試合が。4年後のW杯は100周年で、スペイン、ポルトガル、モロッコ、ウルグアイ、アルゼンチン、パラグアイとかでやるから、これはなんとしても現地に行って観戦したいと思っています。
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構成・文:松田義人(deco)
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プロフィール
峯田 和伸
1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。