峯田和伸(銀杏BOYZ)のどうたらこうたら

【大木くんの夏休み導かれ旅①】大阪→甲子園→関西空港→沖縄へ

毎週連載

第412回

気づけばすっかり秋ですね。

この連載が掲載される頃、僕は舞台『僕らの時代じゃない』の公演真っ最中だと思うけど、この舞台のリハーサルなどは夏から始まっていました。

このリハーサルの前まで銀杏BOYZのツアーをやっていたし、結構忙しく過ごしていたわけだけど、そんな中、うちの事務所では「どれだけ忙しくても、夏休みだけはしっかり取ってください」とスタッフに通達していたらしい。音楽とかクリエイティブな仕事って「仕事はここまでで終わり」っていう着地点が見つけにくいものだし、スタッフが仕事をしすぎて体を壊すことがないよう事務所からの配慮でのことだったと思う。

銀杏BOYZのマネージャーの大木くんも結構前から「夏休みを取るように」と事務所から聞かされていたらしいんだけど、8月中旬のある日、ふとこの話を思い出して急に数日間の夏休みを取ることにしたそうです。

でも、普段は僕のサポートや外部スタッフとの調整とかの仕事に没頭し続けてるからね。いざ「夏休みを取る」と言っても何をしたら良いかこの時点ではまったく思いつかなかったんだって。そこで「まぁ、休みに何をするかどうか思い浮かばないんだったら、まず大阪に行ってみれば良いか」と思いつき、そのまますぐに向かったんだって。全然関係ないけど、逃亡者って何故だか西とか南のほうに向かうよね(笑)。どういうわけか東とか北のほうには行かないイメージがある。大木くんの、予定なき夏休みの逃避行ももしかしたらそんな感じだったのかもしれない。

こうして無目的に大阪に着いた大木くんだったわけだけど、たまたま滞在時に甲子園の準決勝があることを知り、「おお! 準決勝の試合を生で観るのも良いかもしれない」と、これまた急に思い立ったそうです。

すぐに兵庫・西宮の甲子園球場へ向かったんだけど、でも、たくさんの人が注目する準決勝じゃん。チケットなんて売り切れで、もうないはずだけど、大木くんはひょんな経緯から見事チケットをゲットし、甲子園で準決勝を観ることに成功。「いい試合だった」なんて言って、そのまま大阪に帰ることにしたそうです。

でも、その帰りのバス停に向かうと、ふと「関西空港行き」というバスが目に入ったらしい。そこでまた大木くんは「ん? このまま大阪に戻るんじゃ面白くないぞ。関西空港に行って、その先どこかに飛行機で向かうのも面白いかもしれない」と思い立ち、急遽予定を変更して、そのまま「関西空港行き」のバスに乗り、これまた予定なきまま空港に着いたそうです。

空港で国内線のスケジュールを見ると、夕方に沖縄に着く便のチケットがまだ残っていることを知ったんだって。

そこでまた大木くんは「ん? 沖縄いいかもしれない。よし沖縄に行こう!」とまたも場当たり的に沖縄に飛行機で向かうことにしたんだって。

沖縄に行く場合、いろいろ計画を立てたり、ホテルだのレンタカーだの予約するのが普通じゃん。でも、大木くんはあえてそういった準備をせずに飛行機に乗ったわけだけどさ、なんかここから先もまるで「導かれる」ような場面の連続だったんだって。

たまたま飛行機で隣の座席にいた地元のオジサンが「君、予約していないのだったら、那覇のこのエリアに行きなさい。このエリアは安いホテルが多いし、この時期は混んでいる時期だと思うけど、まずは行ってみてくれ」と助言をくれ、その通りにすると良い宿にありつけ、まずは1泊することができたんだって。

さらに、その晩、那覇市内の飲み屋にひとりで行くと、ここでも地元の親切な人が声をかけてくれたらしい。

「君、東京からひとりで来たのか」

「そうです。どこか綺麗な海が見たいなと思って」

「綺麗な海で言えば、久高島が一番だ。『神が宿る島』だから観光客はほとんどいないし、施設もないけど、でも君みたいな人なら『島の神様』も受け入れてくれると思う」

「そうですか!」

こんなやり取りの末、大木くんは、今度は久高島に向かうことを決意。翌日、フェリーのチケットを取って、そのまま久高島に上陸したんだって。

(次回に続く)



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大木くんの導かれるような夏休みの大冒険はまだまだ続きます

構成・文:松田義人(deco)

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プロフィール

峯田 和伸

1977年、山形県生まれ。銀杏BOYZ・ボーカル/ギター。2003年に銀杏BOYZを結成し、作品リリース、ライブなどを行っていたが、2014年、峯田以外の3名のメンバーがバンド脱退。以降、峯田1人で銀杏BOYZを名乗り、サポートメンバーを従えバンドを続行。俳優としての活動も行い、これまでに数多くの映画、テレビドラマなどに出演している。