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和田彩花のパリ・アートダイアリー

オーヴェル=シュル=オワーズでゴッホを追う!

毎月5日連載

第14回

ゴッホ終焉の地といわれるオーヴェル=シュル=オワーズに友達と足を運びました。オーヴェルには、ゴッホ関連の見どころスポットがいくつかありますが、特に印象的だったのはやっぱりゴッホが滞在した部屋と最後の作品といわれることもある《カラスのいる麦畑》に登場する麦畑です。

フィンセント・ファン・ゴッホ《カラスのいる麦畑》1890年 提供:アフロ

オーヴェルでゴッホが滞在した部屋は、ラヴー亭というワイン販売店・レストラン(私が訪れたときもレストラン営業されていました)の上にあります。7㎡の屋根裏部屋は、薄暗く小さな窓(屋根についている窓)がついているだけ。(当日は、ゴッホの部屋の写真を撮っていいのかいけないのかもわからないまま、建物のガイドツアーが始まってしまい部屋の写真を撮らずに建物を出てしまいました。)

「ゴッホの部屋の写真を一枚も撮らずに建物を出てしまったので、部屋の見学の入り口の写真をシェア!あーラヴー亭を正面から撮影してくればよかったな〜。」撮影:和田彩花

オルセー美術館のゴッホスペースに常に人が溢れかえっている光景からはなかなか想像できない最後の質素な生活スペースに、ただただ驚くばかりでした。これまでずっと活字を通してゴッホの人生を追っていたけれど、この小さな部屋に入ってやっと最後の時間の具体的な状況が見えてくる気がしました。

「ゴッホの部屋見学前に、デュシャンのボトルラックが実際に使われている様子を発見しました!!」撮影:和田彩花

次に、そんなゴッホの家から歩いて10分ほどの距離にある麦畑。ゴッホがオーヴェルに滞在し始めたのは5月だそう。私が訪れたのも同じく5月だったので、同じ色の麦畑を見ていたかもしれないと思うとちょっと嬉しかったです。麦って思っているよりも背が高いですね。少し上からカメラを向けないと一面の麦畑の光景が撮れないなと思ったときに、ゴッホの絵に描かれていた麦ってどんな角度から描かれたものかを想像させられました。

「麦畑〜」撮影:和田彩花

それから、ゴッホの絵画を通して麦畑を認識しているような人間だったので、季節によって麦畑の印象は大きく変わりそうだと思いましたし、どうして好んで黄色の麦畑をゴッホは描いていたのだろうかとも思いました。

話は少し戻りまして、この畑は小高い場所にあり、坂道の続く小さな森を抜けてこの畑にたどり着きました。今とゴッホ滞在当時では変わった街の風景もあると思いますが、のんびりした可愛らしい小さな町とこのような自然が広がった場所は、ゴッホにとってどんな場所だったのでしょうか。

「麦畑〜」撮影:和田彩花

私のように観光で訪れたりすると都会から離れた素敵な町に感じるけれど、都会から離れるほど近所の顔見知り人たちだけのコミュニティがあるような場所もあり、ここでの生活が実際どんなものだったかはわかりません。

様々なエピソードをもつゴッホの終焉の地と聞くと必要以上にいろんなことを考えてしまいそうになるけど、観光客がいてもこの町にゆったりした空気感が流れているのがとても素敵でした。

プロフィール

和田 彩花

1994年生まれ。群馬県出身。2004年「ハロプロエッグオーディション2004」に合格し、ハロプロエッグのメンバーに。2010年、スマイレージのメンバーとしてメジャーデビュー。2015年よりグループ名をアンジュルムと改める。グループ及びハロー!プロジェクト全体のリーダーを務めたのち、2019年にアンジュルム及びハロー!プロジェクトを卒業。ソロアイドルとして音楽活動や執筆活動、コメンテーターなど、卒業後ますます活動の幅を広げている。アートへの関心が高く、さまざまなメディアでアートに関する情報を発信している。現在、フランス滞在中。