和田彩花のパリ・アートダイアリー
ポルトガルでの雑多なおはなし
毎月5日連載
第16回
ポルトガルのポルトという場所へ旅にでました。ポルトガルってこんなにも装飾的な場所だったんですね。地面のモザイクや、建物の外壁の華やかなタイルの数々。地面に穴を開けて工事をしているすぐ横には、一つずつ取り外された正方形の石ころの山。工事が終わったら、また元のモザイクに戻っていくのか〜すごいな〜って通り過ぎました。
日本、とくに東京ではコンクリートの上を歩くことが多いと思いますが、すごく歩きやすいです。歩道を歩いていてつまずくことはあまりないし、足元の緊張感なしに歩ける気がします。そういえば、フランスに来たばかりの頃は石畳を歩き慣れず、(場所によってコンクリートもある)、一週間くらいふくらはぎの疲れを感じていたな。

建物の華やかなタイルが本当にすてきでした。立体的に花を形作るもの、幾何学的な形が組み合わされたもの。教会の外壁や室内装飾には、青一色で聖書の物語が描かれていました。その辺の道端で見つけられるタイル4枚を組み合わせた正方形の上に絵や模様が描かれたポルトガル的ストリートアートみたいなものが(勝手にそうよんでいる)、現代絵画のように見えたりしました。

撮影:和田彩花
フランスで装飾的な何かを見られる場所と考えたとき、宮殿や教会、誰かの立派な邸宅、またはあまり残っていないアールヌーボーとか?を思い浮かべたのですが、特に前半にあげた場所って権力と結びついているイメージです。ポルトガルの装飾は、いろんな人のためにあるのが良いなと思いました。もちろん宮殿内の装飾は、街で見かけるものよりはるかに煌びやかな装飾だったりもしますが。
最後に、ポルトガルの教会内の装飾は彫刻が多かったです。フランスの教会でよく見る宗教絵画がないわけではないけど、あまり見かけなかったんですよね。
彫刻の表現は、人間味が強いと感じました。綺麗に色彩が施されているのですが、横っ腹から出ている血まできっちり仕上げられていました。写実を求めた表現というよりも、単純に人間っぽいという印象や像にまつわる出来事の悲惨さを強く感じました。教会の荘厳さ、特別な空間であることをこれでもかと演出された場所と人間っぽさの対比が面白かったです。
仏像を見ることの多い私からすると、ヨーロッパの宗教美術の表現の生々しさに改めて驚きます。こういった激しい表現を前に、どのように人の信仰が広まったのかと色々考えてしまいました。
階段を登って、様々な展示物を見ながら、祭壇の一番上にいる神様の(こちらももちろん彫刻です)後ろ側から教会内を覗けるような仕組みもあったりしました。おお〜これがこの神様から見える視点か〜なんて思ったり、思わなかったり。
プロフィール
和田 彩花
1994年生まれ。群馬県出身。2004年「ハロプロエッグオーディション2004」に合格し、ハロプロエッグのメンバーに。2010年、スマイレージのメンバーとしてメジャーデビュー。2015年よりグループ名をアンジュルムと改める。グループ及びハロー!プロジェクト全体のリーダーを務めたのち、2019年にアンジュルム及びハロー!プロジェクトを卒業。ソロアイドルとして音楽活動や執筆活動、コメンテーターなど、卒業後ますます活動の幅を広げている。アートへの関心が高く、さまざまなメディアでアートに関する情報を発信している。現在、フランス滞在中。