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SHIN 音楽甘党遊戯

【ゲスト】藤田玲「互いに持っていないものを持っている」最強のふたりの関係性

隔週連載

第56回

アーティストのSHINさんがさまざまなスイーツを味わい、探求していく連載企画「音楽甘党遊戯」。

音楽制作にも甘いものは欠かせない、というほどスイーツを愛するSHINさん。そんなSHINさんがカフェや喫茶店を訪れ、新たな美味しさに出会います。 その味わいと魅力をSHINさんが音楽になぞらえて表現し、みなさまにお届け!

今回は『ブラックスター-Theater Starless-』で共演中 の藤田玲さんとのインタビューの模様をたっぷりとお届けします。

互いに似合うスイーツは?

── スイーツの連載ということで、まずは「お互いに似合うと思うスイーツ」についてお聞きしてもいいですか?

SHIN 藤田さんは品があるんですよ。所作が重要なスイーツとか、伝統的なスイーツとかが似合いますね。あと、中心人物感があるんですよ。

藤田 いやいや、SHINさんはものすごく主人公感があるじゃないですか(笑)。

SHIN 僕はどちらかというと、藤田さんのような方がいると暴れられるので、楽しいんですよ。

藤田 戦隊もので言うブルー的なね。

SHIN たまに出てくるシルバーかもしれない(笑)。

藤田 一番かっこいいやつだ。

SHIN ちゃんとレッドがいて、しっかり回してくれるからやれることなんですよね。

藤田 あんまりレッドタイプではなかったんですけどね。年をとったらレッドタイプになってきましたね。
でもSHINさんに似合うスイーツはやっぱりパフェですね。わんぱくです。

SHIN ザクザク食べてそう(笑)。

藤田 いろんな層に分かれているっていう意味でも、すごく「っぽい」な、って。いろんな顔を持っていて七変化できるというか。味わえば味わうほど、奥深い人です。

SHIN 最後はコーンフレークで。

藤田 コーンフレークは結構、ポイント高いですから!

SHIN あれでなんか締まりますよね。褒め言葉!でも、僕もパフェ、というのは分かります(笑)。
藤田さんって本当に周りをよく見ているんですよ。「この現場がどうしたら良くなるか」ということを常に考えていて、本当にすごいなと思っています。
ずっと、しっかり話したいなと思っていたので、この連載に来ていただけて嬉しいです。

藤田 こちらこそ!

SHINさんの、藤田さんへの熱い想い!?

── おふたりの出会いは『ブラックスター-Theater Starless-』ですか?

SHIN 出会いはブラスタなんですけど、僕はずっと昔から知っていて。特撮大好きなので「仮面ライダー555」も好きですけど、やっぱり「牙狼」なんですよ。最高に大好きで。 冴島鋼牙っていう主人公が……。

藤田 そっから話すの!?(笑)

SHIN ほんとに何回も見てるんですよ。藤田さんは2号ライダーみたいな感じで出てくるんですけど、もうほぼWダブル主人公ですよね。 しかも、初登場でスイーツめちゃめちゃ食べてるんすよ。

藤田 そうなんですよ。甘党の役で。

SHIN だから僕も、この連載ハマるじゃん! と思ってお声掛けさせていただいております。

藤田 あれ、最初大変だったんですよ。メニュー名が長くて、覚えるのが大変!

SHIN ありきたりな名前じゃないスイーツなんですよね。

藤田 あれは、16歳ながらきつかったですね。

SHIN 16歳ですか!
あのころと変わらないですね、感じ。

藤田 ちょっと骨が太くなりましたね。

SHIN 威厳というかキャリアが積み上がってるのは、にじみ出てきているんですけど容姿も変わらず。

藤田 パーツは変わってないですね。

── 藤田さんから見てSHINさんの印象はいかがですか?

藤田 ブラスタでご一緒する前に、バンドをやってらした、というのは知っていたんですが、元・EPICで一緒なんですよね。僕のバンドもEPICだったので。
すごい人が入ってくるんだな、と思っていたんですけど、やっぱりビジュアル系出身の方ってクセが強い人が多いじゃないですか。そこら辺大丈夫なのかな、って。
でもお会いしたらすごくいい人で。SHINさんが現場に入ったことによって、またひとつ円滑に回るようになったな、と思います。

SHIN えー! ありがとうございます。

藤田 空気感と雰囲気が良くなりましたね。人を喜ばせるのが得意なんだなって思いました。もちろんパフォーマンスも素晴らしいですけど。

SHIN 光栄です。僕も好きな人や、好きな現場じゃないとそうはならないので。
やっぱりみなさん、ステージに対してしっかりプロなんですよ。そこで僕もしっかりしなきゃな、って思いました。ここに途中から入らせていただく、その中の一つの大切な役割を担うってなってくると、僕も本当にしっかりやらないといけないし。
当時、僕が入ったときはダンサーさんもいたんですよね。

藤田 いましたね。20人以上いて、それを引き連れて歌わなきゃいけなかったから。

SHIN 初めての経験だったんですけど、ダンサーさんの熱もすごくて。
オフのときはすごく仲が良く、弾けているんですけど、ステージに向かうときのみなさんの集中力や熱量の掛け方が多いすごい現場です。自分自身も成長できる大好きな現場だし、成長できたな、って思います。

藤田 プロ集団ですよね。役を演じているとかではないですけど、そのキャラクターが乗ってるというだけで、やっぱり見せ方だったり動き方も変わってくるので、そういう意味では引き出しは増えますよね。

ある意味2人だったら最強です。

── ツアーも一緒に回られたかと思うんですが、裏話などお聞きできたら。

SHIN ずぅっと食べてましたよね(笑)

藤田 まず、あれだよ。福岡に着いてリハまで時間あったから、散歩をしようってホテルの周りをプラプラしてね、呑んべぇ横丁みたいなところに入って、ノンアルビールを飲みながらそれに合う明太子をつまみながら、福岡始まったよね。

SHIN 最高でしたね。ちゃんと観光した(笑)。
本番が終わったあとに藤田さんが誘ってくれたモツ鍋屋さんのモツが、人生で一番うまかったです。

藤田 たまたま見つけたんですよ。いろんな鶏料理があって、良かったですよね。
だってもう名古屋までモツ鍋の話してたから。

SHIN あのスープももらいたい。

藤田 ステージドリンクにしたいぐらい(笑)

── SHINさんは普段はあまり観光をされないんですよね。

SHIN だから、連れ出してくれるのがまず嬉しいですよね。僕、1人だと僕ずっと部屋にいるんですよ。

藤田 えー!そうなんですね。

SHIN みなさんとご飯食べに行くのも楽しみ。それぞれ、俳優さんだったりそれぞれのフィールドで活躍されていて、たまに集まる場所で。

藤田 異種格闘技みたいな。

SHIN それが楽しくて、僕は僕なりにその中での自分の役割って何なんだろう、って考えました。それで、僕はパフォーマンスに振り切ろう、と思って今めちゃくちゃやってるんですよね。

藤田 首がもげるかと思いましたよ(笑)。

SHIN だからブラスタのファンのみなさんもステージを見ていただいて、青桐のシンガーはなんであんなずっと動いてるの? って思っているかもしれない。

藤田 ああいうライブって、Aメロはここで歌って、Bメロでこっちにいって、ってバランスよくちょっとずつ見せていくのに、SHINさんのステージを見ると、ずっと動いてるから、すごいなと思って。多分1曲で、我々の3倍ぐらい動いてるんじゃないですか?

SHIN みなさんが確立された5年間という歴史もあるし、もちろんコンテンツが好きな方も見ていらっしゃる方がたくさんいるので、その中で僕がいい意味で風を吹かせるとか、持っているものをこの先コンテンツに、生かすためには、って考えたときに、ああなったんですよね。めちゃくちゃに動いていいですか、って相談したら「好きにやってくれ」って言われたので、やらせていただいたっていう。すごく心地いいんですよね。

刺激を受ける互いの存在

── これを機にお互いに聞いてみたいことはありますか?

SHIN 藤田さんって、すごい数の現場をこなしているんですよ。
今日もこれから稽古ですし、ずっと働いてるなと思って。あと、多分セリフが膨大。「パリピ孔明」の舞台もやっていらして。あのセリフを覚えなきゃいけないってなると大変だな、と。

藤田 多分、2時間中1時間半は僕が喋ってました。

SHIN それもブラスタをやりながらやってるからすごいですよね。

藤田 短期記憶ですよね。バーッと覚えてすぐに忘れるっていう。逆に忘れるのがうまいのからかもしれない。

SHIN イメージ的に銃のリロードみたいな。

藤田 そうそう。
確かに膨大な量になると……でも人間って追い詰められてできるものだから。

SHIN すごいですよね。福岡終わりに2人で飲んだんですけど、そのときに好きなことをやめたって話していて。ゲームが好きだっておっしゃってて、僕もゲーム大好きですよ。

藤田 SHINさんはやりこみがすごすぎる。

SHIN ブラスタの現場に合流したときに、ドラクエモンスターズが出たばかりだったんですけど、僕は自分のワンマンがあったんで、開封してなかったです。みんなハマってたんですけど、本番に向けて年明けからやるよ、ということで、年をまたいだお休みだったんですよ。だからその期間に全クリして一番強くなって帰ってきたんですよ。

藤田 でもその頃もうみんなやっていなかったという(笑)。

SHIN あれ!?って。血眼になりながらレベル上げしてたのに! でもその藤田さんはゲームやめたって。

藤田 時間ってやっぱり限られるじゃない?
やめられないこともあるから。僕の場合はお酒なんですけど。
と、前みたいに、ネット上でチーム組んで知らない人たちと何時集合でどのモンスター倒しに行く……みたいなことはもうさすがにできないな、と思って、今はライトめにやっています。

── 気分転換ぐらいに。

藤田 そうですね。気分転換もお酒になっちゃうから。スイーツとかおいしいもの食べるとか、人と会うということに時間を使いたいなというのが大きいです。人にはストイックって言われるんですけどそんなことないんですよね。段取りよくやりたいだけで。

SHIN 素晴らしい!

藤田 朝起きたときからもう始まっているんですよ。無駄な時間がないように、朝にセリフを覚えたり。逆に夜めちゃくちゃ怠けたいから、そこまでの段取り決めてやるんですけど。だから人のもめちゃくちゃ気になりますけどね。

SHIN 本当は僕にないものを持ってらっしゃるから。僕にはできない。

── 性格も違うんですか?

藤田 たぶん、全然違いますね。だから面白いんですけどね。

SHIN そうですね。

藤田 だし、見てるだけで飽きないから。

SHIN ははは! ありがとうございます。

藤田 でもお互いあんまり楽屋にいないですよね。

SHIN 確かにそうかも。どこかでウロウロしてる。

── 藤田さんから、SHINさんに聞いてみたいことってありますか?

藤田 トレーニングやってらっしゃるじゃないですか。トレーニング以外に美を保つ秘訣ってあります?

SHIN なんだろう……。

藤田 例えば美容パックとか。

SHIN でも、肌はわりとやってますね。それで言うと、僕はわりと自分の欲に蓋するタイプなんですよ。
ゲームはもうだからしょうがないと思って(笑)。寝ないし、食も我慢できるし。割と自分にドMなんですかね。決めたら、0か100しかなくて。

藤田 なるほど。

SHIN だからやらないって言ったら、本当にやらないんですよ。50ってなくて。何か思い立ったら、結構続けられるんですよ。それが美の秘訣なのかな。

藤田 でもちょっとお坊さんみたいな生き方だよね。欲にふたをして、って。

SHIN 昔から同業者にも言われるんですけど、修行僧みたいらしいです。
藤田さんにお会いするずっと前の話なんですけど、バンドを解散して2年間、完全にニートだったんですよ。そのときは本当に外界との連絡を全て断って、ずっと筋トレが作曲しかしてなかったんです。だから朝起きてカーテン開けて、天気がいいのが一番幸せだったんですよ。

藤田 でもなんか真理ですね。

SHIN 一回、究極の削ぎ落しをやっているので、わりと全部幸せだなと思えるんです。つらいことがあっても、「でもこれはあのときよりマシだな」と思うと割と心が豊かになりやすいのかもしれません。
だから、肌ケアもしていますけど、一番はメンタルが影響しているのかもしれないですね。ネガティブだけどポジティブなのかもしれない。
突き詰めるとあのときに比べたら今超幸せだな、ってなるので、割と最終的に心豊かにいられる。
やっぱり、結局顔に出るじゃないですか。

藤田 出る、出る。

SHIN 今歌えてよかったなとか、こうやって新しいカンパニーにも携わって自分の好きな仕事もやれて、お前幸せやん!ってなるんですよ。こうやってお話すると元気もらえるし。 さっき僕が潤滑にしてくれるっておっしゃっていましたけど、僕からするとやっぱみなさんとの出会いや話していることが養分なんですよ。 藤田さんは、座長としてプラスタでやっていらっしゃるんですけど、こんな人が身近にいないので、すごく勉強になりますし、自分はできないから、すごいなって思うんですよね。

藤田 僕からしても、僕が持ってないものしかないんで。
ある意味2人だったら最強です。

SHIN 確かに!

いつかやってみたい「ふたりの野望」

── 2人で今後やりたいことありますか?

SHIN 僕はやっぱミュージシャンなので。
多分ミュージシャンの中でもいろんなコンテンツに携わらせていただいて、いろんなところに仲の良い方がいるのでいつかフェスをやりたいんですよ。僕が中心じゃなくてもいいので。

藤田 SHIN FESがいいよ!

SHIN いいんですか!?

藤田 シン・ゴジラみたいで(笑)。

SHIN はははっ!
僕が素晴らしいな、と思うみなさんを集めてお祭りみたいなことをやるのが僕の夢です。

藤田 それめちゃくちゃ楽しそうですね。
僕はなんだろうな。それこそ今回ブラスタとかで舞台芸術もちょっとかんだわけだから、作品とかに曲つけてもらうとかね。

SHIN いいですね!

藤田 俺の一存では何ともできないんですけど、自分発信でやるときは!

SHIN 何でもやりますよ!

藤田 お力添えがあれば面白いことができそうだな、って。絶対自分の持ってない切り口でくるし。

SHIN なんかびっくりさせたいんですよね。予想ができるものって、安定だけど、その中でだんだん先細っていっちゃうし。そこでバッと攻めていきたいんですよね。そういうやんちゃ心は忘れたくないです。それこそパフェのようなね。

藤田 じゃあコーンフレークがカリカリのうちに、下まで食べ進めたいと思います!(笑)

撮影協力

神楽坂 茶寮 本店
東京都新宿区神楽坂3-1
03-3266-0880 ※ご予約不可
営業時間 11:30~22:00(期間限定)
https://saryo.jp/

プロフィール

藤田玲

1988年9月6日生まれ。東京都出身。2003年『仮面ライダー555』にて本格俳優デビュー。主な出演作は、舞台「呪術廻戦」シリーズ、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ、MANKAI STAGE『A3!』シリーズ、舞台『パリピ孔明』(主演)、Butlers’歌劇『悪魔執事と黒い猫』~薔薇薫る舞踏会編~(主演)、舞台『私に会いに来て』(主演)、Vネクスト『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』、TV/映画『牙狼/絶狼』シリーズ、ドラマ『片恋グルメ日記』シリーズなど。ロックバンド「DUSTZ」のヴォーカルとしてもアニメやゲームの主題歌を数多く担当。

藤田玲Xアカウント(@Ray_FJT)
https://x.com/Ray_FJT
藤田玲オフィシャルファンクラブ『lebordel』
https://fujitaray.com
藤田玲オフィシャルファンコミュニティ『れいこみゅ』
https://fanicon.net/fancommunities/2113
DUSTZ
http://dustz.jp/

プロフィール

SHIN

2011年エピックレコードジャパンからヴィジュアル系ロックバンドViViDのボーカルとしてデビュー。
その圧倒的な歌唱力と魅力的なルックスを持ち合わせる逸材として話題となり、結成2年で日本武道館公演を行う。
2015年ViViD解散後、2016年12月六本木 EX THEATERでのワンマンライブでソロボーカリストSHINとして復活を果たす。
2018年にはYouTube channel「SHIN LOIDちゃんねる」を立ち上げ、登録者数は現在14万人を超える。
2023年5月、ボーイズバンドプロジェクト from ARGONAVISの新キャラクター、大阪出身の2人組ロックバンドST//RAYRIDE(ストレイストライド)Vo.淀川麟太郎役として抜擢され、続く10月にはスマートフォン向けアプリゲーム『ブラックスター -Theater Starless-』の新キャスト「青桐」でシンガーとして歌唱することも決定。
2023年12月6日にはデジタルシングル「NEON」リリース。
2023年12月20日SHIN ONEMAN LIVE「AWAKENING DREAMER」をZepp Shinjukuにて開催。
2024年8月18日SHIN ONEMAN LIVE -心動-をLIQUIDROOMにて開催。

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撮影/友野雄、取材・文/ふくだりょうこ、企画・構成/藤坂美樹