SHIN 音楽甘党遊戯
【Essay】夏のワンマンライブを経て考える「どうして僕はロックを選んだんだろう?」
隔週連載
第58回
こんにちは。SHINです。
今回はとてもスタイリッシュな空間でチョコレートをいただいてみました。ゆったりとチョコレートだけを味わうという時間も贅沢でいいですね。
さて、今回は8月18日に行ったワンマンライブについて少し振り返ってみたいと思います。
改めて、本当にすごくいいライブだったな、と。終わるまでがあっという間でした。最後に新曲を披露したんですけど、ファンのみなさんも喜んでくれていたような気がします。
そして、久しぶりに全国ツアーをします!最終公演は、来年の1月4日Zepp Shinjukuで。
と、同時に「自分の人生において最大の決断」のお話をしたんですが、それがソロとしてホールワンマンをやる、ということです。
ソロでホールワンマンできる男ってそう多くはないと思います。それは「HERO」にもかかっているんですが、僕がヒーローになりたくて始めたことなんですよね。
歌を始めたときの気持ちとか、ステージの上だと自分が目指しているヒーローというか。ステージで歌っているときは少し強くなれたり、変身できたりするから歌を始めたんだな、ということを思い出したんですよね。自分の中のヒーロー像である、HYDEさんやGACKTさんのようにならなきゃ! なるんだ!ということを。
コロナ禍などもあって気持ちが縮こまっていたんですけど、いろんなライブを経て自分が本来やりたかったことや、みなさんと見たい景色を改めて思い出して、「やっぱりホールツアーができるぐらいの男にならんとな」と思ったんです。
言ったら後戻りできない。もうやるしかないんで。
でも、今ソロとしては8年歩いてきたので、自分自身もやっぱりもう少し自分のことを信じてあげないとな、と思うんです。
伝えたいことは、細かい部分で言うと少しずつ変わってきてるかもしれませんが、根幹の部分はずっと変わらないまま。
一番やりたいのは、ステージで歌を歌うということ。
全国ツアーも1人だし、怖いことのほうが多いですけど、今まで会えなかったみんなに会いに行きたいんです。
ワンマンライブのときに来てもらっていますけど、やっぱり届け続けないといけない。東京に住んでいる人だけじゃないから。そこはやっぱりちゃんと届けにいかないと。
でも、こんなふうに考えられるのも、環境が成長させてくれるからなんだろうな、と思います。
ソロだから、結局自分がやるしかない。究極は自分自身の決断だったり、意志なのでそういう部分もどんどん研ぎ澄まされていって気がします。
一方で、仲間が増えていることも感じているんです。身を挺して僕のライブ作りに協力してくれるメンバー、事務所。
意外と自分自身が、一番自信がなかったりするんですけど、みんなが「逆にどうしてそんな自信がないの?」って言ってくれるからこそ、もう少し自信持ってもいいのかな、という気にもなれます。
そしてもうひとつ、歌について。僕自身、すごく進化してると思うんです。
もともと、喉が器用な方なんですけど、それがさらに進化しましたし、喉で感情をコントロールできるようになりました。例えば、感情が高ぶっていても喉を通すことによって、バラードならもっと歌詞を聞かせる、ということができるようになってきたんですよね。
もしかすると、ボーカリストの人たちの反感を買うかもしれないんですけど、最初はそんなに歌詞を重要視していなかったんです。「音が良ければいいんじゃない?」と思っていて。母音が気持ちよければいい、と思って言葉の響きを重視していたんですけど、最近は歌に乗る言葉や気持ちが大切なんだということに改めて気づきました。今は歌詞をより大切に届けるということにすごく注力しています。
きっかけはボイトレに通い出したこと。ライブで何を伝えたいか、どんなライブにしたいのか、ということを考えたらやっぱり自分の言葉は大切なんですよね。
そんな中でそもそも、どうして僕はロックを選んだんだろう? と考えたんです。
僕は内向的で自分の言いたいこともあまり言えるタイプではありません。でも音楽を通したら歌詞で言えるんです。
人混みが苦手だし、人がたくさんいると自分の感情を出せなくなるけど、ステージの上だけでは出せる。きっとステージの上で感情を爆発させているのが大好きなんだろうな、って。そして、みんなと一緒に作るライブが好き。だからロックをやっているんだ、ということを思い出しました。そう考えると言葉は大切に伝えるべきなのかな、って思ったんです。
ミュージシャンはみんなそうだと思うんですけど、憧れた人にどんどん近づいていきたい、いう思いがあります。僕ももちろんそうだし、今ももちろん憧れる人たちに並びたいという気持ちはあるんですけど、自分自身って何だろう? ということをすごく見つめているんですよね。この先、ボーカリストとして歩いて行った先にはどうなっているのかな、ということを見据えて今はやっています。昔は本当に目の前のことしか考えていなかったので。今もどちらかと言うとそうなんですけど(笑)、先を見て、みんなと一緒に進んでいくことを考えて今は活動できるようになったのは成長したところかな、と思います。
そして、歌で活動しているからこそ、このスイーツ連載もやらせてもらっていますし、最近はカードゲームのアンバサダーにもなりましたし。
ずっと歌をやってきて、好きなこともこうやってやらせてもらっているんですよね。そのことを忘れずに、これからも頑張っていきたいなと思っています。
さて、次回はみなさんが少し驚くような企画をご用意しています。お楽しみに。
撮影協力
CHOCOLATIER PALET D’OR(ショコラティエ パレ ド オール)」東京店
東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング 1F
営業時間:月~土/11:00~21:00
(L.O.19:30 ※2024年7月1日(月)~11月30日(土))
(L.O.20:30 ※上記以外の期間)
日・祝/11:00~20:00(L.O.19:30)
定休日 1/1(他、新丸の内ビルディングの休館日に準じます)
TEL:03-5293-8877
https://palet-dor.com/index.html
プロフィール
SHIN
2011年エピックレコードジャパンからヴィジュアル系ロックバンドViViDのボーカルとしてデビュー。
その圧倒的な歌唱力と魅力的なルックスを持ち合わせる逸材として話題となり、結成2年で日本武道館公演を行う。
2015年ViViD解散後、2016年12月六本木 EX THEATERでのワンマンライブでソロボーカリストSHINとして復活を果たす。
2018年にはYouTube channel「SHIN LOIDちゃんねる」を立ち上げ、登録者数は現在14万人を超える。
2023年5月、ボーイズバンドプロジェクト from ARGONAVISの新キャラクター、大阪出身の2人組ロックバンドST//RAYRIDE(ストレイストライド)Vo.淀川麟太郎役として抜擢され、続く10月にはスマートフォン向けアプリゲーム『ブラックスター -Theater Starless-』の新キャスト「青桐」でシンガーとして歌唱することも決定。
2023年12月6日にはデジタルシングル「NEON」リリース。
2023年12月20日SHIN ONEMAN LIVE「AWAKENING DREAMER」をZepp Shinjukuにて開催。
2024年8月18日SHIN ONEMAN LIVE -心動-をLIQUIDROOMにて開催。
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撮影/友野雄、取材・文/ふくだりょうこ、企画・構成/藤坂美樹