桐山漣の「月刊キリヤマガジン」

キャンプ編 PART2「大人も冒険したっていい」

不定期連載

第2回

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アヒージョに舌鼓を打ったあとは、おまちかねのメインディッシュ。桐山さんが選んだのは、アクアパッツァ。

オリーブオイルを浸したフライパンに、鯛とハマグリを並べます。

水をくわえて、ハマグリが口を開くまでグツグツ煮込みます。彩りには、プチトマトとローズマリーを。

見た目は華やかなのに、手軽にできちゃうのがアクアパッツァの魅力。桐山さん自身も家でよくつくるのだとか。味も大満足です!

お腹いっぱいになったあとは、腹ごなしに周囲をお散歩。

街の喧騒も、排気ガスもない。つい無意識で手を伸ばしてしまう携帯電話もこのときだけは電源オフにしたくなる。今、私たちに必要なものは、こんな静かな場所と時間なのかもしれません。

おいしいコーヒーの淹れ方教えます

コーヒーが大好きな桐山さん。となると、食後のコーヒーは欠かせません。

こんな日はやっぱり手挽きが気分。ハンドルをまわして、コーヒー豆をグラインドします。

自分で挽いたコーヒーは香りも格別です。

熱々のお湯を注いで…。

至福のひととき。違いのわかる男・桐山漣です。

気づけば、すっかり陽は沈み、あたりを夜の帳が包みます。

締めは、やっぱり花火。

息のつまることの多い世界情勢。知らず知らずのうちに心がくたびれている人もいるかもしれません。体の健康と同じくらい、心の健康も大切。だからこそ、ふーっと息を抜いて、新鮮な空気を思い切り吸い込める。そんな時間をつくってみてもいいのでは。

リュックには、ほんの少しの荷物と、いっぱいの遊び心をつめこんで。大人の冒険が、始まります。

桐山漣からMessage

みなさんは、生きる上で大切にしていることってありますか。

僕がいつも心に置いているのは、失敗を恐れずに挑戦すること。何かを始める前から、できないと決めつけない。それは、自分自身にいつも言い聞かせていることのひとつです。

僕自身恐れずに挑戦し続けることで、ここまでやってこられたのかなと感じています。そもそも僕が俳優としてデビューしたのは2006年。21歳のときでした。それまでずっとバンドをやってきて、バンドではなかなかメシが食べられなくて。でもやっぱり表現の道は諦めたくなくて。その中で、自分の新しい可能性に懸けるつもりで挑戦したのが、俳優でした。

21歳という年齢は、この世界では決して若くはない。けど、何を始めるにしても、今この年齢がいちばん若い。だったら今やるしかないなと思って、演技なんてまったくやったことなかったけど、俳優という道に踏み出すことを決めました。

その道はもちろん平坦なものではなく、今でも覚えているのが、まだこの仕事を始めたばかりの頃、僕に与えられた役は「通行人A」みたいな名前もない役で、台詞は一言だけ。言ってしまうと、誰にでもできるような役です。でも僕はテストではうまくできたのに、本番でどうしてもたった一言だけの台詞が出てこなくて、現場を止めちゃったんですよ。それはもうすごく怒られました。

自分でもなんでたった一言しかない台詞が出てこなかったんだって、駅のホームでめちゃくちゃヘコんで。当時のマネージャーに励まされながら帰ったのを覚えています。

そこから多少経験を積んだ後もやっぱり悩みは尽きなくて。

俳優は、あくまで作品づくりのピースのひとつ。オーケストラに例えるなら、数ある楽器のひとつに過ぎないのかもしれません。大事なのは、周りと調和して、いい作品にするために自分に与えられた役割を最大限果たすこと。その過程で、例えばつくり手のみなさんが求めていないところまで役づくりをして、この役はこんなことをする、しないを主張したとします、でもそれはスタッフさんから見たらやっぱり必要のないことで終わってしまったりする。

そういったことの連続で、方角がわからなくなり、やりたいことができなくて、くすぶっていた時期もありました。

でも20代前半ってみんなそうかもしれないけど、ギラギラしてたんですよね。根拠のない自信みたいなものがあって、勢いだけで突っ込むこともできてしまう。それが少しずつ視座が上がり、周りのことも自分のこともわかってきて、いい形で根拠のない自信が1枚1枚はがれていった感じがします。

今この年になってみて思うのは、そういう時期も若い頃には必要だったということ。いっぱい失敗したし、いっぱい恥もかいた。でもそれはあの頃だから経験できたことで。わけもわからず模索して、自分の可能性を試したくて、いろんなことに挑戦してみて。そこで経験した失敗の全部が、今の自分の糧になっている。

実は俳優を始めた頃から、平行して25歳になっても芽が出ないようだったら潔く辞めようって、そういう覚悟もあったんです。自分でそうやってリミットをつけていたからこそ、たぶんデビューしてからのあの数年を頑張ることができたんだと思う。

僕が仮面ライダーに決まったのは24歳のとき。まさに自分で決めたリミットまであと1年というところで、やっとずっと夢見ていたチャンスをつかむことができた。たぶんあそこでライダーになれていなかったら、今僕はこの場にいなかった。それくらい大きな出来事でした。

でもそれも21のときに、今から俳優を目指したってなれるわけないって諦めてたら、叶わなかったことで。だからやっぱり僕は挑戦してよかったと思う。

決して近道はなくて、たくさん迷いもしたけれど、おかげで、37歳の今、少しは俳優として胸を張れるようになったのかなという気もします。

これを読んでいる人の中には、今まさに転機に立たされている人もいると思っていて。もし今、選択に迷っているんだとしたら、僕はやりたいことがあるなら絶対やった方がいいって伝えたいですね。周りはいろんなことを言うかもしれないけど、自分の人生の責任をとってくれるのは自分しかいない。だから、自分の声に正直になるのが一番いいと思います。

失敗を怖がってたらなにもできないし、もし仮に失敗したとしても、そしたらまたそこから始めればいい。失敗したら何かが終わるということはない。でも、挑戦しない限り、何も始まらないんです。

挑戦することが、自分の人生をもっと面白くしてくれるんだって。僕はそう思っています。

今回はインタビュー動画をご用意しました♪ キャンプ中のリラックスした中でのインタビュー、ぜひご視聴ください。

プロフィール

桐山漣

2013年には、韓国『ソウルドラマアワード2013』ネチズン人気賞(JAPAN俳優部門1位)受賞。
主な出演作は、映画『群青色の、とおり道』(佐々部清監督)『新宿スワンII』(園子温監督)『曇天に笑う』(本広克行監督)『貞子』(中田秀夫監督)をはじめ、ドラマ『俺のスカート、どこ行った?』(NTV)、『これは経費で落ちません!』『いいね!光源氏くん』『デイジーラック』(NHK総合)、『おじさんはカワイイものがお好き。』『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』(読売テレビ/NTV系)キラ役でネットを騒がせる。以降、『白い濁流』(NHK-BS)、『おいハンサム!!』(CX)・『カナカナ』(NHK)など幅広い役を演じ分ける。CX『テッパチ!』の出演が決まっている。

撮影/鬼澤礼門、動画撮影/比嘉久人、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/江夏智也
衣装・小物協力/
ウッズ(ハワード)
(問) ハワード tel : 03-5728-5858
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