LiLiCoのこの映画、埋もらせちゃダメ!
パンダは究極の癒し! 飼育員との絆、そして別れに涙『私の親愛なるフーバオ』
月2回連載
第162回
飼育員の家族のことも描かれていて、より深く、人間ドラマとしても見つめることができます
ミュージカル『ウェイトレス』が開幕しました! 毎日頑張ってますよー! 舞台はもちろん見に来ていただきたいけど、埋もれちゃいけない映画も観てもらいたい! ということで、今回は2作品紹介します。
まずは『私の親愛なるフーバオ』。韓国で初めて生まれたジャイアントパンダ、フーバオと飼育員の1354日間を追ったドキュメンタリーです。
2016年に中国から韓国のアミューズメントパーク「エバーランド」にやってきた、ジャイアントパンダのアイバオとローバオの雌雄2頭。彼らの自然繁殖が成功し、2020年7月20日に、韓国で初めて生まれたパンダとしてフーバオが誕生しました。

“幸せを与える宝物”という意味の「福宝」と名付けられ、一躍大人気者に。コロナ禍真っ只中で生まれたフーバオは、悲嘆に暮れた人々に癒しを与えてきました。が、予定されていた帰国日はどんどん近づいていきます。2024年、4歳になるフーバオは中国に帰国するための準備に入るのですが……。

私も大のパンダ好き。夫とふたりで黒柳徹子さんへのギフトとしてパンダグッズを選んだり、歌舞伎俳優の中村莟玉さんと友だちになってからさらにパンダに注目するようになりました。パンダって永遠に見ていられるじゃないですか。ちょっと動くだけでかわいくて……ホント究極の癒し。
同じく動きのかわいいペンギンやフラミンゴ、ハリネズミも好きなんですが、パンダは特別。動物園でのパンダのニュースがあったら、テレビを食い入るように見てます。

日本でも上野動物園で生まれ育ったシンシンとリーリーが中国に帰国する際、大ニュースになりましたが、韓国のフーバオはそれ以上ともいえる大きな別れとなりました。「フーバオのおじいちゃん」として知られるカン・チョルウォンさんを筆頭に、フーバオの幸せを願う飼育員たちの心が揺れ動くさまが映し出されます。

フーバオと飼育員のカンさんの絆、そして別れ、これには涙が流れます。また、カンさんの家族のことも描かれていて、より深く、人間ドラマとしても見つめることができます。
パンダの生態も興味深いですよ。赤ちゃんパンダがピンクであればあれほど、お母さんパンダの愛情を受けているんですよね(お母さんが舐めてピンクになっていくので)。これってすごく素敵ですよね。
『私の親愛なるフーバオ』
4月18日(金)公開
中年になって恋をするのをどこかで諦めてしまうアナタ、これを観ればトキメキスイッチが入るよ!
さてもうひとつは『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』。レネー・ゼルウィガー主演による『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズ9年ぶりの第4作です。
マークと結婚し、子どもふたりに恵まれて、仕事をやめて専業主婦・母親となったブリジット・ジョーンズ。最愛の夫マークは4年前に亡くなってしまい、シングルマザーとして母親業に専念していました。

かつてのキャリアウーマンとしての欲は完全に捨て、子育て一本でやってきた彼女ですが、周囲の勧めもあってテレビ局の仕事に復帰を決めます。そんなとき、友人がゴリ押しした出会い系アプリで知り合った男性は、なんと29歳の若者。セクシーでキュートで、おまけに紳士。子どもがいるブリジットとの関係も遊びではなく真面目に向き合ってくれます。仕事も恋も昔のように盛り上がってきたある日、彼と音信不通に……。

前3作は大ヒットしているので、埋もれない……と思いたいけど、さすがに9年も間があいていると、知らない人も多くなってるはず。特に、若い方々はブリジットに夢中になった私くらいの世代のファンの気持ちも知らないかも……と思い、あえてのご紹介。
これまでは、意中の人がいるのに思いが伝えられず、おまけにちょっとドジ。それでも憎めないくらいに、自分に正直で前向きなブリジットは、今をエンジョイする若い人たちにも知ってもらいたいです。ファンとしては、ずっと同じキャストで、こんなに長く一緒にアンサンブルをやってくれるのは嬉しい悲鳴です(エンドロールの懐かしい場面にもワクワクですよ)。なんせブリジットを演じるレネー・ゼルウィガーが可愛いのなんの!

今作で一番光るのはブリジットの凸凹な恋愛模様を暖かく見守り支える友だちの存在。なんでも話せる仲間は大事!って実感します。
彼女が再び恋心を抱く若い男子ロクスターには、観る人それぞれいろいろ意見があると思うけど、問題はそこじゃない。ブリジットが下す決断と向かう方向性が素晴らしいの。行くべき方向に向かってくれるのでホッとしました。

これぞ大人の恋、大人のけじめ。中年になって恋をするのをどこかで諦めてしまうアナタ! ブリジットからパワー注入してもらって。トキメキスイッチが入るよ!
『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』
4月11(金)公開
(C)2024 ACOMMZ and EVERLAND RESORT. All rights reserved
(C)2025Universal Pictures
取材・文:よしひろまさみち 撮影:源賀津己
プロフィール
LiLiCo
1970年11月16日、スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日し、芸能界へ。01年からTBS『王様のブランチ』に映画コメンテーターとして出演するほか、女優、ナレーター、エッセイの執筆など幅広く活躍。
夫である純烈の小田井涼平との夫婦生活から、スウェーデンで挙げた結婚式の模様、式のために2カ月で9kgに成功したダイエット術、スウェーデン育ちならではのライフスタイルまで、LiLiCoのすべてを詰め込んだ最新著書『遅咲きも晩婚もHappyに変えて 北欧マインドの暮らし』が講談社より発売中。
