LiLiCoのこの映画、埋もらせちゃダメ!

タービュランス(乱気流)よりも激しい展開が待っています 『タービュランス 絶空16,000フィート』

月2回連載

第192回

LiLiCo 撮影:源賀津己

気球に乗るのが今年のひとつの夢だったけど、ちょっと考えちゃいます

夏の大作が続々公開する中ですが、埋もれてほしくない作品を今回も2つ紹介します。まずは『タービュランス 絶空16,000フィート』。

ヒヤッとする高所パニックホラー+スプラッタームービーです。流産して傷心の妻との関係を修復するために、イタリアの熱気球ツアーに彼女とともに参加したザック。もうひとりの客ジュリアと3人で熱気球が飛び立つや否や、ジュリアが「昨日ザックと密会した!」と暴露し、ナイフを突きつけてきます。争っている最中に操縦士が転落し、気球は制御不能に……。

『タービュランス 絶空16,000フィート』

私、飛行機が一番好きな乗り物なので、タイトルを聞いてすぐに飛びつきましたが、まさかの気球だったとは(笑)。しかも気球でタービュランス?? 勘弁してくださ~い!

ジュリアとザックの密会シーンもあります。が、誘われても乗らなかったんですよね。それからのしつこいメール攻撃が始まり、さらには妻と一緒の気球に乗り込むって、どんな因縁あるの!?となりますよね。

『タービュランス 絶空16,000フィート』

ぶっちゃけ、タービュランスよりも激しい展開が待っています。見てるこちらの心も乱気流ですし、そもそも映像も高所。気球で飛んでいるのを想像するだけで、太ももの裏がずっとタービュランス(笑)。気球に乗るのが今年のひとつの夢だったけど、ちょっと考えちゃいますね……。

『タービュランス 絶空16,000フィート』

『タービュランス 絶空16,000フィート』
上映中

ホラー好きもコメディ好きも、くすぐられる1本なのでは?

 

もうひとつは『ユースフル・ゴースト』。タイで有名な怪談「メー・ナーク」を基に、現代のバンコクで深刻な社会問題を風刺したブラックコメディです。

粉じん公害による呼吸器疾患が問題化したバンコク。最愛の妻ナットを呼吸器の病気で亡くしたマーチが悲しみに暮れていると、なんとナットの魂が乗り移った掃除機が。

 『ユースフル・ゴースト』

一方、マーチの家族が経営する工場でも怪現象が発生。死んだ従業員の霊が工場の機械に取りついてしまい、操業を停止することに。ナットの霊は、自分が役に立つ幽霊だということを証明するため、工場の除霊に乗り出します。

「えっと……、一体なにを見せられてるんだ!」と久しぶりに思った異色作です。愛する人の魂が掃除機になって帰ってくるって……そんなアイデア聞いたことがない。面白過ぎます!

 『ユースフル・ゴースト』

ちょっと似ているな、と思ったのは、2013年に日本公開されたインド映画『マッキー』。ハエとして愛する女性のところへ行くっていう作品ですが、あれはいまだに強い印象なんです。でも今回は掃除機。ハエは命があるけど、掃除機は機械。どうなるんだ、と思ってたら、まさかのラブシーンもあって(笑)。

 『ユースフル・ゴースト』

そんな笑える展開ではあるけど、理由がちゃんとあるのがまた切ないところ。ナットとマーチが愛を確かめ合うなか、彼の家族の工場には他にもお亡くなりになった従業員が、霊となって機械に宿ってしまいカオス!

この工場で一体なにがあったのか。ナットが生きているときにどんな思いをしたのか。ちょっぴりエッチなシーンもありますが、15歳以上の方なら大丈夫(私はそのエッチなシーンに笑ってしまいましたが(笑))。

 『ユースフル・ゴースト』

第78回カンヌ国際映画祭の批評家週間でお披露目され、「ジャンルでは括れない」とか「驚くほど独創的」と絶賛されたというのも超納得です。これはまさに、ホラー好きもコメディ好きもくすぐられる1本なのでは? 亡くなったとき、どんな形で愛する人のもとに戻りたいのか考えてしまいました。私なら、やっぱり猫とか犬とかがいいなぁ~。

『ユースフル・ゴースト』
上映中

取材・文:よしひろまさみち 撮影:源賀津己

プロフィール

LiLiCo
1970年11月16日、スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日し、芸能界へ。01年からTBS『王様のブランチ』に映画コメンテーターとして出演するほか、女優、ナレーター、エッセイの執筆など幅広く活躍。

夫である純烈の小田井涼平との夫婦生活から、スウェーデンで挙げた結婚式の模様、式のために2カ月で9kgに成功したダイエット術、スウェーデン育ちならではのライフスタイルまで、LiLiCoのすべてを詰め込んだ最新著書『遅咲きも晩婚もHappyに変えて 北欧マインドの暮らし』が講談社より発売中。