後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)の INU COMMUNICATION
レディは完璧さ
毎月連載
第13回
今後の健康を考える上で、俺の身体を最も蝕んでいるのは、アルバムの発売に伴うコンサート・ツアーだと俺は考えている。
昨年は自分が所属するバンドのツアーがあり、全国各地へ出かけた。この一文だけを読めば、日本中をまわることができて楽しそうですね、以外の言葉が見つからないだろう。
けれども、最近は胃がキリキリと痛むようなことがなくなったとはいえ、いくらかの緊張感を抱えて会場に入り、精神と肉体を緊張と同じ向きで締め上げてストレスを与え、後に腹の底から脳天を経て外界にぶちまけるように、二時間かけてエネルギーを解放するのがコンサートだ。日夜引っ張り続けられたパンツのゴムがビロビロになってしまうのと同じように、緊張と弛緩を行き来した精神や肉体がビロビロになってしまう。恐ろしい行為だと思う。
当然、何のケアもしなければ廃人になってしまうだろう。ゆえに、俺たちくらいの中年ミュージシャンになると、急に格闘技などを始めて身体を鍛えたり、早朝に近所をランニングした成果をアプリで記録して見せびらかしたり、マッサージ店に通ったり、なかにはトレーナーなどをつけて本格的なトレーニングに打ち込むなどの対策を練る人がいる。
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