大久保佳代子 (オアシズ)の 人生そろばん
「Withコロナ」時代の過ごし方
毎週連載
第90回
「Withコロナ」時代となり「新しい生活様式」が掲げられるようになりましたけど、緊急事態宣言以降、やっぱり日本人って凄いなぁと改めて思っています。
マスク着用は、これだけ浸透しているし、電車に乗っても他人とできるだけ密着しないように距離をとっていて。仕事で打ち合わせをする時も、ソーシャルディスタンス&マスクなんで、聞き取れなくてイライラするときもあるんですが、それはもう「話半分」でいいやと諦める様になりました。
新型コロナの感染拡大が広まってすぐの頃は、正直言うと「感染防止策って面倒臭ぇな」とか「電車のつり革とか全然平気。なんなら、いつもより触りますけど」と謎の天邪鬼気質が出てしまっていたんです。でも、事態が明らかになるにつれ、亡くなる方が増えるにつれ、こんなこと言ってられないなと。気付いたら「新しい生活様式」を普通にやるようになってました。
そうは言っても、基本的にズボラな性格なので、手を洗うことをつい忘れちゃったり、マスクを着けるのを忘れてつい外に出ちゃったりも。100%感染防止に努めている人に比べれば、自己評価70%くらいですかね。
外食は本当にしなくなりましたし、外出しなくなったせいで、お金を全然使っていないですよ。あの外出自粛要請以降、外食したのなんて片手で数えるくらい。だから、たまの外食の際には、いつも以上に値段とか気にせず思いっきり食べたり飲んじゃっています。
先日も、女友達2人と鉄板焼き屋さんへ。
2人のうち1人は、40歳過ぎの派遣社員で独身。もう1人は、少し前に大病したのもあり、今は働いてない状況で、50歳のこちらも独身。コロナもあって、2人ともかなりしんどい生活に追いやられてしまっていて。だから、せめてこんな時くらいは、思う存分食べて欲しいなと。まるで聖母マリア様のように「好きなモノ、どんどん食べてどんどん飲みな」と慈悲心たっぷりにご馳走してあげて。
そしたら、その2人、もともと遠慮するタイプではなかったんだけど、まぁ食べる食べる。ここぞとばかり、高いステーキなんかも。
でも嬉しいんです。私が奢る事を当たり前だと思って安心して食べている姿を見るのが。母性なんでしょうかね? 「お土産で焼きそば持っていったら。明日の朝ごはんに」と土産までも渡して。お店にもお金を落とせたし、友達も楽しそうだったし良い外食でした。
とは言っても、やっぱり家にいることが多いですからね。実際、私の場合は、お酒の量が増えちゃって、今のところ休肝日ゼロの状況。酒の量が増えたぶん、コロナ太りしないようには気をつけていましたけど。
「自粛中に、家でダラダラしてたら太っちゃった」ってダサいオチはイヤじゃないですか。だから、食事は、1日2食にして、前に話したように、DVDを観ながらエクササイズをやったり。
先日、久しぶりに島崎和歌子さんといとうあさこさんと収録で一緒になったけど、2人とも軽く太ってましたから。「あれ? コロナ太りしてない? コロナ豚じゃん!」とイジったら、大笑いしてましたけど。元気そうで何より。若干、優越感を味あわせてくれて、ありがとう。
でも本当にこの先どうなるんでしょうね。一刻も早くワクチンや特効薬ができることを願うばかり。今は、マスク・手洗いをする、三密を避けるという出来ることをしっかりするしかないわけで。1人1人に任されている状況だけど、この辺りの意識って当然みんな違うわけだから、これまたややこしくてね。「私は、こんだけ我慢してるのに、我慢していない人もいるじゃん!」みたいに怒る人もいるだろうし、何かと殺伐としがちですよね。
ピリピリしがちな世の中ですからね。自分と周りの人を大切に思う気持ちを忘れずに過ごしていきたいものです。
構成・文:松田義人(deco)
プロフィール
大久保佳代子おおくぼ・かよこ
1971年、愛知県生まれ。相方・光浦靖子とともに、1992年にオアシズを結成。OLと並行してお笑い芸人として活動をし、2010年以降はお笑い一本に。数多くのレギュラー、連載を持つ。
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