大久保佳代子 (オアシズ)の 人生そろばん
今年の手帳を見返して
毎週連載
第101回

私は普段、スケジュールなどを手帳につけているんですが、今年を振り返ってみると、春先は結構、スケジュール欄に「×」がついていますね。今年は新型コロナウイルス一色でしたから。急激にテレビなどの仕事がなくなって自粛しないといけなかった時期が、こうやって手帳を振り返ることでよく分かります。
今年は、改めて特殊な一年だったなと思います。ステイホームで仕事が激減したと思いきや、夏頃は映画やドラマの仕事を頂いたり、リモートという新しい形でテレビ出演したりと。のっぺりした感もあるけど記憶に残る2020年に。
手帳は、毎年「年始始まり」のものを使っています。2年前までは、ビートたけしさんが所属していた事務所であるオフィス北野が業界内で配る手帳を使っていました。オフィス北野にいた知り合いのマネージャーさんが、私がたけしさんの大ファンなのを知り、こっそりカレンダーとセットでまわしてくれて。最初の数ページは、撮り下ろしのたけしさんの写真が数ページあり、後ろの方には所属タレントさんの宣材写真が載っていて。元大関の把瑠都さんが所属していることにびっくりしたことも。中身が非常に使いやすいのもあるんですが、この手帳にこだわる最大のポイントは他にあるんです。
最初に貰ったのが10年以上前。なんと、この頃から仕事がぐんと増え始めて、自分で言わせてもらいますが売れっ子に。だから、私にとっては運気が上がる手帳なのです。この手帳以外を使ったら、芸能界から干されてしまうのではという変な強迫観念さえ持つように。なんで毎年毎年、1月中に新年会と称して、そのマネージャーさんと会い手帳を貰うというのが年初めのルーティンに。でも、ご存知のようにたけしさんがオフィス北野を辞めて独立をしてしまったので、必然的に手帳自体が消滅してしまったのです。なので、そのマネージャーさんとも会う理由がなくなり新年会も自然消滅。現金な女ですいません。「あなたは手帳だけの男だったの」。それ以降は、仕方ないかな、他の手帳を探す旅へ。
去年は、コレという手帳が無かったので、小さめの普通のノートを使用。白紙のページに自分で線を引きカレンダーを作って使用。
人が見たら「手作り手帳⁉︎ お金がないの? いやケチなの? それともエコ? こだわりが強い人?」とやや不審がられるかも。でも、自分の使い勝手が良いようにできるのでなかなかグッドでした。今年は、糸井重里さんのところの「ほぼ日」手帳を貰ったのでそれを使っています。機能性も良いし、毎日、ありがたい名言みたいなモノも載っていて、楽しめるエンタメ手帳です。なんと、私の名言(?)も一個だけ載っています。
手帳は、スケジュールを書く以外に、覚えなければいけないセリフを覚えるために書き出したり、思いついたネタや俳句など、いろいろ何でも書き込んでいるので、落としたらヤバいです。スマホでスケジュール管理をしようと思ったことがあるのですが、スケジュール欄に仕事を自ら書き込むことで、その月の働き具合がよりリアルに分かるのが好きなんです。連日埋まり休みがない年もあれば、空白の日が増え始めた年もあったり、一目瞭然なのが身に染みて感じられるから手帳派なんです。
来年分の手帳ももう「ほぼ日」から送っていただいているので、また継続して使おうと思います。来年は、ちょい楽しみにしていることがあるから、どんなスケジュールになっていくのか期待しています。来年の今頃は、私を取り巻く環境が変わっているかもしれなくて。この話は次回、書きますね。ちなみに、手帳を変えたところで芸能界から干されることもなく、仕事も良いペースでやらせてもらってます。
構成・文:松田義人(deco)
プロフィール
大久保佳代子おおくぼ・かよこ
1971年、愛知県生まれ。相方・光浦靖子とともに、1992年にオアシズを結成。OLと並行してお笑い芸人として活動をし、2010年以降はお笑い一本に。数多くのレギュラー、連載を持つ。
http://www.p-jinriki.com/talent/oasiz/