稲葉友の「話はかわるけど」
センス×憧れ×能力【後編】
毎週連載
第91回

センスとオーラとの違い、生活の中で出る無意識のオーラ、舞台や映画からエネルギーをもらえる理由など、稲葉さんのセンスに対する解釈が、いろんな秘密を紐解きます。
自分に子供ができたら、もちろん名作やわかりやすい作品をいっぱい見せたいけど、子供の頃にわからなかったっていう体験をいっぱいさせてもいいのかなって、ちょっと思う。甥っ子の3歳の誕生日プレゼントを考えているとき、親である兄貴たちがどういう大人に育てたいとか、僕は知らないし興味もないけど、自分があげられるものは何だろうなって考えて。当然、今ハマっているものを訊いてその時点での好みに合わせるのが、分かりやすく喜んでもらえるんだけど。1歳の誕生日なら親が喜ぶおむつセットでもいいけど、3歳になると好みが出てくるからね。
まだプレゼントは買っていないんだけど、悩んでる中で夏目漱石の全集とか──あ、これめっちゃカッコつけた話ね──まあそういったものをあげるのもいいかもねと。興味を持つときって、何がきっかけになるかわからないし、その子がなんか探しだしたときに、選択肢が1個増えているのもいいかな~って。もちろん僕も3歳で夏目漱石は読まないと思うんだけど、何年もたった時に愛読書になっているかもしれない。家に夏目漱石が本棚にあるってカッコいいし、そういうもので養われるものもあるだろうしね。学校じゃ教えてくれないようなものが。
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