稲葉友の「話はかわるけど」
経年変化×積立大人×仮初普通【前編】 変化はタイトルであった
毎週連載
第98回
「自分を変えたい」って思うこと、ありますよね。でもすべてを変える必要はないはず。変わらない大好きなことを抱えながら、大人へと変化した稲葉さんの体験談、ご一読あれ。
人は変わる、変われる。人は変われない、変えられない。相反することがそれぞれ真理のように言われている。条件の違いによってどちらもそうだなあと思うことはあるけども。僕自身でも変わっていたり変わっていなかったりするのでもうそういうもんなんだろう。
少年から青年へ、青年から成人男性へ。みたいな避けようのない時間の経過からくるカテゴリーの変化もある。ざっくり大きいものだと子どもから大人ね、大人。施設を利用する際の料金設定も変わるものね。内面とは関係のない経年の変化。そんな大人と括られる歳になってから自分以外の人が生きたり生活を営むのがやたら上手に見える時期があった。
いろんな社会のシステムを理解するのに本当に時間がかかった。なんならまだ理解しきれていない部分も多々ある気はしている。みんなそういうことをそつなくこなしているように見えてしまってなんだか焦った。そういう時は音楽や深夜ラジオに救われていた気がする。あ、自分だけじゃないんだなと。
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