オンラインの利点は用意された会場には足を運びにくい方も、全国どこからでも参加できる点にある。それはもう十分に分かっているけれども、やっぱり一人で喋っているのはふと寂しくもなる。公で話すときは基本的に会話というか対話に依存しているからだろうか。でも本当にイベント自体は新しい楽しみ方があり、企画も盛り上がったしそこにコメントもたくさん頂けてワイワイやれた。イベントの時には舞台『ともだちが来た』の稽古がもう始まっていたこともあり共演者の泉澤祐希と大鶴佐助も来てくれてなかなか他ですることのないトークが出来たのも楽しかったなあ。

イベントが始まった時点では自分の中ですごく不思議な感覚になって、声のボリュームとかテンションとかも迷子だった。対面の時はゆっくりお客さんのお顔を見て、みんなでいる空間の空気を吸って、さあ始めましょうと出来るからそこで迷うことはなかった。でもやっぱり繋がって集まっての機会が持てたこと自体はとても心地がいい。オンラインでも、最終的には予想以上の充実感があった。

このオンラインイベントの少し後、名古屋の椙山女学園大学の学園祭に呼んでいただきまして。こちらはMCの方がいて、会場に集まり有観客でのイベントだった。大学の講堂が会場で、お客さんとは距離を取り声は出さずに拍手でリアクションという対策を取ったうえでの開催。

始まってまず思ったのは、MCさんがいるって素晴らしい。話を誘導してくれたり深く引き出してくれたりと道筋を作ってくださる。一人でばかりやっているのでMCさんの存在のありがたさを痛感した。一人でぶん回すのも楽しいのだけれどもね。

そして笑うとか声を発するだけがお客さんからもらえる反応じゃないっていうのも強く感じた。空気が動くというか、そしてその空気を共有するってことだけでやっぱり面白いしそこをくすぐりたくなる。お客さんと向き合えるのはやっぱり最高。こういう形でまたトークイベントやファンイベント、そしてラジオの公開収録をやりたいと心底思う。

次回の更新は11月10日（水）です。お楽しみに！

プロフィール

稲葉友（いなばゆう）

1993年1月12日生まれ、神奈川県出身。
2010年、ドラマ『クローン ベイビー』(TBS)で俳優デビュー後、ドラマ、映画、舞台と幅広く活動。
主な出演作に、ドラマ『仮面ライダードライブ』(‘14～’15 EX)、『MARS～ただ、君を愛してる～』(’16 NTV)、『ひぐらしのなく頃に』(’16 BSスカパー!)、『レンタル救世主』(’16 NTV)、『将棋めし』(’17 CX)、映画『ワンダフルワールドエンド』(’15)、『HiGH&LOW』シリーズ、『N.Y.マックスマン』(’18)、『私の人生なのに』(’18)、舞台『すべての四月のために』(’17)、映画『春待つ僕ら』(’19)『この道』(’19)など。
J-WAVE『ALL GOOD FRIDAY』(毎週金曜11:30～16:00生放送)ではレギュラーパーソナリティ―を務める。

撮影／斎藤大嗣、取材／藤坂美樹、構成／中尾巴、ヘアメイク／速水昭仁、スタイリング／添田和宏、衣装協力／ジャケット¥13,200／ユーズド（カウンシルフラット1 TEL:03-6807-0812）
シャツ¥4,290、タイ¥1,100、パンツ¥4,290／すべてユーズド（原宿シカゴ 原宿店 TEL:03-6427-5505）
ベルト¥15,400／ヴィンテージワークス（ヴィンテージワークス TEL:03-6712-7920）
ソックス¥2,090／タビオ（タビオ株式会社 TEL:0120-315-924）
シューズ¥6,380／コンバース（コンバースインフォメーションセンター TEL:0120-819-217）
リング¥19,250／ユーズド（タナゴコロータス 東京 TEL:03-5843-1346）
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