飲食店も通常の営業時間に戻りつつあるが、おうち時間に少しずつ慣れていったようにおそと時間に慣れるにも時間がかかりそうだ。夕飯は8時までには食べたい身体になっているし、もし食べられなかったらもういっそ抜くし、お風呂入って仕事の準備して眠る支度をするというリズムがもはや心地いい。

以前は共演者している方と節目で集まってご飯を食べたりお酒を飲んだりをよくしていた。それから遠ざかってしまった今、改めて考えてみると、打ち上げという行事はとても大事だったのかもしれないと思っている今日この頃。

飲み会とか打ち上げが無くなって嬉しいと言う人たちも多くいるとは思う。それはこの業界に限ったことてなく、社会人で「飲み会ダルい」みたいなマインドもあると聞く。「飲み会って仕事なんですか？」的な。

僕らのお仕事で言えば撮影や本番を終えて最後に打ち上げをするのがセットだった。少なくとも僕は特に疑問を持たずにそういうものだと思っていた。打ち上げはキャストよりもスタッフさんを労うもので、更に「これで一区切りだね、お疲れ様」と言い合うものだった。映像作品の場合この時点では映像編集の作業が残っていたり、宣伝活動があるから「またそのタイミングで宜しくお願いしますね」と言いつつ和やかに楽しい話をして。

こういう区切りは気持ちの切り替えになっていたんだなと最近思ったのだ。お酒を飲まなくてもいいけど、共に作品を作った方々とくだけたテンションで話し合ったり熱い話になったり、充実感を共有したりしたことが大切なのだと思う。

僕は正直打ち上げがなきゃダメだとは思っていなかった。打ち上げがなくなってもその分、自分のリラックスする時間が作れるならいいかと前向きにとらえていた。でも「打ち上げないと寂しいね、飲みに行きたいね」からの「なきゃないで楽だね」からの「区切りや節目は大事だな」という段階を踏んで今に至る。

僕はサウナやラジオを初めいろんな趣味もありつつ様々なコンテンツを楽しむのも好きなのでこれらは気分転換になるし気持ちの切り替えの助けにもなる。でも人に主宰してもらった区切りで「終わりましたよ！」というのを共有するのが重要だったんだろうな。打ち上げのたびに騒いで飲んでというのは必ずしも必要なくて「翌日普通に仕事だから、あまりいられないな」なんて思いながら行く打ち上げもよくあったがとにかく出席することに意義があったように思う。

次回の更新は11月24日（水）です。お楽しみに！

プロフィール

稲葉友（いなばゆう）

1993年1月12日生まれ、神奈川県出身。
2010年、ドラマ『クローン ベイビー』(TBS)で俳優デビュー後、ドラマ、映画、舞台と幅広く活動。
主な出演作に、ドラマ『仮面ライダードライブ』(‘14～’15 EX)、『MARS～ただ、君を愛してる～』(’16 NTV)、『ひぐらしのなく頃に』(’16 BSスカパー!)、『レンタル救世主』(’16 NTV)、『将棋めし』(’17 CX)、映画『ワンダフルワールドエンド』(’15)、『HiGH&LOW』シリーズ、『N.Y.マックスマン』(’18)、『私の人生なのに』(’18)、舞台『すべての四月のために』(’17)、映画『春待つ僕ら』(’19)『この道』(’19)など。
J-WAVE『ALL GOOD FRIDAY』(毎週金曜11:30～16:00生放送)ではレギュラーパーソナリティ―を務める。

撮影／斎藤大嗣、取材／藤坂美樹、構成／中尾巴、ヘアメイク／速水昭仁、スタイリング／添田和宏、衣装協力／ジャケット¥13,200／ユーズド（カウンシルフラット1 TEL:03-6807-0812）
シャツ¥4,290、タイ¥1,100、パンツ¥4,290／すべてユーズド（原宿シカゴ 原宿店 TEL:03-6427-5505）
ベルト¥15,400／ヴィンテージワークス（ヴィンテージワークス TEL:03-6712-7920）
ソックス¥2,090／タビオ（タビオ株式会社 TEL:0120-315-924）
シューズ¥6,380／コンバース（コンバースインフォメーションセンター TEL:0120-819-217）
リング¥19,250／ユーズド（タナゴコロータス 東京 TEL:03-5843-1346）
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