だんだんと物事のピリオドを打つのが下手になってきていると痛感する最近。打ち上げは仕事のスケジュールに組み込まれつつもちゃんと区切ってくれる利点があった。

忙しくてちょっと顔出すくらいしか出られない時でも楽しかった。「仕事だけど、仕事じゃない。仕事じゃないけど、仕事」みたいな曖昧な空気が漂う他ではない空間だったと今となっては思う。柔らかな雰囲気でお話やご挨拶ができるのもよかった。

会社や仕事関係の飲み会なんて面倒だと思う人は多いだろうが、人と打ち解けるチャンスでもある。何でわざわざお金と時間を使って仕事の人と飲まなきゃいけないんだと嫌がる人もいると思うが行ってみないと何が起こるか、自分がどういう気持ちになるかなんてわからない。

生活リズムが整う心地良さはあったが、徐々にしっくりこなくなってきていたのは他者とのコミュニケーション不足からきているものなのかもしれない。それはポジティブなものだろうがネガティブなものだろうがどちらでもよかったりする。なるべく楽しい方がいいけどね。対人に飢えてるんだね。世の中が再会の空気を取り戻し始めたからか、そんな気持ちが膨らんできた。

合理的なのは大好きだが、合理的になり過ぎると物足りなくなる。いつだってないものねだりだ。お誘いや行ってみたいところやイベントなんかを、メリット・デメリットがあると自分の中で精査して判断して、これは時間の無駄、お金がもったいないで切り捨てる。そんなことが以前よりもシビアに行われている気がする。自粛期間でジワジワと長い時間をかけて形成されてきた価値観なんだろう。でも損得だけを考えているとそれによって抜け落ちてしまうものはあるよな。そんなことを考える今日この頃でした。

次回の更新は12月1日（水）です。お楽しみに！

プロフィール

稲葉友（いなばゆう）

1993年1月12日生まれ、神奈川県出身。
2010年、ドラマ『クローン ベイビー』(TBS)で俳優デビュー後、ドラマ、映画、舞台と幅広く活動。
主な出演作に、ドラマ『仮面ライダードライブ』(‘14～’15 EX)、『MARS～ただ、君を愛してる～』(’16 NTV)、『ひぐらしのなく頃に』(’16 BSスカパー!)、『レンタル救世主』(’16 NTV)、『将棋めし』(’17 CX)、映画『ワンダフルワールドエンド』(’15)、『HiGH&LOW』シリーズ、『N.Y.マックスマン』(’18)、『私の人生なのに』(’18)、舞台『すべての四月のために』(’17)、映画『春待つ僕ら』(’19)『この道』(’19)など。
J-WAVE『ALL GOOD FRIDAY』(毎週金曜11:30～16:00生放送)ではレギュラーパーソナリティ―を務める。

撮影／斎藤大嗣、取材／藤坂美樹、構成／中尾巴、ヘアメイク／速水昭仁、スタイリング／添田和宏、衣装協力／ジャケット¥13,200／ユーズド（カウンシルフラット1 TEL:03-6807-0812）
シャツ¥4,290、タイ¥1,100、パンツ¥4,290／すべてユーズド（原宿シカゴ 原宿店 TEL:03-6427-5505）
ベルト¥15,400／ヴィンテージワークス（ヴィンテージワークス TEL:03-6712-7920）
ソックス¥2,090／タビオ（タビオ株式会社 TEL:0120-315-924）
シューズ¥6,380／コンバース（コンバースインフォメーションセンター TEL:0120-819-217）
リング¥19,250／ユーズド（タナゴコロータス 東京 TEL:03-5843-1346）
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