毎週水曜日の0:00に更新されるこの連載の締め切りは直前の火曜日。本当にたまにしか早めに書き上げることができなくてほとんどは火曜日まで粘ってたなあ。ちなみに今回も火曜日まで粘ったよ。

インタビューしていただいた時、お話したことのニュアンスが上手く伝えられてなくて実際にあがってくる原稿の印象が自分で話したものと違ったものに感じることがある。そのたびもっと的確に要点をまとめて上手くお話しできるようになりたいと思う。

この連載では打ち合わせでひたすらにとりとめなくお話してそれを文字起こししてまとめてもらい、それをさらに自分で整えたり足したり引いたりしながら書いている。だから自分で話したことを後からしっかり整えられるのね。気分が変わり過ぎてごっそり内容を変えてしまうこともあったな。外に出すから整えるワケだけど、そのひとつ手前のまとまり切らない思考をも話せるというのはありがたい場所だった。馴染みの担当編集さんとは初めましてのインタビュアーさんとは出来ないようなお話も出来たし、多くのことを引き出してもらえた。この3年半で築いた関係から生まれるものもたくさんあったりでこの連載の温度感は独特なものだと改めて思う。

撮影もいわゆる作品撮りに近かったな。1つの媒体でこれほどデータを蓄積されながら撮影したことはない。同じ人間に対してヘアメイクや衣装で違うアプローチを仕掛け続けてくれた速水さんと添田さんには感謝が尽きない本当に。今でも感慨深いが40歳になって振り返ったときとか破壊力凄そうだな。その時には自分の趣味趣向も考え方も、嫌だなってこともいいなってことも変わっていたりするんだろうな。どうなの未来の俺らの状況は。

この連載が終わると決まった以上、終わった状況にも興味がある。またすぐ別のエッセイの連載やりたいとは思わないだろうな。それでもまたいつか書きたくなるのかな。最初は自分にどんなものが書けるのか未知で、続けていくうちにバランスやら文章のから発される印象みたいなものがだんだんと自分の物になっていった気がする。

思いがけないこともたくさん書いた。ここでなければ文字にしないようなこととか。役作りのときに作業で起こす文字とは温度がまた違う。過去のことも現状のことも想像する未来のこともとにかく引き出しに入ってる出せるものは片っ端から書いた。今はケツメイシのアルバム「ケツノポリス2」を聴きながら書いている。こっそり歌詞混ぜたところがあるから探してみて欲しい。探さなくてもいい。なんでもいい。

エッセイ毎週書くって凄いよなと自分で思う。おそらくエッセイにおいては相当珍しい更新頻度だ。いやそう考えると週刊連載の漫画って本当に凄いなとゾッとした。しかし自分のエッセイは毎週書くの大変だなって気付いた辺りから一週の文の量をジワジワと減らしていたりするので毎週書ける仕様にマイナーチェンジさせていったという感じだ。だから自分はそんなに凄くないんだぞとこれまた自分で思っている。

続けていくうちに日々感情のバランスが取りやすくなっているようにも感じた。毎週毎週冷静に吐き出したことを整えて提出していたからだろうか。毎週みんながこのエッセイをどう見ているのかなとか気にしているような気にしていなかったような。コメントあると嬉しいし、実際に会った人に感想を伝えていただくのも嬉し恥ずかしだったし、傷付く人がいないといいなと思いを馳せたり、傷付けるリスクを背負って強い言葉を使ってみたり、なんだりかんだり。こんな風にフワッとぼやかしてみたり。

そんなこんなで、終わるという話も次回で終わる。ラストひとつ前、最終回直前、盛り上がるのか、淡々と終わるのか、お楽しみにどうぞ。寂しいなあもう。

今回もヘアメイク速水さん撮影の写真を掲載！　次回の最終回まで、みなさまよろしくお願いいたします！

プロフィール

稲葉友（いなばゆう）

1993年1月12日生まれ、神奈川県出身。
2010年、ドラマ『クローン ベイビー』(TBS)で俳優デビュー後、ドラマ、映画、舞台と幅広く活動。
主な出演作に、ドラマ『仮面ライダードライブ』(‘14～’15 EX)、『MARS～ただ、君を愛してる～』(’16 NTV)、『ひぐらしのなく頃に』(’16 BSスカパー!)、『レンタル救世主』(’16 NTV)、『将棋めし』(’17 CX)、映画『ワンダフルワールドエンド』(’15)、『HiGH&LOW』シリーズ、『N.Y.マックスマン』(’18)、『私の人生なのに』(’18)、舞台『すべての四月のために』(’17)、映画『春待つ僕ら』(’19)『この道』(’19)など。
J-WAVE『ALL GOOD FRIDAY』(毎週金曜11:30～16:00生放送)ではレギュラーパーソナリティ―を務める。

撮影／古川義高、取材／藤坂美樹、構成／中尾巴、ヘアメイク／速水昭仁、スタイリング／添田和宏、衣装協力／シャツ¥19,800、パンツ¥31,900／ともにセモー（ビューローウエヤマ TEL: 03-6451-0705）
シューズ¥10,450／コンバース（コンバースインフォメーションセンター TEL:0120-819-217）
タイ¥3,190、サスペンダー¥2,090／ともにユーズド（原宿シカゴ 竹下店 TEL:03-6721-0580）
バングル¥49,500／サンク（ツグ TEL:03-6452-4061）
その他スタイリスト私物