Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

山下幸輝「こきぴあ」

日曜劇場『アンチヒーロー』撮影現場へ潜入!「ものすごく体力を使いました(笑)」

月2回連載

第6回

続きを読む

現在、日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系)に若手検事・菊池大輝役で出演中の幸輝くん。初の日曜劇場に挑む幸輝くんを「こきぴあ」では3回にわたって特集します。

特集第2弾は、ドラマの撮影現場に潜入! あの緊迫感溢れる法廷劇がどのようにつくられているのか。舞台裏をリポートします。

錚々たる先輩たちに囲まれながら、幸輝くんも奮闘中!

この日の撮影は、最終回の法廷シーン。まさに物語のクライマックスです。それだけにスタッフのみなさんも気合い十分です。スタジオを訪れると、本番前にもかかわらず、独特の緊張感が。メインキャストに加え、傍聴席にはエキストラのみなさん、さらに数十名に及ぶスタッフのみなさん。1つのシーンを撮るのに、これだけの人の力が関わっているのだということを改めて実感する、壮観な光景です。

そんな人波の中に、幸輝くんの姿も発見! セッティングに動き回るスタッフさんに囲まれながら、自分の席で出番を待っています。前髪を上げた“菊池スタイル”もすっかりお馴染みのものになりましたが、心なしか今日の幸輝くんはいつもより引き締まった表情。その真剣な眼差しに、このシーンに懸ける思いが伝わってきます。

この日、主に台詞を発していたのは、検事正・伊達原泰輔役の野村萬斎さん。まさに核心となる場面だけに、残念ながらその詳細をお伝えすることはできないのですが、長谷川博己さん演じる主人公・明墨正樹との“因縁の対決”と呼ぶにふさわしい場面です。このシーンの台本を読ませてもらったところ、ページをめくってもめくっても、ひたすら伊達原の台詞。怒濤の長台詞が続きます。

「もし台本を渡されて、自分の台詞がこんなにもあったらどうしますか?」と幸輝くんに聞いてみると、「一旦絶望します」と苦笑い。この言葉が大げさではないと思えるほどの台詞量です。

しかも、その永遠に続くような長台詞を、飽きさせずに魅せる力が役者には求められてきます。本番で見せた萬斎さんの演技はまさに“野村萬斎さん劇場”。難解な専門用語をものともしない弁舌のなめらかさに、幸輝くんも「パワーが違いますよね」と惚れ惚れ。「声がものすごく通るんですよね。僕は舞台に立ったことはないですけど、これがずっと舞台に立ち続けてきた方の発声なんやなって、聞きながら毎回感動しています」と尊敬の眼差しを向けます。

さらに圧巻なのはその台詞術です。萬斎さんが話すだけで、ガラッと空気が変わる。単に立て板に水なだけではなく、ダイナミックに緩急をつけることで、手綱を引っ張るように聴衆の心を引き込んでいきます。

そんな萬斎さんの演技に「これが勉強するってことなんやと思いました」と幸輝くん。注目したのは、萬斎さんの動きです。尋問にあたり、伊達原がある紙を手にします。そのとき、萬斎さんは自分の頭より高い位置にその紙を掲げました。

「普通にナチュラルなお芝居をしようと思ったら、胸の位置くらいに持ってくると思うんですよ。でも、ああやって掲げることで、より目がいくし、インパクトが出る。たぶん萬斎さんは見せ方というのをわかってらっしゃるんですよね。役の内面をつくり込むだけじゃなく、どうやったらより面白くなるか、自分で演出する力を持っていて。そこは僕にはないもので、すごいなと思いました」

この日はまさに1日がかりの撮影。ですが、キャストもスタッフも集中力を切らすような場面は一切なし。ピンと張り詰めた糸をみんなで繊細に引き合うように、テイクを重ねていきます。ドラマの撮影というと、華やかなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際には地道な作業を1つひとつ丁寧に積み上げていくことで、観る人の心に届く作品が生まれるのでした。

みなさんの演技を吸収しようと思っていたら、いつの間にかパンパンに(笑)

出番を終えた幸輝くんは、「めちゃくちゃ体力を使いました」と感想を一言。けれど、言葉とは裏腹に表情は晴れやかです。

「法廷という馴染みのない場所に、スーツという馴染みのない衣装、そして馴染みのない専門用語。いろんなところに神経を使うので、その分、めちゃくちゃ体力は削られます。でも、いい疲れなんですよね。吸収できることが多すぎて、みなさんの演技を見ながら、吸収しよう吸収しようと思っていたら、いつの間にかもうパンパンになっていました(笑)」

俳優としてキャリアをスタートさせ、今年で3年目。着実にステップを駆け上がる幸輝くんにとって、『アンチヒーロー』は錚々たる先輩たちのお芝居に生でふれられる修行の場。ここで吸収したものが、どんな花を咲かせるのか。菊池としての幸輝くんを最後まで見守りたい気持ちと同時に、これからの幸輝くんがますます楽しみになりました。

ちなみに、ネタバレ防止のため詳細はお伝えできないのですが、劇中である毒の名前が出てきます。この早口言葉みたいなワード、幸輝くんは噛まずに言うことができるかトライしてもらったら、「○○○○○○○○○……? 無理!!」と呆気なく惨敗していました(笑)。 何というワードだったかは放送を観てみてください!

日曜劇場『アンチヒーロー』第9話は6月9日21:00〜からオンエア。次回の「こきぴあ」は『アンチヒーロー』最終回直前スペシャルということで、6月13日に更新予定です。どうぞお楽しみに!

編集部より

ぴあのアプリからご覧いただくと、記事にコメントが可能となります。
ぜひ登録をお願いします!

App Store
Google Play
※アプリのダウンロード、会員登録は無料です。

プロフィール

山下幸輝(やました こうき)
2001年11月7日、大阪府生まれ。B型。
2020 年の第33回ジュノンボーイ・コンテスト、ファイナリストとなり俳優デビュー。’22年のドラマ『君の花になる』で注目を集める。’23年は、ドラマ『ガチ恋粘着獣』『最高の生徒~余命1年のラストダンス~』などに出演。’24年はドラマ『夫婦の秘密』『高額当選しちゃいました』に出演。主演映画『マンガ家、堀マモル』が8 月に公開予定。

撮影/杉映貴子、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹