現在、日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系)に若手検事・菊池大輝役で出演中の幸輝くん。初の日曜劇場に挑む幸輝くんを「こきぴあ」では3回にわたって特集します。
特集ラストは、幸輝くんのソロインタビュー。『アンチヒーロー』にちなんで、幸輝くんの思う正義とは何か、そして尊敬するヒーローについて語ってもらいました。
床に落ちてる商品を拾って戻せるか、スルーするか
『アンチヒーロー』がいよいよ最終回を迎えます。僕、このドラマがめっちゃ好きなんですよ。出演者というより、いち視聴者と同じ気持ちで毎回のオンエアを楽しみにしていて。こういうリーガルドラマって弁護士と検事が法廷で戦うところが醍醐味だと思うんですけど、『アンチヒーロー』はそれだけじゃない。弁護士ドラマの前に人間ドラマ。そこが『アンチヒーロー』の一番の魅力だと思っています。
中でもやっぱり毎回胸に刺さるのが明墨さんの台詞! 第1話のラストで掴みかかろうとしてくる尾形に向かって明墨さんが話したことが自分の中でぶっ刺さって。以来、ずっと明墨さんの言葉の強さに胸が揺さぶられまくっています。
最終回でも明墨さんのメッセージがつまった台詞がいっぱい出てきます。特にラストの台詞がやばいんで、楽しみにしてほしい! そして、明墨さんの言葉の意味を観てくださった方みなさんそれぞれで感じて考えてもらえたらうれしいです。
『アンチヒーロー』は正義とは何かを問うドラマですけど、僕にとっての正義は優しさ。自分にではなく、人に対して優しくありたいなと小さい頃からずっと思っていました。優しさって見返りを求めないことやと思うんです。自分がこれをしてあげたんだから、代わりにこういうことをしてほしいじゃなくて、たとえ何も返ってくるものがなくても、人のために尽くせるか。それができるのが、ほんまの優しい人。
でもそれと同時に、人に優しくしたことって、まわりまわってちゃんと自分に返ってくるとも思っているんですよね。たとえばなんですけど、薬局に行くとするじゃないですか。で、店の中をまわっていたら、床に商品の洗剤が落ちていたとする。そのとき、それを拾って棚に戻せるか、そのままスルーするか。自分が店員さんじゃなかったら、別に戻す必要はないのかもしれない。けど、やっぱり僕はそこでちゃんと拾って戻せる人でありたい。
戻したところで自分に何かメリットがあるわけではないんですけどね。でも、違う場面で何かしら返ってくるんじゃないかなって。情けは人のためならず、じゃないですけど、そういう小さい優しさを一つ一つ積み重ねていくことで、自分が困ったとき、誰かが救いの手を貸してくれるのかもしれない。そう信じて、小さなことからちょっとずつ自分にできることをするようにしています。
準備を怠ることは絶対にしないと決めています
逆に、僕が仕事の上でこれだけは絶対しないと決めているのは、準備を怠ること。カメラの前に立つのは僕たち役者ですけど、僕たちがそうやってお芝居に集中できるのは、その前段階で準備をしてくれるいろんな人がいるから。カメラマンさんに照明さん、音声さん、挙げ出したらキリがないくらい、いろんな人たちの手によって作品はつくられていて、それこそ僕らよりも長い時間をかけて準備をしている。だから、その人たちに失礼がないように、僕もちゃんと準備をして現場に臨みたい。
これはドラマの撮影だけじゃなくて、人前に出るときは全部そうです。たとえば、春にWATWINGのライブにコラボで出させてもらったんですけど、そのときもWATWINGを応援しているファンのみなさんを僕のファンにさせるぐらいの気持ちで臨みました。そのためにひたすら練習をして。いいパフォーマンスをするには、いい準備が必要。どんなことも手を抜かない、はこの仕事をやる上での僕のポリシーです。
そう考えていくと、僕にとってのヒーローは誰かと言うと、マネージャーさんなんですよね。僕にとってのヒーロー=尊敬できる人。僕はマネージャーさんのことをめっちゃ尊敬してるんですよ。僕が自分の仕事に専念できるよう何から何まで準備をしてくれるのが、マネージャーさん。マネージャーさんがいるから僕は仕事ができるわけで、そばで見ていても演者よりめっちゃ考えることがあるんだなって思います。
しかも、僕のマネージャーさんのすごいところは、そんな大変なことをめちゃくちゃ楽しそうにやるんです。絶対頭がパンクしそうなくらいの仕事量なのに、破裂寸前の風船を楽しそうに持ちながら仕事をしている。楽しむことって僕は大事やなと思っていて、そんなところも含めて尊敬しているヒーローです。
人に優しく。何事も楽しく。僕もそんな人になれるよう、これからもしっかり自分を見つめて磨いていきたいです!
※日曜劇場『アンチヒーロー』最終回は6月16日21:00〜からオンエア。次回の「こきぴあ」は7月更新予定です。次はどんな幸輝くんに会えるか。楽しみに待っていてくださいね。
編集部より
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プロフィール
山下幸輝(やました こうき)
2001年11月7日、大阪府生まれ。B型。
2020 年の第33回ジュノンボーイ・コンテスト、ファイナリストとなり俳優デビュー。’22年のドラマ『君の花になる』で注目を集める。’23年は、ドラマ『ガチ恋粘着獣』『最高の生徒~余命1年のラストダンス~』などに出演。’24年はドラマ『夫婦の秘密』『高額当選しちゃいました』に出演。主演映画『マンガ家、堀マモル』が8 月に公開予定。
撮影/杉映貴子、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹