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山下幸輝「こきぴあ」

いい順位をもらえたらうれしい。でも、順位を目的にはしない

月2回連載

第10回

8月30日より主演映画『マンガ家、堀マモル』の公開が控える山下幸輝くん。スクリーンで、どんな顔を見せてくれるのか。「こきぴあ」では映画の内容とあわせて「人間、山下幸輝」をたっぷり深掘りしていきます! 最後は順位と決断について。

いい順位をもらえたらうれしい。でも、順位を目的にはしない

自分の気持ちを素直に言葉にするのって、すごく難しいことだと思うんですよね。少なくとも僕は苦手。相手がこう思ったらどうしようとか、いろんなことを考えて、つい言葉を飲み込んでしまう。

でも、個人的には、もしそこで飲み込んだとしたら、それはその場で言わなくてもよかったことだと考えるようにしていて。だから、気持ちを言えなかったからといって、あとあとまで引きずることはないかも。

でも、人によっては言えなかったモヤモヤがずっと残ることもあると思っていて。それを「漫画にする」ことでマモルは昇華していくんです。

マモルの前に現れた中学生の幽霊・樹(斎藤汰鷹)もその一人。絵が得意な樹は、初めて自分の才能を見つけてくれた羽車先生(三浦貴大)から絵画コンクールに絵を出すように勧められるんですけど、順位をつけられることが嫌で断ります。この樹の気持ちが、僕はすごいよくわかるなあって思ったんです。

僕も順位をつけられるのは、あんまり好きじゃない。特にお芝居って、もちろんこの人は上手いとかあるけど、でもやっぱりその役をその人がやることに意味があると僕は考えていて。みんな、それぞれ他の人にはない魅力がある。それをちゃんと出せるのがいちばんで、そこに下手とかないと思うし、順位がつくのは違うなあと思うタイプです。だから、お芝居に順位って必要なんかな? とも思う。

とはいえ、俳優の世界にも賞があって、正直賞をもらえたらうれしいし、レッドカーペットを歩くことは僕の一つの夢でもある。そういう意味では、順位をつけられるのも仕方ないんかなと思うところもあって…。これは難しいテーマですね(笑)。

ネクストブレイクランキングとか、恋人にしたいランキングとか、そういうのやったらもうちょっと気楽に受け止められる感じはあるかな。自分からわざわざチェックすることはないけど、流れてきたランキングに自分が入っていると、「あ! 入ってる!」ってうれしくはなります(照)。

でもだからといって、今回は3位だったから次は1位を目指そうとはならないかな。たぶん僕にとって順位は目的ではないんです。順位をとるために頑張るんじゃなくて、頑張った先のご褒美として、いい順位がもらえたらうれしい、くらいのスタンス。

遠い向こうのものを追いかけるんじゃなくて、目の前にあることに打ち込むというのは、順位以外でも同じですね。

漫画が描けなくなったマモルは、漫画家を続けるかどうかという問題に直面します。人生において重大な決断をしなければいけない場面って誰にでも訪れるものやと思いますけど、僕はそういうとき、自分に正直でいることをいちばん大切にするようにしています。自分がやりたいと思うならやる。逆に、やりたくないと思っているならやらない。そこの判断軸はめっちゃシンプル。だから、何かを決めるときにあんまり悩むことはないです。

やりたいことをやるってスパッと決められへんのって、たぶん失敗したらどうしようとか、選んだあとのことを考えてしまうからだと思うんですけど、僕は後先のことは考えないです。お芝居もやったことなかったけど、これでやってみてコケたらどうしようとか全然考えなかった。やってみたいからやろうっていう、もうそれだけ。

元を辿れば、ダンスを始めたのも幼なじみがやっていたから自分もやってみたいと思っただけやし、子どものときにやっていた野球も、始まりはほんの軽い興味から。何かを始めるときに特別な理由とかきっかけなんて必要ないのかもしれない。これをやって失敗したらどうしようとは考えへんし、逆にこれをやって評価されたいとも思わへん。大事なのは、失敗することでも成功することでもない。自分がやりたいか、やりたくないか。その考えは昔から全然変わっていないです。

実際、僕は自分のやってきたことにまったく後悔がないんですよね。やらなかったら良かったって思うことが全然ない。なんでかというと、自分のやってきたことが全部ちゃんと今につながっているなって思うから。ダンスで鍛えたリズム感や動き、即興性はお芝居でも活きているし、野球で身につけた忍耐力は、仕事はもちろん人生において大事なこと。何ひとつ無駄じゃなかったと思います。

だからといって、いつか何かにつながるからと思ってやっていたわけでもないですけどね。そのときそのときで自分のやりたいことに全力でぶつかっていたら、結果的にいろんな点がつながって線になった感じ。

だからこれからも自分がやりたいと思ったことに嘘はつきたくない。やりたいことを全部やって人生を思い切り楽しみたいです!

編集部より

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プロフィール

山下幸輝(やました こうき)
2001年11月7日、大阪府生まれ。B型。
2020 年の第33回ジュノンボーイ・コンテスト、ファイナリストとなり俳優デビュー。’22年のドラマ『君の花になる』で注目を集める。’23年は、ドラマ『ガチ恋粘着獣』『最高の生徒~余命1年のラストダンス~』などに出演。’24年はドラマ『夫婦の秘密』『高額当選しちゃいました』に出演。主演映画『マンガ家、堀マモル』が8 月に公開予定。

撮影/友野雄、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/吉井めぐみ、スタイリング/岩田友裕、衣装協力/DAMAGE DONE 2nd