山下幸輝「こきぴあ」
大人の男を目指して! 茶道に挑戦「『一期一会』の精神から学んだこと」
月2回連載
第42回
今年で25歳になる幸輝くん。今ももちろんカッコいいですが、さらにカッコいいオトナの男となるべく、「こきぴあ」では幸輝くんにいろんなことを経験してもらおうと思います。
まず今回幸輝くんにチャレンジしてもらうのは茶道。幸輝くんの凛々しい着物姿も必見です!
この品格は家元級! 着物姿の幸輝くんをご堪能あれ
今回、幸輝くんが訪れたのは、新宿三丁目駅から徒歩2分の『Kimono Tea Ceremony MAIKOYA』。着物レンタルから茶道体験までセットで楽しめることで人気の観光スポットです。土地柄、インバウンドのお客様も多く、店内にお邪魔すると、海外からやってきた観光客で大賑わい。『MAIKOYA』では、訪日外国人客に楽しんでいただけるよう、体験教室は英語対応。なので、外国人のお友達に日本文化を楽しんでもらいたいという人にもぴったりです。
お茶室も風情ある和室で、ここが新宿のど真ん中であることを忘れるくらい静か。雑多な日常を忘れて、非日常の安らぎを堪能できる空間になっています。
幸輝くんは、もちろん茶道初体験。まずは着物選びからスタートです。
着付け部屋には、コーナーいっぱいに着物が用意されています。ここでセンスが出るのは色の合わせ方。一般的には、着物と羽織は同系色でまとめるのがオーソドックスだそう。けれど、あえて色を外してみるのもこなれ感が出て、いかにも洒落者という雰囲気。
幸輝くんも、鏡の前で合わせながら真剣な表情です。さあ、おしゃれ番長・山下幸輝が選んだ今日の一着は……?
ご覧ください。この粋な着こなし。和服を着ると、ぐっと表情も引き締まって、大人っぽい雰囲気に。推しの着物姿ほど神々しいものはこの世にありません。
着付けはスタッフの方がやってくれるので、着物を着たことがない方も安心。特に準備するものは必要なく、手ぶらで楽しめるのもうれしいポイントです。
今、世界が注目する茶道の精神とは?
ばっちり着物が決まったところで、いよいよ茶道体験がスタート。まずは先生について、茶道の歴史と心を学びます。
“日本茶の父”と言われるのが、鎌倉時代の禅僧・栄西(えいさい)。宋(当時の中国の王朝)に渡った栄西が、そこで禅の教えと茶の文化を学び、日本に持ち帰ったことから日本にも茶が広まっていったそう。当時、茶はお薬として用いられ、その覚醒効果から、禅の修行の際、僧侶たちは眠気覚ましとしてお茶を飲んでいました。
そこから今日の茶道のスタイルを確立したのが、千利休。千利休に関しては、教科書で習ったというホミも多いのではないでしょうか。安土桃山時代の茶人で、時の天下人・豊臣秀吉に重用されていたことでよく知られています。
改めてですが、禅とは仏教の一派であり、坐禅などを通して、自分の心を静め、見つめ直すもの。最近は瞑想がマインドフルネスの一環として世界的に流行しています。ウェルビーイングな生き方に欠かせない心の整え方として、禅や茶道が欧米でも注目されているのです。
お茶室の掛け軸にも、何やら立派な言葉が。
先生から「読めますか?」と聞かれ、秒で「わかんないです!」と答える幸輝くん。素直すぎて、これがクイズ番組なら逆に5000点くらいあげたい。
掛け軸に書いているのは「一期一会」。まさに茶道のおもてなし精神を表す言葉です。どんな出会いも一生に一度と捉え、心を尽くして客人をもてなす。茶道の所作はすべてこの「一期一会」の心得から生まれているのです。
たとえば、茶道で欠かせない所作といえば、お辞儀。これも亭主と客が互いに敬意を払うためのもの。なんでもお辞儀には3種類あるそうですが、今日はその中でも最も丁寧な「真」のお辞儀の仕方を先生から教えてもらいました。
まず両手を膝の上に添えます。そして、その手をそのままスライドするように畳の上に。このとき、手のひら全体を畳の上につけ、手の形を「ハ」の字にするのがポイントです。そして、ゆっくり3秒数えながら上体を深く倒し、またゆっくり3秒数えて上体を戻す。背中が丸まらないよう、背筋をまっすぐ伸ばすことも忘れずに。こうした「型」を大切にすることが、相手を敬う心の表れとなるのです。
ポイントは泡のキメ。幸輝くんが亭主に初挑戦!
そんな茶道の基礎を学んだら、さあ実践です。
お茶会を催し客人をもてなす人のことを、亭主と呼びます。まずは先生が亭主となって、お菓子を出してくれました。茶道では、お茶の前にお菓子をいただくのだそう。先に甘いものを口にすることで、お茶の苦味がよりおいしく引き立つのだとか。
今回いただいたのは、和三盆を使った干菓子と八ツ橋。ちなみにもし口に合わなかった場合は、懐紙に包んで、そっと袖口に隠すのがマナー。こういう気遣いも、実に日本らしいです。
では、次は幸輝くんと亭主となって、実際にお茶を点ててみます。
まずは釜に入ったお湯を柄杓で汲んで、抹茶の入ったお茶碗に注ぎます。柄杓の持ち方は、鉛筆を持つのと同じ要領。ただし、柄杓の柄(え)には、真ん中に節があります。この節より上に指が出ないように注意。節のあたりを親指と人差し指で挟むように持ちます。
お茶碗の真上まで柄杓を持ってきたら、肘を開くようにお湯を注ぎます。お茶碗の3分の2くらいまでお湯が入ったら、残りのお湯は釜に戻しましょう。使った柄杓は釜のヘリに掛けるようにして置きます。
次に右手で茶筅(ちゃせん)を持ち、左手でお茶碗を支えながら、抹茶がお湯に溶けるようにまずはゆっくりと混ぜます。コツは、茶筅を寝かさず立てること。茶筅の先は繊細なつくりになっているので、あまり強く押し込んで穂先を潰さないように気をつけてください。
そして、そこから手首のスナップを効かせるようにスピーディーに茶筅を動かします。茶道と聞いて頭に浮かぶのは、この動きですよね。お茶をおいしくいただくには、粉が残らないよう、ふんわりきめ細やかな泡をつくることが大事。先生から「もっとシャカシャカ!」と声が飛ぶものの、なかなか手首の動きがついてこなくて、「そこまでいけない……」と苦戦気味の幸輝くん。どうやら見た目以上に難しそうです。
でも、幸輝くんの頑張りもあって、少しずつお茶の色が濃い緑から明るい緑に変わり、まるでカプチーノのように泡が立ってきました。ここで最後の仕上げ。茶筅を少し持ち上げ、表面をそっと撫でるように混ぜて、泡のキメを揃えます。
「あ、いい香りが」と幸輝くん。確かに、茶室いっぱいにお茶の上品な香りが広がってきました。
これで出来上がり。初めて自分で点てたお茶、お味はいかがでしょうか。
知ってると一目置かれる? お茶の正しいいただき方
お茶をいただくのにも、さまざまな作法が。まずは「お点前ちょうだいします」とお辞儀をし、右手でお茶碗を持ち、左手を盆のようにお茶碗の底に添えます。そこから時計まわりに2回お茶碗をまわして、いただきます。
「わ、おいしい」と思わず感想がこぼれる幸輝くん。抹茶好きな幸輝くんですが、「僕の知ってる抹茶と全然違う。もっとすごい濃いです」とじっくり味わうように笑顔を浮かべます。
ちなみに、お茶は3回半で飲むのが作法なんだとか。この「半」が何かと言うと、お茶の席では亭主と直接話すことができるのは正客(主賓)のみ。そのため、「おいしく飲みました」というサインとして、3回で飲んだあと、最後に「ズッ」と音を立てるのです。
先生に促され、幸輝くんも最後に「ズッ」にトライ。
漫画のように綺麗な「ズッ」が出ました。思わず拍手が湧く中、幸輝くんも今日イチのドヤ顔です(笑)。
お茶碗を返すときは、口をつけた場所を指で左から右に拭います。そして懐紙の端で指を拭き、お茶碗を返します。が、このとき、もう一つやらなければいけないことが。お茶碗を今度は反時計まわりに2回まわすのです。
「さて、どうして反時計まわりに2回まわすのでしょう?」と先生からまたもやクイズが出ました。首を捻りながら、控えめに「尊敬……?」と答える幸輝くん。すると、先生から「8割正解です!」と拍手が。
要は、お茶碗には正面があり、そこがお茶碗が最も美しく見えるところ。なので、お茶をいただくときは、その正面が相手に見えるように時計まわりに2回まわし、お茶碗を返すときは正面が相手のほうに向くように反時計まわりに2回まわすのです。
こんな細かいところにも相手への敬意が表れているんですね。作法というとなんだか堅苦しく聞こえますが、根底にあるのは相手を敬い、思いやる気持ち。その精神が所作の隅々にまで行き渡っているから、茶道に通じている人は大人っぽくて品があるのだなと感じた茶道体験でした。
ちなみに撮影が終わって立ち上がろうとした幸輝くん、長時間の正座がたたって「いたたたた」と畳に崩れ落ちていました。こんな飾らない可愛さが、幸輝くんの魅力。オトナな幸輝くんをもっと見たいと思う一方、まだまだキュートな幸輝くんでいてほしいとホミの心はフクザツに揺れるのでした。
プロフィール
山下幸輝(やました こうき)
2001年11月7日、大阪府生まれ。B型。
2020
年の第33回ジュノンボーイ・コンテスト、ファイナリストとなり俳優デビュー。’
5人組ボーイズグループ・WILD BLUEとしても活動中!
≪撮影協力≫
『Kimono Tea Ceremony MAIKOYA』
▶公式ホームページ
東京都新宿区新宿5-17-13 オリエンタルウェーブビル 4F
▶インスタグラム
撮影/杉映貴子、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹