Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?

デマやフェイクニュースが増えた現状を思いますか?

月2回連載

第135回

Q.
最近、世界でもデマによって選挙や政治が動き、日本でもそういった話題が出てくるようになりました。私は明らかに扇動的なニュースは一旦、ちゃんと調べるようにしていますが、このところ、AIによる画像生成が高度化して、容易に判断できなくなっています。押井さんはそういう状況に対し、どう対処していますか?

── 今回はデマやフェイクニュースについてです。まあ、フェイクニュースを率先して発信しているトランプが大統領になったから、そういうのが増えるのは仕方がないとも思えますが。

押井 私がいつも見ているYouTubeにもフェイクニュースは五万とありますよ。その経験から最近は、サムネを見るだけでフェイクかどうかが分かるようになった。ご存じのとおり、YouTubeってサムネ次第でクリックするかどうかが決まるメディア。クリックすればそれで1回なので、サムネ詐欺というのが増えている。つまり、中身とまるで関係ないじゃないの!というチャンネルです。

── そういうの、私も見たことありますね。

押井 「習近平終了」とか「3000万人餓死」とか、昨日は「10億人餓死の危機」というのも見ましたよ。もう、そういうのばっかり。そういう中、私は匂いで分かるようになりましたけどね(笑)。

── 匂いですか……というか、そういう詐欺は放置されてるんですか? ひっかかる方が悪いってこと?

押井 そういうチェック機能がないからですよ。みなさん、広告収入に直結しているので、サムネに関しては命をかけている。最近は画像だけじゃなく文字も重要で、文字情報が増えていて、その下の画像が見えない場合だってある。煽り文句で勝負しているんです。しかも本編がやたらと長い。5分くらいに編集できるネタを40分とか50分かけて流す。

── なぜ、そんなに長くするの?

押井 長くないと広告が入らないから。10分以上ないとダメなんです。だから無理やり長くするため、同じことを繰り返す。私の場合は軍事系とゲーム系をよく見ているからアルゴリズムでそういうチャンネルばかりが紹介される。ゲームチャンネルなんて、同じゲームばかりが紹介されるから、しょっちゅうリセットしている。履歴を消せば元に戻るからね。

※続きは無料のアプリ版でお読みください

取材・文:渡辺麻紀
撮影:稲澤朝博

質問はこちらのフォームからお寄せください!