押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?

愛犬家的な視点で好きな駄犬映画があれば教えてください<後編>

月2回連載

第149回

Q.
押井さんは『スーパーマン』を観ましたか? クリプトという駄犬が大活躍する映画でした。愛犬家的な視点で好きな駄犬映画があれば教えてください!

── ジェームズ・ガンの『スーパーマン』に登場したスーパードッグ、クリプトにまつわる質問の後編です。質問者はクリプトを駄犬と呼び、そういう駄犬が活躍する映画について尋ねていますが、押井さんは「駄犬などいない。いるのはバカな飼い主だけだ」とおっしゃっています。 

押井 そう言われて最初に思い出すのは『ドッグ・ショウ!』(00)という映画ですよ。イヌを笑うというより、イヌにかかわる人間がいかに愚かしいかを描いた映画。「バカな飼い主」を描いているんです。 

『ドッグ・ショウ!』

そもそも映画に登場するのは圧倒的に“名犬”が多い。大ヒットした往年のTVシリーズ『名犬ラッシー』(54~73)とかそのいい例だよね。でも、私はそういう映画やドラマが昔から大嫌いで、唯一好きだったのはカナダが製作したドラマシリーズ『名犬ロンドン物語』(63~65)だけ。彼は人間にまつろわない(※服従しない)イヌ。行く先々で人間と関わるものの、最後は必ず旅立っていく。「うちの子になりなよ」と言われても離れていく。人間の社会では生きるものの、決して特定の人間には所属しない孤高のイヌですよ。実際にそういう放浪犬がいるのかは知らないけどね……。駄犬ねえ……思いつかないなあ。

映画の中で描かれるイヌは基本、人間に都合のいいように描かれている場合が多い。“名犬ラッシー”の時代が長いんですよ。

── アニメでは“わんわんもの”ってありますよね? 

押井 あります。ひとつのジャンルとしてあるくらい。『わんわん忠臣蔵』(63)とか『ワンワン三銃士』(81~82)とか。私もそれに倣って『わんわん明治維新』というのを鉄っつん(西尾鉄也)の絵で漫画化してTVアニメ化を目指したんだけど、実現しなかった。売れませんでしたから(笑)。“わんわんもの”の復活を目指したんですけどね。

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取材・文:渡辺麻紀
撮影:源賀津己

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