押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?
サッカーのワールドカップ、日本代表はどこまで行けると思いますか?
月2回連載
第163回
Q.
いよいよサッカーのワールドカップが始まります。押井さん、今回の日本代表はどこまで行けると思いますか? もうひとつ、日本以外で注目している国があれば教えてください!
※この取材はFIFAワールドカップ2026の開幕直前に行われました
──今回は時節柄というか、サッカーのワールドカップの質問です。
押井 気がついたらワールドカップになっていた……あんなに心待ちにしていたのに、いつの間にか明後日開催ですよ。
──押井さん、指折り数えるくらい待っていたんですか?
押井 もちろん! 私はワールドカップのために生きている人間のひとりです。『ぴあ』の表紙のイラストだって、森保(一)監督じゃないの! 善人っぽく描かれているけど(笑)。サッカーの監督で善人なんていませんから。善人はそもそもサッカーの監督はできません。
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日本の場合、最初は「こんなおっちゃんで大丈夫?」というところから始まり、勝たないと誰も褒めてくれない。外国人の監督の場合は期待値が上がっているところから始まり、途中で失望するケースが多い。日本人の監督で成功した人は滅多にいないから、この森保さんは稀な例ですよ。しかも、ついこの前まで絶好調だったから、期待されまくっているんじゃないの?
──そうですか……。
押井 麻紀さんのようなサッカーに興味のない人間にとっては“ワールドカップって何?”って感じだろうけど、はっきり言ってオリンピックの方が格下です。
──それはびっくり。オリンピックの方が歴史があるのに!
押井 違います。ワールドカップを観ている人間の方がオリンピックより全然多いんです! それこそあらゆる人種が観ている。アフリカであろうが中東であろうがアメリカであろうが。観てないのはバチカンくらいだよ、きっと。
だから、声を大にしていいますが、真の世界的スポーツ、ワールドスポーツと言えるのはサッカーだけなんです! あとは全部ローカル。世界中でサッカーの話をして通じない国はない。サッカー不毛の地と言われていたアメリカでも急激にのし上がっているからね。アメリカといえば野球、アメフト、アイスホッケーが3大スポーツ。サッカーはそこに迫る勢いなんですよ、近年は。
サッカーにはチャンピオンズリーグがあるけど、これはクラブ同士の闘い。クラブの基本は都市だから、都市対抗戦の究極のかたちと言ってもいい。でも、ワールドカップは国同士なので、ひと言でいうと“戦争”なの。実際に判定を巡って戦争になったこともあれば、チョンボした選手が帰国して殺されてしまったこともあった。
──それは押井さん、お金を賭けているからですよね?
押井 そうだよ。向こうの人は何でも賭けの対象にする。賭けのないスポーツは基本、ありません。そういう意味でも戦争になる。もう代理戦争だよ。オリンピックだって冷戦の産物なんだから、ワールドカップを“代理戦争”としてもおかしくないんです! かつてオリンピックが盛り上がっていたのは背景に冷戦があったからで、東西対決してたんですよ。
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取材・文:渡辺麻紀
撮影:源賀津己
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