森崎ウィン Aiming To Overseas
新年を迎えて いまの本音
月2回連載
第43回
明けましておめでとうございます。森崎ウィンです。
お正月からはちょっと過ぎちゃったけど、新年1発目のエッセイだからね。やっぱりこの挨拶から始めさせてください。
みんなは年末年始ゆっくり羽を伸ばせましたか。僕もちょっとお休みをいただいたので、怒濤だった2020年の疲れをほんの少し癒させてもらいました。
それにしても2020年は本当に忙しかった〜! 僕の人生史上いちばんよく働いた1年でした。コロナという世界的に大変な出来事が起きて、みんなが不安の中で過ごしてきたと思う。『ウエスト・サイド・ストーリー』が途中で中止になって悔しい思いをしたり。僕自身もいろいろあったけど、こうしてなんとか新しい年を迎えられたこと。その中でも今まででいちばん忙しかったと言えるぐらいお仕事をさせていただけたこと、本当に感謝です。
大変なことも多かったけど、個人的にはうれしかったこともすごく多かった1年で。『ミュージックフェア』をはじめ、いろんな歌番組で生歌唱をさせてもらえたことは、すごくいい経験になりました。いちアーティストとして呼んでもらえて、聴いてくれた方が「いいね」と認めてくださって。あれはすごくうれしかったな。
お芝居に関して言うと、日本アカデミー賞新人俳優賞はもちろんありがたいことではあるんですけど、「俺、賞を獲ったぞ!」という感じは実はあんまりなくて。たぶんそれは新人俳優賞をいただいたことで、次の目標ができたから。今度は最優秀主演男優賞とか、最優秀助演男優賞とか、そっちで呼んでもらえるようになりたい。俺はもっといけるぞ、と自分を奮い立たせるきっかけになったという感じです。
あとは、ささやかなことなんですけど、同じ制作会社の方が次の作品でまた声をかけてくださったり、現場で録音部の方から「前、あの現場で一緒だったよね」って話しかけてもらえたり。今までそういう経験をしたことがなかったので、なんかそれがすごいうれしかったんですよね。この業界で俺は生きているんだと実感できたというか。
結局のところ、やっぱり必要とされることがいちばんうれしいんですよ。そもそも誰かから認めてもらいたい、目立ちたいっていう気持ちがないと、芸能の仕事は続けられない。僕はそれが人一倍強いからこそ、そうやって自分の存在意義を認めてもらえることや、必要としてもらえることがなによりもうれしい。
2020年はお仕事を一生懸命頑張ったので、2021年もまた周りの人から必要とされるような仕事をやっていきたいと思います!
こうやって振り返ってみても、2020年は森崎ウィンとしても新しい始まりとなる1年で、僕自身、この1年でいろんなことが変わったと思います。「森崎ウィン」について考える機会も増えたし、これから「森崎ウィン」をどう見せていこう、どう表現していこう、ということもすごくよく考えている。
今までは、されるがままじゃないけど、人から提示してもらったものを自分なりに解釈して表現するという感じだったんですけど、アーティストとしてやっていくからには、やっぱり自分はこうしたいという意見をちゃんと言っていかないと、っていう気持ちがあって。
もともと人に全部お任せしますというよりも、全部自分で首を突っ込みたい性格なのもあるけど。音楽にしても、お芝居にしても、自分の作品として一生残るもの。だからこそ、ひとつひとつの仕事を大事にしたいし、それこそいつ仕事がなくなるかなんてわからないんだから、ちゃんと自分の血が通ったものにしたいという気持ちが前よりもずっと強くなりました。
わかりやすく言うと、いつか自分の子どもができたときに、見せても恥ずかしくないものを残していきたい。そんなふうに考えるようになりました。その分、もしかしたら周りに迷惑をかけることになるかもしれないけど、自分が嫌だと思ったことはやらない方がいいのかなって考えるようになったりとか。自分の直感を信じるということを、今までより意識するようになったと思います。
自分でも今、どんどん自分が変わっていっているんだなって感じているので。そんな心の内をこのエッセイでは発信していきます。
森崎ウィンの本音を話せる場所として、2021年もよろしくお願いします!
森崎ウィンでした!
Q.忙しい毎日だとお思いますが、アニメを見る時間はありますか??最近ハマっているアニメがあればぜひ教えてください!(しゅんまみ さん)
A.『憂国のモリアーティ』が面白かったです。19世紀末のイギリスが舞台で、貴族社会がつくった階級制度を主人公が打ち砕こうとする話なんですけど、この主人公が犯罪者なんですよ。そこがまず面白くて。しかも話が進んでいくと、あのシャーロック・ホームズが出てきて、今度はホームズの目線から物語が展開していく。これ以上話すとネタバレになっちゃうから、ぜひ観てください(笑)。
Q.SF映画術の配信見ました!肌いつも綺麗なウィン君だけど、どうやってニキビ作らないようにしてますか?w(こまり さん)
A.いいメイクさんに出会うことです(笑)。まあ、それは冗談として、全然肌は綺麗じゃないですよ。強いて言うと、しんどいときはビタミン剤をとるようにしているかな。あとは夜は塩分をとらないようにしているくらい。と言っても、つい飲んじゃうから、次の日の朝は顔がパンパンになっているんだけど(笑)。全然参考にならない答えでごめんなさい!
Q.ウィンくんに質問します。
弟さん👦について、思い出だったり、してあげた事、年が離れていることについての思いだったりをよろしければ教えて下さい!
ウィン君の兄弟愛💖を私達ファンも感じることができれば嬉しいです。すごく可愛がっているのは知っております。😊
(ぴあニスト0886592 さん)
A.弟が小さいときはよくオムツを替えていました。あと、最近ちょくちょくLINEが来るんですよ。ありがたいことに、今、『パレード – PARADE』がCMで使われていて。それで、「CM見たよ」って報告してくれたり。LINEってプロフィールのところに、一言つぶやけるスペースがあるじゃない? あそこにも「お兄ちゃんが頑張ってるからうれしい」って書いてて。うれしくて「いいこと言うじゃん、ありがとうね」と送りました。
引き続き、みなさんからの質問を募集しております!コメント欄にぜひ書き込んでくださいね。
プロフィール
森崎ウィン
1990年生まれ、ミャンマー出身。小学校4年生の時に日本へ渡る。2008年よりダンスボーカルユニット・PRIZMAX(現、解散)のメインボーカルとして活躍した。俳優としても様々な映画、ドラマ、舞台に出演し、2014年には『シェリー』で映画初主演を務める。2018年、日緬共同制作映画『My Country My Home』に出演、そのスピンオフであるドラマ版『My Dream My Life』では主演を務め、現地のテレビ局mntvで冠番組「Win`s Shooow Time!」を持ち、様々な広告に出演するなどミャンマーで大ブレイク。スティーブン・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー1』のオーディションでメインキャストであるダイトウ/トシロウ役に抜擢され、ハリウッドデビューを果たした。近年の映画出演作に、 『海獣の子供』『トゥレップ』『蜜蜂と遠雷』(19)、『キャッツ』(20)などがある。映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。またメ〜テレ制作の連続ドラマ『本気のしるし』(19)にて初の連ドラ主演を果たした。2020年は世界中で再演を重ねているミュージカルの金字塔「ウエスト・サイド・ストーリー」の日本キャスト版Season2(主演:トニー役)に出演。
撮影/高橋那月、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/KEIKO、スタイリング/添田和宏、
衣装協力/ブルゾン¥45,000、パンツ¥30,000/ともにカインダ ガーデン(アーバンリサーチ iD 渋谷パルコ店TEL:050-2017-9046)
ベスト¥35,000/ブラウンズ ビーチ ジャケット×フリーマンズ スポーティング クラブ(フリーマンズ スポーティング クラブ ギンザ シックス TEL:03-6263-9924)
タートルニット¥7,800/ワーク ノット ワーク(アーバンリサーチ TOKYO TEL:03-5288-8581)
ブーツ¥26,000/ブランドストーン(アーバンリサーチ ドアーズ ルミネ新宿店 TEL:050-2017-9062)
その他スタイリスト私物
※すべて税抜き価格