森崎ウィン Aiming To Overseas

ファンがいるってすごいこと 味方がいる心強さを実感しています

月2回連載

第85回

こんにちは。森崎ウィンです。

『ピピン』、応援ありがとうございました!

今の気持ちは、『ピピン』という作品に出会えて本当に良かった。それがいちばんです。

中止期間を経て、大阪公演の初日の幕が開いたとき、号泣しちゃって。あのスタンディングオベーションを見たとき、うわーって気持ちがこみ上げてきたと思ったら、もう止まらなかったですね。あれはやばかったです。やって良かったって心から思いました。

大千秋楽のあと、プリンシパルキャストがそれぞれ挨拶したんですけど、僕は最後だからもう言いたいことは全部みんなにとられちゃって(笑)。だから、みんなに伝えたのは「オケに拍手を。スタッフに拍手を。ピピンに拍手を。そして海外にいるチームに拍手を。本当にありがとうございました。また会いましょう」。それだけ! それが、僕の言いたいことのすべてでした。

とにかく『ピピン』という作品が好きだし、カンパニーのみんなが大好きだった。舞台経験豊富な方たちが多かったんですけど、みんなが口を揃えて言うんですよ、「これだけの舞台はなかなかない」って。みんながやりがいを持って作品に携わっていたし、周りにどれだけこの作品をやりたいと思ってる人がいるかということも改めてよくわかった。本当に恵まれた経験をさせてもらえたし、そんな経験ができた自分はラッキーだなと思いました。

僕はもともと再演はあまりしたくない人間だったんですよ。それは、自分が再演をやれる人間じゃないと思っていたからなんですけど。でも『ピピン』は終わった瞬間にまたやりたいって純粋に思った。まだやれることはいっぱいあるなと思ったし、もう1回チャレンジしたいと思った。いろいろ節制をしたり、すごく頑張ったからこそ、思い入れも深いというか。これだけ時間をかけてひとつの作品に準備できることってなかなかないじゃないですか。改めて舞台って贅沢だなと思いました。

それに、うれしいこともあって。『PLAYBILL』という、ブロードウェイの人たちがミュージカル作品をチェックするときに必ず見るというサイトがあって、そこに僕の写真と動画を載せてもらえたんです。しかも、普通はオープニングのグループショットとか、大勢の人が写ってる写真が掲載されるものなんですけど、『ピピン』では僕が歌ってるソロカットを載せてもらえました。歌っているシーンの動画もあって。日本の俳優がソロで載るって相当珍しいことらしく。少なくともシアターオーブで上演した作品の中では僕が初めてだそうです。

それがうれしくて。ひとつ認めてもらえたのかなという気持ちになったし、いずれブロードウェイの舞台にも立ってみたいなという挑戦心が湧いてきました。カンパニーのみんなとも話してたんですよ。このメンバーでブロードウェイに行きたいねって。で、あえて日本語のまま、向こうでみんなで『ピピン』をやる。それってめっちゃカッコいいじゃないですか。まだまだ遠い夢かもしれないですけど、またひとつ叶えたい夢ができて、すごく今は前向きな気持ちです。

もちろん公演が中止になったときはヘコみました。でもそれも含めて、やっぱり生の舞台はいいなと思った。舞台は、劇場に行かなくちゃ観られない。自分の好きな時間に好きな作品にアクセスできる時代にそれってすごく不便だけど、同じ時間と場所を共有できる喜びは何にも代えがたくて。今回も、本当にたくさんのCREWのみんなが足を運んでくれたことが僕の力になりました。

公演が中止になったときも、なんとか大千秋楽を迎えることができたときも、みんなが温かいコメントをいっぱいくれて。本当、その一言一言に励まされてやり遂げられたと言っても全然言い過ぎじゃないです。

この間、ある人から言われたんですよ、「ファンがいるってすごいことだよ」って。そう言われて本当にそうだなと思って。応援してくれる人がいるから、僕はこの仕事を続けられる。味方がいると思えるって、本当に心強いです。

そういうみんなの存在を改めて強く感じられるのが舞台の良さだなと思いました。今回、みんなからもらったものをエネルギーに変えて、また次の仕事に挑みます。

僕が走り続けることで、みんなにまた新しい景色を見せたいなと思っているので、これからもついてきてください。

森崎ウィンでした!

★編集部より★
森崎ウィンさんファンクラブのほうでは、今週はウラバナシを更新! ウィンさんが毎日どんな日々を過ごしていたのかが読めちゃいます!

ファンクラブ入会はこちら

プロフィール

森崎ウィン

1990年生まれ、ミャンマー出身。小学校4年生の時に日本へ渡る。2008年よりダンスボーカルユニット・PRIZMAX(現、解散)のメインボーカルとして活躍した。俳優としても様々な映画、ドラマ、舞台に出演し、2014年には『シェリー』で映画初主演を務める。2018年、日緬共同制作映画『My Country My Home』に出演、そのスピンオフであるドラマ版『My Dream My Life』では主演を務め、現地のテレビ局mntvで冠番組「Win`s Shooow Time!」を持ち、様々な広告に出演するなどミャンマーで大ブレイク。スティーブン・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー1』のオーディションでメインキャストであるダイトウ/トシロウ役に抜擢され、ハリウッドデビューを果たした。近年の映画出演作に、『海獣の子供』『トゥレップ』『蜜蜂と遠雷』(19)、『キャッツ』(20)などがある。映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。またメ〜テレ制作の連続ドラマ『本気のしるし』(19)にて初の連ドラ主演を果たした。2020年は世界中で再演を重ねているミュージカルの金字塔「ウエスト・サイド・ストーリー」の日本キャスト版Season2(主演:トニー役)に出演。

撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/KEIKO、スタイリング/千葉良、衣装協力/パンツ ¥41,800、ジャケット ¥59,400/ともにハビィー(ハビィー TEL03-6555-5451)
サンダル ¥10,780/シャカ、サングラス¥5,830/エキアビド(ともにブルームーンカンパニー TEL03-3499-2231)
ネックレス ¥49,500、バングル ¥135,000/ともにシンゴクズノ(シアン PR TEL:03-6662-5525)
その他スタリイスト私物


「ごひいき」登録が便利です!

ぴあアプリでは、お好きなアーティストを登録していただくと、アプリTOPページでそのアーティストの公演情報などを入手次第お知らせいたします。ご登録をお願いします!

【登録の方法】
1. 下記アーティスト名をタップし、アーティストページを開く
2. アーティストページの名前の右 赤い「ごひいき」ボタンをタップ
以上です。これですぐ登録されます。