森崎ウィン Aiming To Overseas
新曲『ネバネバ』と『Breathing』制作秘話 歌詞にも思いを込めています
月2回連載
第130回

こんにちは。森崎ウィンです。
僕の新曲『ネバネバ』が発表されました! これは、10月から放送されるテレビアニメ『科学×冒険サバイバル!』のオープニングテーマになっています。原作である「科学漫画サバイバル」シリーズは世界累計3500万部という、世界中のいろんな子どもたちから親しまれている学習漫画。これまで2度劇場映画化された人気の作品で、今回、初めてテレビアニメ化されました。そのオープニングテーマを担当させてもらえるということで、お話をいただいたときはものすごく光栄でした。
『科学×冒険サバイバル!』は異常気象、新型ウイルスといった様々な困難に、子どもたちが科学の力を使い勇気と知恵を振り絞って立ち向かっていくお話です。その絶対にあきらめない精神が素敵だなと思って、前を向いて突き進んでいくパワーを歌でも表現したいなと思いました。
そこで、作曲には『パリピ孔明』の『MID DAY』でお世話になったKOSENさんのお名前を僕のほうから挙げさせてもらって。KOSENさんとまたご一緒したかったというのもあるし、『MID DAY』もそうですが、KOSENさんの曲は疾走感があってオープニングにぴったりだなと。

で、KOSENさんの書いた曲に僕が詞をつけたんですけど、いつもと違うのは、やっぱりタイアップということで、『科学×冒険サバイバル!』を観る視聴者層をイメージしつつ書いたことですね。
主人公たちと一緒に冒険を楽しむ子どもたちに響く歌詞でありながら、単に子ども向けじゃなく、大人たちにも刺さるメッセージにしたかった。インターネットが普及してすごく便利になった反面、今の世の中っていろんな情報が錯綜していて、本当のことや大切なことが見えにくくなっている気がするんですよ。そんな今の時代に必要なのは、リテラシー。ちゃんと本質を見極める目を持ってサバイブしていこうという想いを詞に込めました。
そういう意味でも、僕のイメージに合った前向きな曲になったんじゃないかなと思います。『科学×冒険サバイバル!』の放送は10月5日から。楽曲のリリースは、TVサイズが10月6日から、フルサイズは10月23日からデジタル配信がスタートします。
MODULATIONの大阪公演に来てくれた人はライブでの歌唱も聴いてくれたと思いますが、どうだったかな? 感想ぜひ教えてほしいです。

あと、ムロくん(松室政哉)とコラボした『Breathing』も聴いてくれましたか。こっちは僕が書いた詞を叩き台にしながら、ムロくんと二人で話し合いながら完成させました。
この曲は、厳しい現実の中でもがきながら、それでもほんのわずかな希望を信じるというような歌詞で、『ネバネバ』とはまた違う意味で僕らしい詞になったかなと(笑)。『ネバネバ』が表に見せる森崎ウィンだとしたら、『Breathing』はその裏に隠したもう一人の森崎ウィン。でも、どっちも僕なんだよなと最近しみじみ感じています。
ムロくんとつくる際、もう一つ候補の曲があって。その曲は、それこそ表の森崎ウィンらしい明るい曲だったんですけど、せっかく一緒にやるならこっちがいいよねと二人の意見が一致したのがこの『Breathing』でした。
実はこの詞は30分くらいで書いたんですよ。まず曲をもらったときに、直感的に浮かんだのが「生きるための光を探したい」というイメージで。そこからそれをどう歌詞にすればいいのか考えていたんだけど。
その日は早めに寝ようと思って23時半くらいにベッドに入って。でも、ベッドの中でもムロくんのつくってくれた曲が頭から離れない。で、ずっとゴロゴロしてたんだけど、夜中の3時くらいに「書けるかも」ってパッと何かが降りてきて。

僕は、家の中だとキッチンが集中できるスペースで、よく台本なんかもキッチンに椅子を置いて覚えるんだけど、そのときもベッドから出てきて、キッチンでバーッと頭に浮かんでくるフレーズを書きとめて出来上がったのが、今回の歌詞です。そこからムロくんに見てもらって、細かいワードの調整はあったけど、軸となるストーリーはほぼそのまま。意外と書けるものなんだなって、自分でもちょっと驚いた経験でした。
詞はまだまだ勉強中だけど、昔に比べると少しは書けるようになってきたんじゃないかなって自信がつきはじめています。詞に限らず、写真でも何でもそうだけど、とにかくやってみて、いろんな人のリアクションをもらいながら、少しずつ力をつけて、成功体験を積んでいくことが上達の近道。これからも恐れず、チャンスをいただいたならどんどん挑戦していきたいなと思いました。
この秋は『ネバネバ』と『Breathing』、まったく違うこの2曲を通して、僕の世界をみんなに楽しんでもらえたらうれしいです。
森崎ウィンでした!
★編集部より★
森崎ウィンさんファンクラブのほうでは、今週はダイアリーを更新!
プロフィール
森崎ウィン
1990年生まれ。ミャンマーで生まれ育ち、小学校4年生の時に来日、その後中学2年生の時にスカウトされ、芸能活動を開始。
2008年にダンスボーカルユニットに加入し、メインボーカルを担当。俳優としても様々な役を演じ活躍する中で、2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の新作「レディ・プレイヤー1」で主要キャストに抜擢され、ハリウッドデビューを果たす。その後も数多くの映画やドラマに出演し、2020年に映画「蜜蜂と遠雷」で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞。主演を務めた連続ドラマ『本気のしるし』では釜山国際映画祭2021のASIA CONTENTS AWARDSにてBest Newcomer-Actor賞を受賞。その劇場版は第73回カンヌ国際映画祭「Official Selection2020」作品に選出。
また、ミュージカルの世界でも映画版『キャッツ』(20年日本公開)ではミストフェリーズ役の吹替えを担当。20年ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2で主演トニー役、21年ミュージカル『ジェイミー』(21年)で主演ジェイミー役を務めたほか、2022年に東急シアターオーブで開催予定のブロードウェイミュージカルの名作中の名作「ピピン」日本公演の単独主演、2023年には、ミュージカル『SPY×FAMILY』で主演のロイド役を務めるなど活躍中。
2020年、アジアから世界に発信するエンターテイナー“MORISAKI WIN”として7月1日に「パレード - PARADE」でメジャーデビュー。「パレード - PARADE」はスズキソリオバンディットCMソングに起用され、音楽配信チャート1位を獲得するなど話題に。5月26日には、1stアルバム「Flight」をリリースし、5つの音楽配信サービスで1位を獲得。2022年には、世界を意識した海外作家を起用したシングルのリリースを重ねる中、「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の主題歌も担当し、アーティストとしても幅広い活躍を魅せる。
また、2018年より母国ミャンマーで観光大使を務め、現地でもドラマの主演やCMに数多く出演し圧倒的な知名度を誇る。
撮影/友野雄、文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/KEIKO、スタイリング/岩田友裕、衣装協力/DAMAGE DONE DAMAGE DONE 2nd、GODSIZE