森崎ウィン Aiming To Overseas

やっと少し自分に自信が持てました 今年は急がずにいきたい

月2回連載

第136回

こんにちは。森崎ウィンです。

2025年1本目のエッセイです。みんな、年末年始はゆっくり休めましたか。今年は連休が長かった分、まだ休みボケが抜けない…という人も多いんじゃないかな。人間だから調子が出ないときもあるよね。あまり無理せず、のんびりマイペースにやっていきましょう!

僕はと言うと、1月24日からスタートの『クジャクのダンス、誰が見た?』の撮影に入っています。去年ラストのエッセイで「まだ発表できないお仕事のお知らせがあるんですよ」と書いたのはこの作品で、僕は波佐見幸信という弁護士を演じます。

このドラマ、僕にとってはいろんな縁を感じるところがあって。まず一つは、『どうする家康』以来の松山ケンイチさんとの共演です。以前、松ケンさんとはきっとまたどこかの現場でお会いできる気がするってエッセイにも書いたけど、早速、予感的中です(笑)。波佐見は、松ケンさん演じる松風義輝の幼なじみということで、『どうする家康』以上に松ケンさんと一緒にお芝居できる場面もありそうで楽しみ! とても面白い方なので、もっと仲良くなれたらいいなと思うし、前にもここで書いた通り、松ケンさんに褒めてもらえるよう、お芝居も全力でぶつかっていきたいと思います!

プロデューサーは、『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』でご一緒した中島啓介さん。『じぞ恋』のときに「またご一緒したいです」という話をしていたので、こうして新しい作品に呼んでいただけたことがうれしいし、脚本の金ちゃん(金沢知樹)とは、実は昔、EBiDANの舞台でご一緒したことがあるんです。それがもう今から15年も前なので、月日の流れを感じるというか。お互いエンタメの世界で頑張ってきて、またこうして一緒に作品をつくれるってすごいことだし、本当にありがたいことだなって感じています。

金ちゃんはNetflixの『サンクチュアリ -聖域-』なども書いている、今人気の脚本家さん。今回も脚本が本当に面白くて、僕も犯人が誰かまったく知りません。きっと最終回まで気になって見逃せない予測不可能のミステリーになっているはず。ぜひ初回のオンエアを楽しみに待っていてください。

さて、2025年1発目ということで、改めて去年の振り返りをしつつ今年の抱負を述べられたらと思うんだけど、はじめにのんびりマイペースでやっていきましょうと書いたのも意味があって。僕の今年のテーマは「急がない」なんですよね。

僕はずっと自分に対して焦り続けていたというか、目指す場所に向けて「早くここに行きたい」「早くここに行きたい」という気持ちが強すぎて、ちょっと生き急いでいるようなところがありました。それはそれでいい面もあるんだけど、逆になかなか理想に辿り着けない自分に対して責めてしまうというか、ちゃんと自信を持てないところがあって。特に舞台であったり、1日限りのライブであったりというお仕事は、生の楽しさがある反面、映像として残らない儚さもあって、自分の中でちゃんと経験を積み上げられている実感をうまく持てずにいたんです。

でも、『(LOVE SONG)』でタイでお仕事をしたときに、監督含めて、スタッフのみなさんが「ウィンの芝居はすごいよ」と褒めてくれたんですよ。それがすごくうれしくて。目標だった海外作品で、僕のことを知らない人たちが見てもちゃんと通用するだけの力量が自分にあるんだって自信になりました。

正直、僕は自分のことをまだまだの役者だと思っているし、今でも作品が続くと自分の引き出しの少なさに打ちのめされることだらけ。自分の出ている映像を観ると反省ばっかりで、全然満足できないんですけど。『(LOVE SONG)』の打ち上げのときにいろんな人が「ウィンならもっと海外の作品で勝負できる」と応援してくれて。なかなか自覚を持てずにいたけど、ちゃんと今までやってきた経験が技術として身についているんだなって自分のことを認められたんです。それが僕の中では大きくて。焦る必要はない、ちゃんと一つ一つ一生懸命やっていれば、必ず自分の力になるって素直に思えるようになりました。

なので、今年は急がずにいこうと。特に今年は大きなミュージカルが2本あって、どちらも今の自分のレベルのさらに上をいかないといけないな、と思える作品だけど、たとえその中で壁にぶつかることがあったとしても、今すぐできなくていいから、もがいてる瞬間瞬間も全部糧に変えて、自分に落とし込んでいこうと思っています。なんでもちょっとずつでいいんだよね。ちょっとずつでも、ちゃんと前に進んでいれば、いつか目指す場所に辿り着けると思うから。

2025年は、焦らず、だけど立ち止まらず、僕のペースで進んでいきたいと思います。そんな森崎ウィンをどうぞよろしくお願いします! みんなの今年の目標もまたコメントで教えてね。

森崎ウィンでした!

★編集部より★
森崎ウィンさんファンクラブのほうでは、今週はダイアリーを更新!

ファンクラブ入会はこちら

プロフィール

森崎ウィン

1990年生まれ。ミャンマーで生まれ育ち、小学校4年生の時に来日、その後中学2年生の時にスカウトされ、芸能活動を開始。
2008年にダンスボーカルユニットに加入し、メインボーカルを担当。俳優としても様々な役を演じ活躍する中で、2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の新作「レディ・プレイヤー1」で主要キャストに抜擢され、ハリウッドデビューを果たす。その後も数多くの映画やドラマに出演し、2020年に映画「蜜蜂と遠雷」で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞。主演を務めた連続ドラマ『本気のしるし』では釜山国際映画祭2021のASIA CONTENTS AWARDSにてBest Newcomer-Actor賞を受賞。その劇場版は第73回カンヌ国際映画祭「Official Selection2020」作品に選出。
また、ミュージカルの世界でも映画版『キャッツ』(20年日本公開)ではミストフェリーズ役の吹替えを担当。20年ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2で主演トニー役、21年ミュージカル『ジェイミー』(21年)で主演ジェイミー役を務めたほか、2022年に東急シアターオーブで開催予定のブロードウェイミュージカルの名作中の名作「ピピン」日本公演の単独主演、2023年には、ミュージカル『SPY×FAMILY』で主演のロイド役を務めるなど活躍中。
2020年、アジアから世界に発信するエンターテイナー“MORISAKI WIN”として7月1日に「パレード - PARADE」でメジャーデビュー。「パレード - PARADE」はスズキソリオバンディットCMソングに起用され、音楽配信チャート1位を獲得するなど話題に。5月26日には、1stアルバム「Flight」をリリースし、5つの音楽配信サービスで1位を獲得。2022年には、世界を意識した海外作家を起用したシングルのリリースを重ねる中、「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の主題歌も担当し、アーティストとしても幅広い活躍を魅せる。
また、2018年より母国ミャンマーで観光大使を務め、現地でもドラマの主演やCMに数多く出演し圧倒的な知名度を誇る。

撮影/梁瀬玉実、文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/吉井めぐみ、スタイリング/岩田友裕、衣装協力/GARNI