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森崎ウィン Aiming To Overseas

『クジャクのダンス、誰が見た?』僕が粋だなと思う人は「生き方が自然体な人」

月2回連載

第140回

こんにちは。森崎ウィンです。

『クジャクのダンス、誰が見た?』もいよいよ佳境に入りました。みなさんからの反響、僕たちにもしっかりと届いています。最近、どこの現場に行っても「ドラマ観てるよ」と言ってもらえて。この間、プライベートでお寿司を食べに行ったら、そこでも目の前で握ってくれた板前さんが「ドラマ観てます。犯人教えてください」と声をかけてくれました。「僕もまだ知らないんですよ」と答えましたけど(笑)。

今って本当にたくさんのドラマが毎クール放送されていますが、こんなふうに話題にしてもらえて、自分たちも面白いものをつくっていると胸を張れる作品に参加できるのって、本当に運でしかないんです。どんなに実力がある人でも、なかなかその運を掴めないのがこの世界。僕の場合、今回はプロデューサーの中島(啓介)さんと以前、『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』という作品でお世話になって。そこからのご縁で、こんなにも素敵な作品にこんなにもいい役どころで出させてもらって、本当に感謝しかないなと改めて感じています。

毎回言ってるけど、本当、人生に無駄なことなんて一つもないんだなって。一つひとつのことを一生懸命やることが夢への一番の近道。というか、それ以外に道はないんですよね。だから、いつか中島さんに恩返しできるようにまた頑張っていきたいし、これからも僕を選んでくれた方に「ウィンくんを呼んで良かったな」と言ってもらえる仕事をしていきたいと思います。

『クジャクのダンス、誰が見た?』は、ひと言で言うと愛のある現場でした。僕の役も出番自体は決してそんなに多いわけではないんですけど、ちゃんと印象に残るように演出をしてくださって。「ご、ご、ご、午後はダルい〜♫」も、台詞自体はもともと台本に音符がついていたから、これは歌えということなんだなと思ってやってみたんですよ。でも、そのあとの「じゃ、じゃ、じゃ、じゃがいも固い〜♫」は僕のアイデアというか。ノリでやってみたら、そのまま使われていました。事務所のシーンはわりとそんなふうに現場で膨らませてつくっていくものが多かった気がします。

「ポーンと丸投げ」と言って、テル(松風義輝/演:松山ケンイチ)に机の上にあった物を投げて、それをテルが僕に投げ返すというのもアドリブです。ここでこう投げるね、という話だけ事前にしておいて、本番では一発オッケー。松山さんからのパスを僕も片手で綺麗にキャッチしていて。我ながら、あそこは一発でよくうまくいったなと思いました(笑)。

そんなふうにのびのびとやれたのも、松山さんのおかげ。『どうする家康』で一度ご一緒していたというのも大きかったけど、しっかりコミュニケーションをとりながら一つひとつのシーンをつくっていく方で、僕が何をやっても受け止めてくれる器の大きさみたいなものを感じました。いただいた電動ドライバーは忙しくて、まだ使えていないんですけど(笑)。いつか僕もあのドライバーでDIYにチャレンジしたいと思います!

ちなみに僕の演じる波佐見の口癖といえば「粋」ですが、僕が粋だなと思うのは、生き方が自然体の人。自分の芯があって、周りに流されず、ちゃんと意見を言えて、でも傲慢ではない。相手によって態度を変えるのではなく、誰に対しても同じ態度で接することができる人は粋だなと思います。松山さんは、まさにそんな人。僕も強がらず、繕わず、どんなときも自然体でいられたらと最近しみじみ思うようになりました。

あ、でもそういう意味でちょっとうれしかったのが、最初に書いたお寿司屋さんの話に戻るんだけど、仲の良い友達と一緒だったし、全然気の張ったカッコをしてたわけでもなくて、頭もボサボサで、本当、素の僕のまんまで食べていたんですよ。そしたら、その板前さんが「テレビで観る印象と全然変わらないですね」と言ってくれて。そもそも僕はバレてないと思っていたから、「あ、バレてたんだ」ってちょっと恥ずかしかったんですけど。そんなふうに「変わらない」と言ってもらえるのって、実はありがたいことなんじゃないかなと思ったんです。

だって嫌じゃないですか。人目につくところだけいい顔をして、裏では態度が悪いとか。「変わらない」ってことは、どんなときも自然体で嘘がないということ。そう考えたら、僕も僕なりにちょっとずつ自分の思う「粋」に近づけているのかな、なんて勝手にプラスに考えていました。

虚勢を張っても疲れるだけだしね。むしろそれって自信がない表れだから。見栄を張らず、いきがらず、どこに行っても誰といても、僕は僕でいたいなと。そんな「粋」な男になれるよう、これからも精進していきたいと思います。

森崎ウィンでした!

★編集部より★
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プロフィール

森崎ウィン

1990年生まれ。ミャンマーで生まれ育ち、小学校4年生の時に来日、その後中学2年生の時にスカウトされ、芸能活動を開始。
2008年にダンスボーカルユニットに加入し、メインボーカルを担当。俳優としても様々な役を演じ活躍する中で、2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の新作「レディ・プレイヤー1」で主要キャストに抜擢され、ハリウッドデビューを果たす。その後も数多くの映画やドラマに出演し、2020年に映画「蜜蜂と遠雷」で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞。主演を務めた連続ドラマ『本気のしるし』では釜山国際映画祭2021のASIA CONTENTS AWARDSにてBest Newcomer-Actor賞を受賞。その劇場版は第73回カンヌ国際映画祭「Official Selection2020」作品に選出。
また、ミュージカルの世界でも映画版『キャッツ』(20年日本公開)ではミストフェリーズ役の吹替えを担当。20年ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2で主演トニー役、21年ミュージカル『ジェイミー』(21年)で主演ジェイミー役を務めたほか、2022年に東急シアターオーブで開催予定のブロードウェイミュージカルの名作中の名作「ピピン」日本公演の単独主演、2023年には、ミュージカル『SPY×FAMILY』で主演のロイド役を務めるなど活躍中。
2020年、アジアから世界に発信するエンターテイナー“MORISAKI WIN”として7月1日に「パレード - PARADE」でメジャーデビュー。「パレード - PARADE」はスズキソリオバンディットCMソングに起用され、音楽配信チャート1位を獲得するなど話題に。5月26日には、1stアルバム「Flight」をリリースし、5つの音楽配信サービスで1位を獲得。2022年には、世界を意識した海外作家を起用したシングルのリリースを重ねる中、「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の主題歌も担当し、アーティストとしても幅広い活躍を魅せる。
また、2018年より母国ミャンマーで観光大使を務め、現地でもドラマの主演やCMに数多く出演し圧倒的な知名度を誇る。

撮影/梁瀬玉実、文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/吉井めぐみ、スタイリング/岩田友裕、衣装協力/GARNI