森崎ウィン Aiming To Overseas

「森崎ウィンって何者なんだ?」と思われているかもしれないけど、未知のことにもどんどんトライしていきたい

月2回連載

第143回

こんにちは。森崎ウィンです。

あっという間に5月も最終週。みんな元気に過ごしていますか。僕はと言うと……めちゃくちゃ忙しい!(笑)

4月の末にミュージカル『ウェイトレス』の東京公演が終わって、そこから5月は愛知、大阪、福岡と各地をめぐりながら、合間にいろいろと別のお仕事もさせていただきました。

中でも印象深かったのが、『MUSIC AWARDS JAPAN』のMC! これだけ錚々たるアーティストのみなさまに囲まれながら自分がMCをやらせてもらえるなんて少し前までは考えられなかったので、緊張したけど、すごく楽しかったです。

MCって本当に難しいんですよ。特に大変だなと思ったのが、短いフレーズで簡潔に自分の想いを伝えること。たとえばアーティストの方のパフォーマンスが終わって、MCがその感想を言うとします。大体そういうのって、30秒とか尺が決まってるんですね。その中で何を伝えるか。やっぱりありきたりの言葉じゃつまらないわけです。特に僕ももう34歳ですから、僕ならではの切り口とか表現がないと。それには言葉を知らないとダメで。だからと言って、小手先の言い回しだけにこだわっていると、コメントが薄くなっちゃう。当然、誰かを傷つけたり失礼になる言い方はしちゃいけないし。考えれば考えるほど、奥の深い仕事だなと思いました。

芝居に歌にバラエティにMC。最近はどんどん自分の仕事の幅が広がっていって。きっとよく知らない人からしたら「森崎ウィンって何者なんだ?」と思われているかもしれない(笑)。でもそれも悪くないなって思うんです。

というのも、今、『ウェイトレス』でご一緒しているLiLiCoさんも、あんなに歌がお上手だということを『ウェイトレス』を観るまで知らなかった人も結構いるみたいで。たぶんテレビを観ている人にとっては『王様のブランチ』で映画の紹介をしているイメージが強いと思うんですけど、もともとデビューは歌手だったんです。しかも、結構いろんな苦労をされていて。そういういろんな経験があって、今のLiLiCoさんがいるわけじゃないですか。

そんな感じで、僕もいろんなことをやっているけど、全部がきっといつかどこかで何かにつながるんだろうなという気がしていて。だから、未知のことにも最初からできない言い訳を探すんじゃなくて、楽しみながらどんどんトライしていきたいなと思っています。

ということで、機会があれば、MCはこれからもチャレンジしていきたいなと。目標は大きく、自分の冠番組を持ちたい! 1対1のトーク番組形式も面白そうだし、いろんなゲストが集まってその場を仕切るみたいなかたちもやりがいがありそう。MCスキルも磨いていきたいと思うので、どこかのエラい方がこれを読んでいたら、ぜひ森崎ウィンをよろしくお願いします(笑)。

あと近況で言うと、『ウェイトレス』でいろんな地域を訪れながら、おいしいものをいただいています。愛知ではタイ料理。博多では馬肉の焼き肉。大阪では共演の山西(惇)さんオススメの演劇人行きつけのお店に連れていってもらって、山西さんからいろんなお話を聞かせてもらいました。昔は大勢の人とワイワイ飲むのが好きだったけど、最近は同じ飲むなら自分が話を聞きたい人とじっくり飲ませてもらうほうがいいなと思っていて。で、僕からラブコールをかけさせていただいたのが山西さん。

お話を聞いて改めて思いましたが、本当に魅力的な方なんです。京都大学を卒業して、会社員をしながら芝居を続けていて、そこから俳優1本でやっていくようになったときのこととか、いろいろ聞かせていただいたんですけど、本当に勉強になることだらけで。お芝居って、やっぱりその人の生き方が出るんですよね。その人がどういう人かなんてお客さんは知らないのに、その人がどう生きてきたかが芝居ににじみ出る。だからつい演じる役に惹き込まれるわけで。芝居を磨くということは、生き方を磨くことなんだなと最近実感します。

だからこそ、いろんな人の人生を知るのって勉強になる。お酒は、その人の人生を聞くにはうってつけの場。最近は人を知るためにお酒を飲んでいます。そうやって人生というものを学ぶことで、僕の表現にも深みや奥行きが出ればいいなと思ったりして。年齢を重ねてもなお人生は学ぶことだらけだなと改めて感じる今日のこの頃です。

山西さん、素敵なお話をたくさんありがとうございました。大千穐楽まであと残りわずかですが、最後までよろしくお願いします!

森崎ウィンでした。

★編集部より★
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プロフィール

森崎ウィン

1990年生まれ。ミャンマーで生まれ育ち、小学校4年生の時に来日、その後中学2年生の時にスカウトされ、芸能活動を開始。
2008年にダンスボーカルユニットに加入し、メインボーカルを担当。俳優としても様々な役を演じ活躍する中で、2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の新作「レディ・プレイヤー1」で主要キャストに抜擢され、ハリウッドデビューを果たす。その後も数多くの映画やドラマに出演し、2020年に映画「蜜蜂と遠雷」で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞。主演を務めた連続ドラマ『本気のしるし』では釜山国際映画祭2021のASIA CONTENTS AWARDSにてBest Newcomer-Actor賞を受賞。その劇場版は第73回カンヌ国際映画祭「Official Selection2020」作品に選出。
また、ミュージカルの世界でも映画版『キャッツ』(20年日本公開)ではミストフェリーズ役の吹替えを担当。20年ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2で主演トニー役、21年ミュージカル『ジェイミー』(21年)で主演ジェイミー役を務めたほか、2022年に東急シアターオーブで開催予定のブロードウェイミュージカルの名作中の名作「ピピン」日本公演の単独主演、2023年には、ミュージカル『SPY×FAMILY』で主演のロイド役を務めるなど活躍中。
2020年、アジアから世界に発信するエンターテイナー“MORISAKI WIN”として7月1日に「パレード - PARADE」でメジャーデビュー。「パレード - PARADE」はスズキソリオバンディットCMソングに起用され、音楽配信チャート1位を獲得するなど話題に。5月26日には、1stアルバム「Flight」をリリースし、5つの音楽配信サービスで1位を獲得。2022年には、世界を意識した海外作家を起用したシングルのリリースを重ねる中、「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の主題歌も担当し、アーティストとしても幅広い活躍を魅せる。
また、2018年より母国ミャンマーで観光大使を務め、現地でもドラマの主演やCMに数多く出演し圧倒的な知名度を誇る。

撮影/梁瀬玉実、文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/吉井めぐみ、スタイリング/岩田友裕、衣装協力/GARNI