森崎ウィン Aiming To Overseas
僕にとって初めての再演 ミュージカル『SPY×FAMILY』の幕が上がりました
月2回連載
第148回
こんにちは。森崎ウィンです。
ミュージカル『SPY×FAMILY』プレビュー公演の幕が上がりました。川越までご来場くださったみなさん、本当にありがとうございます! 新しく加わった木内健人くんはじめ、カンパニーが一丸となってここまで来ました。今はもう早く僕たちの『SPY×FAMILY』を観てほしい気持ちでいっぱいです。みなさん、楽しみにして劇場へお越しください。
『SPY×FAMILY』の現場は、初演のときもそうだったんですけど、チームの結束が強いんです。だから、稽古場の空気がすごくいい。可愛いアーニャが4人もいるおかげかな(笑)。自然とみんながなごやかな表情になるんです。
アーニャはみんな本当可愛い! 現場でも「ちち〜」って甘えてきてくれるんです。僕も年をとったせいかな。そうやって甘えられるとキュンとなる(笑)。自分でも驚いています。
あとは、この再演から新たにユーリ・ブライアを演じる吉高志音(※瀧澤 翼とのWキャスト)は、最近うちの事務所に入ってきた可愛い後輩です。またこの志音がユニークなやつなんですよ。同じ事務所の後輩ということで、現場では思う存分いじらせてもらっています(笑)。
僕はどっちかというと自分が後輩ポジションのほうが楽なタイプで。だから現場に後輩がいるってどんな感じだろうなって、最初はちょっと手探りでした。でも、志音はね、見た目はもちろんキラキラしたイケメンなんだけど、中身は僕と同じ陰キャ(笑)。だから波長が合うんだと思う。可愛い弟みたいな感じです。ついついいじっちゃうんだけど、彼から見たら僕もいい年なので、ウザ絡みにならないようにだけ気をつけたいと思います(笑)。
志音は歌もめちゃくちゃうまいんですよ。がっつりミュージカルがハマるという意味でも、あんまりうちの事務所にいなかったタイプじゃないかな。僕ももっと頑張らなきゃって刺激をいっぱいもらっていて。事務所の先輩としては、CREWのみんなには僕のロイドと一緒に、志音の演じるユーリにも注目してもらえるとうれしいです。
今回の『SPY×FAMILY』は僕にとって初めての再演です。初演から続投するということがこれまでなかったので、どんな感覚になるか、稽古に入る前までちょっと未知数だったんですよ。正直に言うと、ちょっと慣れて飽きちゃったりするんじゃないかって心配でもあった。
でも実際稽古に入ってみると、前回、あれだけ稽古をして、たくさん本番もやったのに、新しい発見がまだまだいっぱいあって。2年という時間が空いた分、その間に僕も変わっているからか、前回見落としていたところでこういう解釈ができるんじゃないかって気づいたり。飽きるなんて、まったくない。むしろまだまだ掘れるところがいっぱいあって、やりがいがある。今度はどんなロイド・フォージャーになるだろうってワクワクしながら稽古場に通っていました。
そもそも今回、僕が初めて再演に参加させていただくことになったのも、『SPY×FAMILY』だからなんですよね。僕は『SPY×FAMILY』が、原作も、みんなでつくった初演も本当に大好きで、日本発・世界に誇れるミュージカルだと思っています。前に海外に行ったときに、現地の方から「『SPY×FAMILY』やってるんでしょ?」と言われたくらい、世界中にたくさんのファンがいる作品ですからね。絶対この作品を海外に持っていったら喜んでもらえると思う。ミュージカル『SPY×FAMILY』を海外で上演することが、僕の夢の一つなんです。
そして、そのときにオリジナルキャストとして僕も絶対に参加したい! エラそうな言い方に聞こえちゃうかもしれないけど、ロイド・フォージャーという役は誰にも渡したくないんです。だからこそ、求められる限り長く演じ続けていきたい。今回の再演は、その一歩です。ぜひ多くの方にまた新しい僕のロイド・フォージャーを観ていただきたいなと思います。大千穐楽まで、よろしくお願いします!
森崎ウィンでした!
★編集部より★
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プロフィール
森崎ウィン
1990年生まれ。ミャンマーで生まれ育ち、小学校4年生の時に来日、その後中学2年生の時にスカウトされ、芸能活動を開始。
2008年にダンスボーカルユニットに加入し、メインボーカルを担当。俳優としても様々な役を演じ活躍する中で、2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の新作「レディ・プレイヤー1」で主要キャストに抜擢され、ハリウッドデビューを果たす。その後も数多くの映画やドラマに出演し、2020年に映画「蜜蜂と遠雷」で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞。主演を務めた連続ドラマ『本気のしるし』では釜山国際映画祭2021のASIA CONTENTS AWARDSにてBest Newcomer-Actor賞を受賞。その劇場版は第73回カンヌ国際映画祭「Official Selection2020」作品に選出。
また、ミュージカルの世界でも映画版『キャッツ』(20年日本公開)ではミストフェリーズ役の吹替えを担当。20年ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2で主演トニー役、21年ミュージカル『ジェイミー』(21年)で主演ジェイミー役を務めたほか、2022年に東急シアターオーブで開催予定のブロードウェイミュージカルの名作中の名作「ピピン」日本公演の単独主演、2023年には、ミュージカル『SPY×FAMILY』で主演のロイド役を務めるなど活躍中。
2020年、アジアから世界に発信するエンターテイナー“MORISAKI WIN”として7月1日に「パレード - PARADE」でメジャーデビュー。「パレード - PARADE」はスズキソリオバンディットCMソングに起用され、音楽配信チャート1位を獲得するなど話題に。5月26日には、1stアルバム「Flight」をリリースし、5つの音楽配信サービスで1位を獲得。2022年には、世界を意識した海外作家を起用したシングルのリリースを重ねる中、「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の主題歌も担当し、アーティストとしても幅広い活躍を魅せる。
また、2018年より母国ミャンマーで観光大使を務め、現地でもドラマの主演やCMに数多く出演し圧倒的な知名度を誇る。
撮影/梁瀬玉実、文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/吉井めぐみ、スタイリング/岩田友裕、衣装協力/GARNI