大高宏雄 映画なぜなぜ産業学
コロナ禍のなかの2本の映画ー『Fukushima 50』と『デッド・ドント・ダイ』
毎月29日掲載
第21回

3回続いて、新型コロナウイルスがらみになる。他の業種と同じように、映画界もまた、ここを避けては通れない過酷な現実が、日ごとに増しているからだ。前々回、広がりつつあるコロナ禍のただ中で公開される『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』の興行見通しについて書いたが、何といち早く、4月17日から配信が行われたことはこの場で記しておきたい。観たいけれど、コロナが心配で映画館に行かれない高齢者が多く、その要望に応えることが、配信決断の一つだという。全く前例のないことだが、この非常時における一つの特異な事例ということになろう。配信実施の先の理由にもあるとおり、コロナが、本作の興行に大きな影響を与えたのは間違いないだろう。