大高宏雄 映画なぜなぜ産業学
映画興収が過去最高確実の2019年映画業界を総括するー映画人口も1970年代初頭の1億9千万人台回復か
毎月29日掲載
第17回
興行収入1位は『天気の子』
映画界の2019年の映画興収が、過去最高となる。もはや、そう断言して間違いない。これまでの最高であった2016年(2355億円)を超えて、2600億円近くが視野に入る。昨年との対比では、およそ17~18%増が見込まれよう。素晴らしいことである。前年対比で、ここまで売上を伸ばす他の業界、業種が今、この日本にどれほどあるのだろうか。思いつかない。消費税が上がり、どこも決して甘くない経営環境のなか、なぜ映画業界はここまでの業績を出すことができたのか。